第三話 セカイと魔法
遅れてすみません
「っ!?」
いつの間にか、あの私室のベットの上に戻っていた
「グレンっ」
反射的のその名を口にしてしまうのはなぜなのだろうか
フィーナは豪華なベットから慌てて降りようとした。しかし、
ダ、バンッ
令嬢らしかぬ姿で派手に転んだ。騎士やってる時点でまぁ、外れてるけど。
「キャッ」
バンッ
「お嬢っ」
勢いよく開け放たれたその扉と彼の額から流れる汗でどれだけ急いでその部屋に向かい、入ってきたのかがうかがえる。
「いった…」
「何やってるんですかっ!?お嬢らしくない・・」
「ありがとう」
フィーナはグレンから差し出された手を取り、立ち上がる
「ねぇ、グレン」
「ん?なんですか?」
「みかん色の髪の平民のこと、知らないかしら?」
「どうしてですか?」
警戒?私に対して?まぁ、いいけど
反射的に目をつぶる。恐れていたわけでは…
「煩わしかったのよ。あんなものにはめられた私は愚か者よね」
嘲笑を浮かべながら語り掛ける。そして、その瞳に光が入る。そこには信じられない、予想外の光景があった。
なんで、笑わないの?
笑い飛ばされると思っていたフィーナはその少年の顔つきが真剣なことにひどく驚いた。
口を開く
「私の尊敬する人はたくさんいました」
え…?いったい何を、
「笑わな」
「そのうち、一人を除いて全員僕の手にも、だれの手にも届かない遠いところに行ってしまいました。」
グレン…?なにが、どう、なって?
グレンは多少なりとも私のことをきちんと主としてみてくれている。そんなグレンが、私が命じたわけでもないのに、主とみている私の話にこうも強引に割り込むことはない。はず。なんで、私の言葉を遮ったの。。。?
「その残って一人の方は、孤独でした。どうしようもなく。私のは到底、十分に支えることのできない方で、強く、力もあって、でもっ…」
目を伏せる
「それにしては多く、大きい責任を抱え、そのきゃしゃな体がへし折られてしまいそうなほどの思い、重りを持っています」
顔も伏せてしまって、いつもは読めるはずの心が読めない。でも、少女は何となく理解した。
彼の幼馴染であり、こういう主従関係を持つ少女でなければ気づかないその想い
セカイを作っているのは魔法だ。魔法を作ってるのは?どんなもので、どんな想いで、できたと思う?万能になりたい?不死になりたい?大切な人を救いたい?そうかもしれない。あえて言う。
「_否、だ____」
誰かの声。二人には聞こえてないようだった。
そんな個人の思いでできたわけでは、断じてない。
昔から、そう。とっても昔から。人間の純なる想い、そんな想いがたまってた。ある年、強力な感染症が世界を蝕んだ。その時この世界の人類は化学の一歩手前にいた。そう、選択の時が来ていた。
魔法という、未知なものを選ぶか。辛抱して、努力して、手に入れるか化学か。人類は選択した。
ひとりの少女が神の祠に飛び込んだ。神に、純なる想いを届けた。その少女は数日後、帰ってきたた。その少女は聖女と呼ばれ、崇め讃えられた。純なる願い…それをかなえるために魔法はある。だから、そんな願いをかなえるとき魔法は真価を発揮する。
純なる想いは魔法を、セカイを、造る。純なる願いをかなえるために
「だから、その人に多くの祝福があればいいのに。」
___セカイ・澄銀青の君へ_______
ゴォォォォン
鐘が鳴った。扉が開く。
やほー!読んでくれてありがとうございました。連載していく予定なので心待ちにしてくれると嬉しいです。高評価、感想、誤字脱字などたくさん送ってくれると嬉しいです。
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