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ギフトライフ  作者: ルナ
3/5

第二話 神?

書き直しました

起きる


「グレン…?」


足音どころか気配も感じられなかった。


独り、だ…


涙が出た。フィーナの仮面がはがれた


アリエナイ事態ノ発生。ナンデ?


グレン…死なないって、言ったじゃない


突如として扉が開いた


「お嬢、朝食で…ってお嬢っ!?」


駆け寄り、白いレースのハンカチをフィーナに差し出した


「大丈夫ですか?お嬢がなくなんて…天変地異でも起こるんですか?」


「なっ!?し、失礼な…グレン、死んだかと思ったじゃない」


「俺が?」


ハッと、鼻で笑った


「お嬢を残して死ぬことはないです。俺自身が許しません。俺はお嬢の従者なんですから。」


う…うっ…うわぁぁぁ


「泣かせに、来てるでしょ?」


ハンカチで涙をぬぐうフィーナ。しかし、落としてしまう


「泣かせに、来てるでしょ…?」


「ちょっ…俺しか涙ぬぐえる人いないんですか?」


渋々、落ちたハンカチを回収し、似たハンカチでフィーナの涙を拭きとる


「婚約者でもいればいいのに…はぁ。めんどくさい。」


「解雇とど」


「あーお所の涙をぬぐえるなんて俺はとっても幸せ者で、光栄ですねー」


棒読みじゃない…


フィーナは泣きながら微笑んだ。


聖女の慰め(コーデス・ララバイ)


フィーナはいつも通り自然に唱え、目をきれいにした


「お嬢…?」


訝しむような、疑る視線


っあ……グレンはまだ知らなかったわね


「お嬢が聖女?」


「聖女の力は使える。でも、聖女にはならないわ。」


「なんで?」


また品定めかしら?グレンも懲りないわね。まぁ、今回はいいとしましょう。


フィーナは優雅にクスリと笑う。目の奥の憎悪や嫌悪は一切隠さないままに


「平民が煩わしいのよ」


「そっか…。お嬢、そいつはミカン色の髪の平民ですか?」


「えぇ、そうよ。グレン…、分かり合えてよかったわ」


「まさかこんな奇跡が二人に起こるとは」


「さぁ、二回目を始めましょうか。」


音はならなかった。前回と同じく。


「お嬢っ…あなたはなぜっ、幸せにな」


鐘がなった。驚くほど小さく、だれにも気づかれなかった。






起きる


「グレ…?ここは、いったい?」


フィーナは思わず目を瞬き二度見した。なぜなら、そこは自分の知るどの部屋とも構図が違い、何より、白いのだ。ただひたすらに白い。一部、奥に黒い靄のような、実態のつかめない何かがあった。あえて言うなら、すべてが抜け落ち、混ざり合った虚無の空間。他は家具も日常的に使うものはあったが、それも白かった


どれだけ白が好きなのかしら、この部屋の主は


しばらく辺りの観察をしていたフィーナの耳に声が聞こえた.


否、響いた。


「やほやほー☆」


真正面を向くとラフな格好の少女がたっていた


え…?なんで、


フィーナが疑問に思ったのはその少女がそこにいる現状だ。窓もトビラもないのに圧迫感を全く感じないこの不思議な部屋にフィーナの気配察知を潜り抜け、入ってくるなんてことはほぼ不可能。仮にできたとしても、声をかけられる前に気づく。その存在が高位な存在でなければ。


天使は…無理。私は一度、堕天使を倒した。あの時は威圧感なんてこれぽっちも感じなかった。

じゃあ、


王族以上の教育と、自衛。自衛は近衛騎士や王侯魔法師団が足手まといになるほどの天才。もちろん教育もそうだ。周りの王侯貴族がかすんで見え、ひどすぎるとそこにいるだけで生理的に拒否してしまいそうになるくらいに。人の表情を読み、心情を丸裸にするその才能。悲しいほどの打算的で冷え冷えとしてその心。それを隠し通すその美貌から放たれる恐ろしいほどの愛らしさをまとう笑み。最強で、完璧で、無敵の彼女はすべてを看破する。その高位な存在の正体さえも。


神ッ!!!


畏怖。しかし、それが彼女を支配することはなかった。


ありえない?


自分の心を鼻で笑って否定した


存在だけでこの威圧感で、この世界の不自然さを見てそんなことを考える心は使えないわね…。


「急に呼び出しちゃってごめんね~。でもさ?自分のいとし子が聖女にならない宣言して焦らない神がいるわけないじゃんっ☆!」


プンプン。擬音語で表すとこうなる。


これが、私たちの神様?


一瞬それをすべて拒否したいと思った。



でも、


この威圧感は本物だ


「でもっ、貴族の子の位を維持するには、これしか」


「あーもう。はいはい、わかったよ」


面倒くさそうに返事をする


「ボクとしてはな~。まぁ、しょうがない。僕はこれでも神だからね、ちょっと待っててよ」


「はい」


驚くほど落ち着いていた。


自称・神の少女は伝令を下すかのような威圧感を一瞬放つ。無の空間の前で。


何が起きるのかしら?


そんな状況でもフィーナは落ち着き払っていた。


「リストーン?お久っ☆」


は?


「もっちろん、女神だよ?」


リストーンって、リストーンって


「これからねー、すべてを失った少女が聖女になるんだよね。彼女の爵位?とかよくわかんないけどを認めてあげといてよ。」


少しの間


「え~じゃあ、国王呼び出して」


え…?待って、え、リストーンって、神殿の最高権力者であり、現・教祖にして教皇のリストーン・ファラージのことじゃないよね?え、なにやってんの?それに、コクオウヲヨビダス?う~ん何を言ってるのかな?


「お~、やっほ☆国王アルビス!」


少しの間


絶対王様困惑していっらしゃるわ…


「え~とね、これからとある不幸な貴族令嬢が聖女になる予定なんだけどさ、へ?あぁ、それは…そう、だね。周りの人間をすべてを失った少女。と、いったらわかるかな?それでさ、その子だけ特別に貴族の位を維持してあげて。不満が出るなら、ボクの名前を使え」


ガチャ


懐かしい電話の音


くるりと振り向く自称・神。


「これでどう?☆」


はぁ


頭が痛い。精神的な意味で


「ありがとう、ございます」


不服そうな顔で言うが、


「ふふふ~ン」


満足げな自称・神はそれに一切気づかない。


とても上機嫌なので言いにくく、私も自分の願いを実現できて、まことに、まことに、感謝したいのですが…

めいわくだっ


「ん。それじゃ、まぁ」


≪ギフトライフを楽しんで≫


臓物がひっくり返る不快な感覚。フィーナは口を開くが、息をうまくはけなく、何も言えない。


背中から空中に放り投げられ落下している感覚。それと視界のせいで何もできない


怖い?こわいこわいこわい?あれ…


恐怖でうめつくされていた気分になっていたフィーナは違和感を感じて絶対0度まで一瞬で戻るその違和感は常人にはおよそ理解しがたい。なぜなら


こわいってなんだっけ?


スパルタ教育の副産物。


虚無の空間を落ちて、落ちて、落ちて、落ちて、落ちて、落ちておちておちておちておちておちておちておちておちておちてオチてオチてオチテオチテオチテオチテ


なにっ!?


突如として白い空間が現れる


トン


そんな優しい受け止められたような音は、

            フィーナの耳に届くことはなかった

読んでくれてありがとうございました。連載していく予定なので心待ちにしてくれると嬉しいです。高評価、感想、誤字脱字などたくさん送ってくれると嬉しいです。

ブックマークもよろしくお願いします。

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