表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/39

仏の顔は何度まで?

いつも、どんな酷いことを言ってもやっても、許してくれる友人の虎空こくう

自分を甘やかしてくるそんな虎空に、無理難題を押し付けつつ、どこまで許して貰えるのかを探るマヤ。

(日常/ラブコメ/甘々/溺愛/ほのぼの/ギャグ?)

---------


興味を持って下さってありがとうございます。少しでも読んで下さった方の心に残れば嬉しいです。


ゼンマイ仕掛けで動くからくり人形を壊してしまったマヤは、壊れて動かなくなった人形を手、機械技師である虎空こくうの元を訪れた。


この虎空という男は、昔からマヤに甘い。

歳が離れている事もあるが、どんなに理不尽な事を言っても、馬鹿にしても、絶対に怒らないのだ。


子供扱いされているようで気に入らなくはあるが、どんなワガママも聞いてくれるのは有り難い。


「…ん?マヤか、どうした?アンタの方から会いに来るなんて珍しいな」


「まぁ、会いたくて来た訳じゃないけどね。これ…」


そう言ってからくり人形を虎空に差し出すと、虎空はまじまじと人形を眺める。


「へぇー、ゼンマイ仕掛けの人形。面白いモン持ってんじゃねぇか」


手渡された人形をまじまじと見ていた虎空は、小さく声を上げた。


「ん…?これ壊れてんのか?」


「うん、直して貰おうと思って来たの」


「…ネジが一本足りねぇみたいだな」


ガリガリと頭を掻きながら呟くと、マヤは目を逸らしながらポツリと口を開く。


「まるで虎空の頭みたいね」


「…修理を頼みに来た奴のセリフとは思えねぇな」


「これを直せるのは元親以外にいないと思って持って来たの」


「…棒読みにも程があんだろ」


嫌々ながらおだてた。という感じが出ていたマヤの言葉に、そう短く答えると、虎空は再び人形をいじり始める。


「…ッち、何だこりゃ。全く仕掛けが分からねぇ」


「クソの役にも立たないわね」


「…お前、実は俺が嫌いだろ」


さんざん分解した後、人形を元に戻した虎空は、結局直せないままマヤに人形を手渡した。


「駄目だな、足りねぇネジがウチにはねぇ。直すにはコイツに使えるネジを手に入れるしかねぇ」


虎空はそう言って、申し訳なさそうに頭を掻く。

マヤは意気消沈を隠さずに、溜息を吐きながら人形を受け取った。


「ありがとう虎空。直して貰えなかったけど、一応お礼を言うわね。口だけの無能っぷりに、心無い酷い事を言う人が沢山いると思うけど、挫けずに頑張ってね」


満面の笑みとは裏腹に棘たっぷりにそう言うと、マヤはこれ見よがしに、再び深い溜め息を吐く。


「…あぁ、今のお前の心無い酷い一言が、俺を傷つけたよ」


「それじゃ私は帰るね、あ…」


「…?、今度は何だよ?」


何かを思い出した様に足を止めたマヤは、くるりと虎空を振り返った。


「ネジ、手に入れておいてよね」


それだけ言うと、マヤは虎空の返事を聞かずに部屋を後にした。


返事など聞く必要がないのだ。


何故なら、虎空がマヤの頼みや我儘を、今まで聞いてくれなかった試しなどない。


(虎空には悪いけど…ね)


自分の我儘を何処まで聞いてくれるのか。

自分の文句を何処まで怒らずに聞いてくれるのか。


いつか怒るまで、やってみたいと思うマヤだった。

最後まで読んで下さってありがとうございました。

作品を気に入って頂けましたら、ブクマや広告の下にある感想やなど頂けましたら次回への励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ