街作りの説得
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シルヴィア達と自分の部屋で話していると、外が騒がしくなってきた。
多分、お祖父様達が帰って来て父上達が正気に戻ったのだろうな。
このまま部屋にいたら、家族全員が俺の部屋に突撃してくるからサロンに移動するか。
サロンに入る前に、ミラを前にだしてミラに扉を開けさせる。
絶対家族が、扉を開けた瞬間に駆け寄って来て俺だと分かると、早くどけオーラを出してきて地味に傷付くんだよな〜。
「ミラ!曾祖父様が帰って来たぞ!いい子にしていたか!」
「何を言っているのですか。ミラはいい子にしていたに決まってんじゃないですか!ミラ、寂しく無かった?曾祖母様が帰ってきたから、もう大丈夫よ。」
「帰って来たぞ、ミラ。お土産が無くて悪いのぅ。」
「ただいま、ミラ。今日も可愛いわね。」
曾祖父様達が次々に話かけているが、父上と母上は曾祖父様達に押しのけられてミラに話かけられていない。
父上達が文句を言ってない事から、帰りに爆走した事を怒られたんだろうな〜。
そろそろ可哀想だから、ミラに合図をだしてやるか。
ミラが合図に気付いて、父上達の所に向かった。
「お父様、お母様、おかえりなさい。さっきはごめんなさい。お兄様は初めて活性化した魔の森に行ったから心配だったの。」
「ミラ、いいんだよ。ただいま。」
「ただいま、ミラ。私達もミラの気持ちより自分の気持ちを押し付け過ぎたわ。ごめんなさい。」
よしよし、これでいいだろう。
さて、魔の森の活性化か終わって土地も広くなったし、殱魔騎士団の強さも証明出来たから、そろそろ領都を作り始めたいけど許してくれるかな?
「皆に相談があるんだけど、聞いてくれる?」
うわぁ〜、露骨に嫌そうにしてるな。
まぁ、この説得が上手くいけば仕事も増えるしミラに会う時間が少なくなると思うけど、そんなに露骨にしなくてもいいと思うだけどな。
「シルバーが相談したい事があるって時は、覚悟を決めて聞かないといけないから数日準備期間が欲しかったな。」
「そんなに突拍子も無い事ばかり言った覚えは無いのですが?」
「いやいや、あるじゃろ。冒険者潰しとか、花畑を作るついでに人工栽培不可能なホワイトアップルを植えたいとか、薬草の人工栽培の方法とか。」
あっ!薬草採取方法の実験忘れてた!
鉢植で育てた薬草どうなったんだ!
「薬草の事を忘れていたわね?鉢植ごと持って帰って来たわよ。」
「見事に育っていたぞ。薬効があるかは見ただけでは分からないから、屋敷の専属医師に渡しておいたぞ。」
「もし薬効があったら、人工的に薬草栽培が出来る様になるわね。これも、ホワイトアップルの事と一緒で大発見なのよ。充分突拍子も無い事じゃない!」
大人達に総出でツッコまれた。
助けを求めて、シルヴィアやミラを見るがすぐに目を逸らされて見捨てられたよ。
「んんッ!まぁそれはとにかく、相談があるので聞いて下さいね?結構大事な事何ですから。」
シルヴィアを含む家族全員がソファーに座って一息付く。
お祖父様が使用人に、全員のお茶と茶菓子を頼んで人払いも済ましてくれた。
「さて、シルバー。なんの事で相談があるんだい?」
「今回の討伐と焼き打ちで、領地が広がったので新しく領都を作りませんか?」
「はぁ〜。それ見た事か。領都を作るなんて突拍子も無い事だろうに!」
「まぁまぁ、シルバーはどうして領都を新しく作りたいの?」
「一つは、今の領都が竜の道に近すぎると思ったからです。」
「近いすぎると何か悪い事でもあるのか?ドラゴナイツ侯爵家との連携がしやすくていい事だと思っていたが?」
「王家が我々に戦争を仕掛け易くなります。竜の道を通ってすぐに滅ぼす街があって、しかも逃げ込める場所もありません。」
大人達の顔に緊張が走ったのと同時に、何故そう思わなったのかについて疑問が浮かんでいた。
あぁ、これも影響力の仕業か。
何か大きな事をしようとすると、必ずと言っていいほど影響力が見え隠れするな。
「そう言われれば竜の道から近いし、領都以外に大きな街を作っては来なかったな。魔の森の事もあったが、大きな街を作らなっただけで村とかは普通に作っていたのにな。」
「儂の代は、基礎を固める事に注力しておったが作った方が基礎が高まる場所も今思えば多くあるのぅ。特に魔の森の近くに何故、大きめの街を作って魔の森の備えにしなかったのじゃ?」
「確か、別邸を作った時に村を大きくして街にしようとした事があったわね?」
「その頃に、私がこの領に来て急に結婚準備が必要になって、王都に行ったり私が妊娠したりで流れたのでしたわね?」
「そうだ!村を街にしようとすると、なんらかの慶事が起こってそちらに掛かり切りになったり、金が掛かったりして全部頓挫したんだ。」
今回の影響力は、悪い方で邪魔をしないでいい方で邪魔をしてきたのか。
確かに邪魔をするなら、必ずしも悪い事を起こして邪魔をしなくてもいいのか。
上手く利用出来れば、逆に公爵領を豊かに出来そうだけど、まぁ上手くはいかないだろうな。
「そんな訳で街を新しく作って、領都を変えたいんです。今いる領都は、盗賊や闇ギルド対策としてかなりの兵力を置いて、更にドラゴナイツ侯爵領との商業の拠点にしましょう。」
「盗賊や闇ギルドは解るけど、なんで商業の拠点にするんだい?」
「区画整備に時間とお金が掛かり過ぎるので、むしろある程度商人に自由に街を改造させて、こちらのお金が掛からない様にしようと思います。」
「なるほどね、でもある程度自由にすると商人達が暴走しないかしら?」
「力を持った商人は王族でも手を焼く存在になるわよ?祖国でも大変な事があったからあまりいいアイディアには思え無いわよ私は。」
「街や屋敷が出来るまで時間があるので、その間に殱魔騎士団専属の魔物を多く取り扱う商会を作って、この街を任せましょう。公爵家がトップの商会にこの街を牛耳って貰います。それなら安心でしょう?」
「なるほどのぅ、それならば商会の人間が暴走しても我々が何かするよりも先に、その商会が叩き潰してくれる訳かのぅ?」
「それはわかったけど、シルバーの事だからそれだけではないのでしょう?言いなさいシルバー、何を企んでいるのかしら?」
「いや、企むなんて酷くないですか曾祖母様?我々愛し子の悲願をついでにしてしまおうとしているだけですよ?褒められる事はあっても怒られる事ではないですよ?」
「私達愛し子の悲願?シルバー様、私達愛し子にもわかるようにおっしゃって下さい。」
お祖母様、シルヴィア、ミラの3人が俺を凝視してくる。
愛し子の悲願とはいえ、3人に何かをして貰うつもりはないからそんなに構えなくても大丈夫なんだけとな。
「3人に何かをして貰うつもりは無いよ?もう準備は終わってるから、後は新しい街を作るついでで大丈夫。」
「街を作る事に関係あるのかい?愛し子の悲願なのだから、準備も相当大変だった筈なのに街を作れば達成する?」
「準備は6歳の頃から着々としてますよ。後は場所が必要なんです。新しい街の、新しい神殿という場所がね?」
「神殿?まさかシルバー!神殿を潰すつもりなの?!そんな事は絶対に無理よ!!冒険者ギルドとは訳が違うのよ!ステータスは神殿以外には得られないのだから!」
お祖母様が荒ぶってるな〜。
俺だって神殿を潰すなんて事は出来ないよ。
でも、
「お祖母様、神殿は流石に潰せませんが、神官達は潰せますよ?確かに神殿という場所は潰すなんて思いもしませんが、神官達はただの人ですよ?潰せますよ。」
「確かに、神官達はただの人ですから潰そうと思えば潰せそうですが、神殿と神官は切っても切れない物ですから結局無理なのでは?」
「そうなんだよ。だから、神殿を新しく作って空っぽの神殿が必要なんだ。そこに、俺が育てた神官達を新しい神殿に入れてしまおうと思ったんだよ。コレならちゃんとした神殿が出来上がる筈だよ。」
「ええ、その通りね。更に、領都を移すならこの街の神殿よりも力を持つ事になるわね。」
「そうです。その力を使って、この街の神官達を追い出してしまえば公爵領の神殿だけでも正常に戻せます。そして、それを皮切りにドラゴナイツ侯爵領に波及させて、それを「第二の王家の家臣」の領にも広げていけば我々の仲間達の領でも神官潰しが可能になります。ね?いい事でしょう?」
「ふぅ〜、領都を移すことも悪い事じゃないから反対はしないよ。この街を商人の街に変えるのも、対策がしっかり練って打てるから反対しないよ。」
「神殿に関しては、私達愛し子の悲願なのよ!絶対に行うわ!アルフレッドがなんと言おうがやるわよ!あの豚達は公爵領にはいらないわ!!」
「わかりますわ、エステリーゼ様!あの豚は見ただけで淑女としては駄目かもしれませんが、殺したくて堪らなくなりますわ!それに、侯爵領の豚も駆除出来るなら万々歳ですわ!!」
愛し子の俺達にとって、神官達は見ただけで殺したくて堪らなくなるほど醜悪なんだよな!
ミラだけは、まだ見た事がないからキョトンとしてるけど、前世でも嫌いな奴は徹底的に排除しようとする奴だったから、あの豚達を見たらいきなり殺しに掛かるかもしれないな。
「待って下さい母上!愛し子では無いですが、私達もあの豚の醜悪さは解っています。シルバーの案なら時間が掛かるとはいえ、失敗の可能性もほぼありません。更に、シルバーが一番時間が掛かる神官の教育を終えていますから、反対などしません。ですが、神殿は建てたことがありません。上手くいくのでしょうか?」
「そこは、大丈夫ですよ父上。神殿を建てたい様に建てられるとなれば、ユナ様がシルヴィアかお祖母様かミラの体を使ってでも設計図をくれますよ。」
俺なら、祀られる場所は自分で作れるなら作りたいしな。
神殿潰しはユナ様との約束の一つだし、やれる事はなんでもするさ。
それに、なんとなく神殿をちゃんとする方がいい気がするんだよな〜。
神殿が正常になって困る事など何一つないしな。
後は、領法に政教分離を作れば、神殿がまた腐ってしまってものさばらせる事にはならないだろう。
年間で神官達ぎ死なないで、庶民よりは贅沢に、そこそこに大きい商会よりは贅沢出来ない位の金を渡しておけば問題無いだろう。
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