未来の展望と種族
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「わたしが領主代行になるの?!港町の?」
「ミラと言うより、ミラと結婚した相手と一緒にだけどね。ミラは政略結婚はさせないと思うから、誰でもいいけど結婚相手は選ばないと駄目だぞ。」
この国では、女性当主はまずいない。
何故か無能になるほど女性蔑視が加速するからね。
二代目の時に女性当主がいたらしいけど、相当酷い扱いをされたらしい。
それを助けて「第二の王家の家臣」に入れて守った家が、誕生日パーティーで転んだリタの家の子爵家だ。
だからこそ、シルヴィアの事を守る為にシルヴィアの侍女になろうとしていたらしい。
「第二の王家の家臣」筆頭のドラゴナイツ侯爵家を守り王家に入った後も、ドラクル公爵家との橋渡しをするつもりだったとシルヴィアは言っていたな。
「でも、実質的にはミラが領主代行ですわよね?大丈夫なのですか?」
「その頃には、王家に、逆らえないんじゃ無くて、王家が、逆らえない様にするから大丈夫。その為には神殿を一度潰さないといけないけどね。」
王家と神殿は癒着が酷い。
この国は、人間種以外も奴隷はいないが、人間種以外のエルフ、ドワーフ、獣人、禍津種、の種族は地位が一番低い。
ハーフになれば、貧民街以外の場所で生活出来ない程だ。
ハーフ種はどちらの同族からも嫌われている。
理由は隣国の殿国の影響だ。
殿国は神殿が中心にある国で、神に愛されている国を謳っている。
フフッ、神に愛されていると言う割には愛し子が建国以来一度も産まれた事が無い。
神殿は神に嫌われている国だから絶対に愛し子が産まれない。
でも、ステータスの取得には神殿が必要不可欠だから人類は抵抗が難しい。
そして、人類は人間が一番多いからどうしても神殿が中心にある殿国は発言力が大きい。
その殿国が人間種以外の種族を奴隷にしている。
更に、ハーフは見つけ次第殺して回っている。
だから、ハーフが産まれた瞬間同族に迷惑が掛かると捨てられるし、両方の種族から嫌われる。
ゲームでは、ハーフの救済クエストがあったが、結局ハーフ全体は救えなくてなんかよく分からない場所に隠れ里を作ったで、終わってモヤモヤするクエストだった。
ただ、そのクエストでハーフは両親のいい所しか遺伝しないと言っていた。
なら、エルフ、ドワーフ、禍津種、獣人、をそのまま雇うより格段に良いに決まっている。
エルフは気難しく気高いと言われているが、ゲームでははっきり言って傲慢で過去の栄光縋っている面倒くさい奴らだ。
ドワーフは腕はいいが頑固と言われているが、新しい物をとにかく否定して自分達が作った物以外を貶しまくる奴らだ。
禍津種は他のゲームとかでは、魔族の立ち位置にいる奴らだ。
ただ、別に魔法が得意な訳じゃ無い。
魔物に近いそれぞれの特性を持って産まれくる。
しかも両親からの遺伝じゃ無く、完全にランダムだとされている。
だから、見た目も能力も魔物に近い者が多い事から差別が一番酷い。
ゲームでは、信用を得るまでが凄く大変な種族だが、そもそも全てに否定的でこいつ等を相手にする位なら切り捨てた方が建設的と思う程面倒くさい。
更に、自分達が差別されているからとハーフに対する差別が一番酷い。
自分達より下に位置するハーフを守ってやれよ!って何度も思った事か!
獣人は、仲間意識が強くて力を示さない者には一切靡かないと言われているが、獣人同士にも差別がある。
肉食系の獣人は草食系の獣人を、戦えないから使い物にならないと差別している。
草食系の獣人は肉食系の獣人を、守ってくれているから少し位の乱暴は仕方ないと受け入れている。
だが、結局の所は獣人総てが脳筋で力こそパワーな考えで自分より強い奴が正義みたいな感じだ。
仲間にしても、俺より強い奴が敵にいたら普通に裏切ってくる信用も信頼も全く無い奴らだ。
ハーフはいいトコ取りの種族だから、単純に戦闘が上手い。
強いのでは無く、戦い方が上手い。
自分の特性をしっかり理解して戦うから、数が増えたらかなり戦闘力の高い国が産まれるだろうな。
それを嫌ったのが、殿国の奴らだ。
つまり殿国が一番ハーフの事を、ある意味信用と信頼している。
こいつ等を自由にしたら、人間種が滅ぼされると本気で思っているからこそ、ハーフを見つけ次第皆殺しにしている。
普通に暮らせるなら、ハーフ達を公爵領に連れて来れば公爵家に忠誠を誓ってくれるだろうな。
港町は貿易、塩、だけじゃ無く防衛でも大事だ。
船で大勢を一気に街の中まで入れる事が出来るからな。
だから港町の警備は、強さよりも戦闘の巧妙さが必要になる。
ハーフはうってつけの人材だし、殱魔騎士団の鍛練方法で鍛えれば、巧妙で強い警備兵になる事だろうよ。
公爵家で一番愛されているミラの街にはピッタリだろう。
それに、ミラがもしハーフと結婚したら「第二の王家の臣下」達は、ハーフを差別なんてせずにむしろ守ろうと積極的に助けてくれるだろう。
更に、ミラと結婚したらハーフでの最初の貴族になる。
いずれハーフの中から必ず、英雄の様な者が現れてかなり大規模な差別解消戦争が起きるに違いない。
虐げられた者が見せる牙は、かなりの鋭さがある。
その戦争が起こる前から、ハーフ達に優しく守って来たとなれば、国を越えて起きる差別解消戦争中でドラクル公爵家と「第二の王家の家臣」達だけは、鋭い牙に噛まれなくて済む。
そんな未来の事をシルヴィアとミラに話してみたら、
「お兄様は英雄が嫌いだったけど、この世界に来て考えが変わったの?」
「英雄がお嫌いなのですか?なぜですの?英雄がいれば心強いと思いますが?」
「今でも嫌いだよ。英雄のでき方が嫌いなんだよ。」
「英雄のでき方ですの?英雄は現れるものではないのですか?」
「英雄はできるんだよ。もしくは作られる。英雄とは大量に人が死ぬ事ででき上がるものなんだよ。」
「人が大量に死ぬってどうゆう事なの?」
「言葉道理さ、人が大量に死ぬ事柄を解決したから英雄と呼ばれるんだよ。」
「解決したから英雄になるなら、いい事じゃないの?」
「人が大量に死ぬ事、そんな事態になっちゃ駄目だろう?俺は英雄がいる国は、
「英雄が産まれる事態に対策もなにもしてませんでした!」
って言ってるのと同じだと思う。」
「確かにそうした側面もありますが、純粋に強い人も英雄と呼ばれませんか?」
「純粋に強いだけの人は全員が英雄とは呼ばれないさ。強い人が何を成したかで、ただの強い人か、英雄になるかが決まるのさ。」
「ただ強い人が英雄になる条件が、人が大量に死ぬ事とその原因を排除する事ですか。」
「そう聞くと、英雄はいない方がいいかもね。しっかり対策して、皆で戦って出来るだけ人が死なない方がいいに決まってるもんね!」
「英雄なんてものは、過去にいるからいいんだよ。現在にいたら、利用する、しないや、利権の取り合いで権力争いが激化したりしていい事なんて何一つないよ。ドラクル公爵家だからこそ言える事でもあるけどね。」
「そうですわね。ドラクル公爵家は初代様もドラゴンスレイヤーの英雄ですし、三代目のヴァンクロード様も魔の森の開拓の英雄と言えますものね。」
「えっ!曾祖父様って英雄なの?!ただの凄い人じゃないの?」
「曾祖父様は、誰にも出来なかった魔の森の開拓をしてみせたから、英雄と言えば英雄だよ。まぁ、少しズルをシテイル感があるけどね。」
「ヴァンクロード様がズルをしているのですか?」
「う〜ん、あのね?そもそもだけど、曾祖父様が当主の頃は二代目様も初代様もまだまだ元気でいらっしゃったからね?」
「そうでしたわ。そもそも英雄である初代様がご存命の時代でしたわ。確かに家族であるヴァンクロードが以外には初代様の協力は無理な事ですわね。ズルいと言えばズルいですわね。」
「アハハッ!英雄の力を借りて英雄になったの?!曾祖父様!それはズルいでしょう!」
「直接には頼んで無いみたいだけどね。間違いなく初代様が手伝っていたらしいよ。曾祖父様も気にしているから言っちゃ駄目だぞ。」
俺は曾祖父様から聞いたみたいに話しているが、曾祖父様にこの話を聞いた事は無い。
5歳の時に図書館で見つけた、初代の日記に簡単にだけど初代の人生が書いてあったから知ってるだけだ。
お祖父様がジジ臭い喋り方なのも、この日記を読んでわかったからな。
種族事に、英雄と呼ばれる人はいるが、人種程確かな事は残っていない。
人伝でしか英雄譚が残って無いのと、人種以外の英雄達は必ず戦場で酷使され過ぎて死んでいるからだ。
エルフもドワーフも禍津種も英雄達を自分達なりに、偉業として残す努力をしている。
だが、獣人だけは別だ。
死んだ英雄は、英雄じゃない。
それが獣人達の考え方だからな。
生きている内は英雄、死んだら雑魚扱いをする。
獣人達だけは、この公爵領には差別だと言われても入れるつもりは絶対に無い!
獣人だけは理解出来ないし、理解したいとも思わないからな。
公爵領に来たら、公爵領を逆に衰退させる要因になるのが目に見えている。
獣人族と別種族のハーフ達は仲間意識が強く、価値観も普通の人種と同じなのに、何故か純血の獣人は「戦って死んだら英雄じゃなくただの雑魚」になる。
獣人族のハーフは頼りになるのに純血の獣人は何故あんなに脳筋なのか全く理解出来ない。
エルフのハーフは、成長が早いからこそ純血のエルフに嫌われる。
エルフは成長が遅く、子供の時間が長い。
その事こそが、エルフ達の誇りになっている。
長い間、子供を守れる親は凄い!
長い間、子供として生きて色々な知識を蓄えられる自分達は凄い!
それがエルフの考え方だ。
エルフのハーフは、成長速度が人種と変わらないが寿命はエルフと同じだ。
だから、「知識を蓄えられないのに、同じ血が流れている事に我慢ならん!」という事らしい。
馬鹿か!大人になっても知識は増えるだろうに。
むしろ、大人にならないと本当の意味で知識を活かせない。
宝の持ち腐れだ。
禍津種は、魔物の特性こそが誇りだ。
禍津種のハーフは、魔物の特性のデメリットだけが受け継がれない。
普通に考えればいい事なのに、禍津種は「全てが魔物の特性なのだから、一つでも受け継がれない者は禍津種にあらず!」という事らしい。
デメリットで苦しんでいる今でも、その考えは変わらない。
見ていて哀れになるよ禍津種だけは。
ドワーフは、魔剣や魔槍などの魔法が関する武器は作る事が出来ない。
でも、魔法に頼らないでも、凄い武器が作れる事こそが誇りになっていった。
ドワーフのハーフは、むしろドワーフ達とは逆でドワーフ達程の凄い武器が作れない。
でも、魔剣や魔槍等はどの種族も追い付けない程の凄い物を作る。
しかも、ドワーフ程の凄い武器は作れないが、人種の中でも超一流と言われる鍛冶師と同じ位の武器は普通に作る。
人種からみたら、ドワーフのハーフの方が優良物件だ。
頑固でもなく、新しい物に拒否感もなく、それでいて超一流の武器を作り、更に魔剣や魔槍等の魔武器を作れる。
ドワーフはいらないが、ハーフドワーフは正直今すぐにでも公爵領に拉致してきたいくらいだ。
上手く街を作って、ハーフを向かい入れる場所と意識改革が出来ればいいんだけどな。
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