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ハーブの種は武器である

よろしくお願いします


 流石に最強種のドラゴンなだけはあるな。

 俺とシルヴィアの動きが見ていてるし、しっかり反応もしてくるな。

 さっきから、ワザと攻撃させて俺の攻撃に合わせて反撃してこようとしてるしな。


 だから、シルヴィアがワザと違う場所の氷を溶かしてドラゴンを翻弄している。

 少しでも失敗すれば、俺はドラゴンの攻撃をマトモに喰らうぞ。

 シルヴィアの信頼は嬉しいけど、俺はそんなに戦闘経験が無いから御手柔らかにして欲しいよホントに!


 溶けた左足を素通りして、ドラゴンの腹に伊弉諾を突き刺しながら、雷魔法を伊弉諾を通して体の中まで送りこんだ。

 駄目か、そんなにダメージが通ってないな。

 体が凍っているから、魔法自体は効いてるはずなのになんで体内に魔法を流しても平気なんだこいつは?


 「シルバー様、ドラゴンの肉には魔力が大量に含まれているため、魔法が効きにくいのです。内臓まで届いていないと、刀からの魔法では効果が少ない筈なので魔力の無駄使いはしないで下さい。」


 ドラゴンの肉って美味しいって、小説とかでは定番だけどこの世界のドラゴンは違うのか!


 「シルヴィア、ちなみにドラゴンの肉を食べたらどうなるの?」


 「魔物なら問題無いですが、人間が食べたら魔力暴走して破裂しますわ。初代様が倒したドラゴンを勝手に食べた貴族がそうなりましたの。それで調べた結果なので、間違いありませんわ。」


 異世界に行ったらやってみたいランキングの上位に入っていた、ドラゴン肉が食べれないなんて!

 そんなの嘘だろう!

 最高級の肉って、定番なんだぞ!


 ショックを受けて足が止まったのが良くなかった。

 気付いたら、目の前に壁があった。

 咄嗟に地面に這いつくばり、壁と地面の間に滑り込む。

 なんだ今の壁?!

 どこから急に現れた?!


 「尻尾ですわ!私が溶かした右足を軸に尻尾で攻撃しましたの。お気を付け下さい。相手はドラゴン、人ではないのです。四肢が凍っていても攻撃手段はまだまだありますわ。」


 そんな忠告が聞こえたそばから、体の下にいる俺にボディプレスをしてくる。

 体が大きいから重さもそうだが、範囲が広い!

 しかも、俺でも逃げるのが精一杯になる程速い!


 やられてばかりも癪だから、逃げながら土魔法で出来るだけ大きな石杭を地面から生やしてやるよ!

 ドオォォン、と大きな音をたてながら地面がかなり揺れる。

 これはちょっと不味いな。

 立ってるのが精一杯だぞ!

 今ドラゴンから攻撃がきたら避けられない!


 「グルギャァァァァ!!」


 おお!ドラゴンが悲鳴を出してる!

 石杭は上手くいったみたいだな!

 今なら、目を狙えるかもしれない!

 いくぞ!!

 気合を入れてジャンプした瞬間、


 「駄目ですわ!シルバー様!」


 シルヴィアの叫びが聞こえた瞬間、俺は吹っ飛んで地面を転がっていった。

 グハッ!何がおこった。

 体が、バラバラになるかと思ったぞ!

 アチラコチラが痛くて仕方ない!


 ドラゴンの方を這いつくばりながら見上げると、悲鳴を上げながら首を横に振りまくっていた。

 なんだよ、攻撃じゃなくて痛くて振ってた頭に当たって吹っ飛ばされたのかよ!


 ドラゴンは巨体だから、頭も当然デカイ。

 デカければ、それだけ重さもあって鈍器として使用出来て当たり前か。

 狙って攻撃されてたら今頃死んでたな。

 攻撃の時は、逸っては駄目だと教訓にするしかないな。


 痛む体に鞭を打ってなんとか立ち上がる。

 ドラゴンも立ち上がっていたが、腹から大量に出血している。

 これは毒の効果が出なくても倒せるかな?

 いや、駄目だろ。

 さっき教訓にしたばかりだろ!


 相手はドラゴンだ。

 生命力もダテではないだろう。

 最強種が生命力が無いなんて事はありえない事だろうしな。


 「ええい!離さんか!!俺もシルバー達と戦うぞ!」


 「駄目です!ヴァンクロード様!シルバー様達の動きが見えない我々が近付いたら足手まといです!おい!もっとしっかり抑え付けろ!!シルバー様の為だ!」


 「分かってます騎士団長!でも後で怒られたりしませんか!殱魔騎士団を首になりたくないのですが?」


 「大丈夫じゃ。お主等の強さは先程見たのじゃ。お主等を首にするなど、無能がする事じゃ。儂らは奴らのようにはなりたく無いから問題ないのじゃ。だから、父上をしっかり抑えつけるのじゃ。」


 「そうよ、旦那様をしっかり抑えて!まったく昔からドラゴンと戦いたがっていたけど、アレと戦いたい等とよく思いますわ。」


 「そういえば、お祖父様はよく言っていたけど、なんで今まで戦わなかったのですか?」


 「単にお義父様がドラゴンと出会わなかっただけの事よ?」


 なんか、後ろの方は呑気だな!

 少し位心配してくれてもいいんじゃないか?!

 結構ボロボロなんだけど俺は!

 シルヴィアだって、魔法の連続使用は辛いはず出しな!


 筋肉に魔力があるなら、口の中も魔法での攻撃は意味がないよな?

 もしかして、眼球に伊弉諾を刺して雷魔法を使っても意味がないのか?

 俺の怪我の意味が無くなるじゃないか!

 ヤバい!恥ずかしい!


 目を狙ったのは、片目にして戦いやすくする為って言っておこう。

 問題は、ドラゴンに攻撃が通らない事だよな?

 質量の大きい物理攻撃は効くなら、さっきみたいにドラゴンの攻撃に合わせて反撃すればいいが、腹はもう無理だな。


 血が出てる腹の下は、滑りやすくなるし血を被ったら濡れて動き難くなる。

 目に血が入ったら、見えなくなるし下手をしたらドラゴンの魔力で失明しかねない。

 でも、俺はシルヴィアみたいに凍らせてドラゴンを止める事は、まだ出来ない。


 どうするかな?

 あんまりこちらから攻撃しなかったら、ブレスとかしてきそうで怖いんだよな。

 尻尾の方に攻撃して、魔の森の方に顔を向けさせるか?

 それならブレスを撃ってきても問題ないもんな。


 「シルバー様!問題がでましたわ!ドラゴンの血のせいで氷魔法が溶けるのが速くなりましたわ!このままだと、私の魔力が先につきますわ!」


 は?

 ドラゴンの血にも魔力が含まれてるのか?


 「ドラゴンの血も魔力が含まれてて、魔法を妨害するの?」


 「そうみたいですわ!明らかに速く溶けてしまいますわ!」


 シルヴィアの魔力が切れたら、ドラゴンと肉弾戦をする事になる!

 それは無理だ!

 初代様でも出来なかった事を、まだ俺達では不可能だ。


 「ヴィー!凍らせるのは前足と後ろ足、どっちが楽に出来そう?」


 「後ろ足ですわ。傷が前の方にあるので、後ろ足の方が血がかかりませんわ。」


 「じゃあ後ろ足を凍らせて。俺は顔の近くで戦う!それしか時間が稼げない!」


 「分かりましたわ!ご武運を!」


 右前足を斬ろうとするすぐに、左前足が俺に向かって横薙ぎにされる。

 シルヴィアの氷魔法が無いと、ここまで厄介なのかよ!

 移動は遅いのに、なんで攻撃は速いんだよ!

 左前足を躱してすぐに、ジャンプして左肩を斬りに行く。


 右前足で踏ん張りながら、左前足を横薙ぎにしているから攻撃をしてもこないし、避けられないだろう!

 ドラゴンは、右前足一本でほんの少しだけジャンプして俺の攻撃を避けた。

 それだけではなく、腹の傷から血が飛び散る!


 なんとか、片足がドラゴンに届いたからドラゴンを蹴って距離を稼ぐ事に成功した。

 その時、傷からある物が見えて、俺は勝利を確信した。


 「ヴィー!腹の傷がみえる?勝ったぞ!ここにいると俺達も危ない!父上達の所まで逃げよう!出来る限りドラゴンを凍らせてくれ!」


 「見えましたわ!分かりましたわ、いきますわよ!」


 シルヴィアが、全力でドラゴンを凍らせた瞬間、俺はシルヴィアをお姫様抱っこをして父上達の所まで走る。


 「シルバー、どうした!何があった!」


 「父上、勝ちました。後はドラゴンが倒れるのを待つだけです。」


 「どうゆう事じゃ?シルヴィアが凍らせただけじゃないのかのぅ?」


 「あのドラゴンはもうすぐ毒で死にます。」


 「ドラゴンを毒殺出来る毒があるのかい?!」


 「正確には毒ではありませんわ。私の為に作ってくださった、花畑に咲いてるハーブですわ。」


 この世界のハーブは種を一つしか付けない。

 本来、そんな植物はありえない。

 何かあれば絶滅してしまうからだ。

 しかも、この世界のハーブは自分の真横に種を落として、自分の栄養を全部渡して枯れてしまう。


 だから、俺とシルヴィアは種を離れた場所に植えたらどうなるかを、実験してみた。

 結果は、種が休眠して栄養が来るのを待つ、という物だった。

 種の上に、ゴブリンの死体を置いたら瞬く間にゴブリンがミイラになっていって、凄まじい速度で成長して種を大量に付けて、それを遠くに勢いよく飛ばし始めた。


 最後に一つだけ、真横に種を落として栄養を渡して枯れていった。

 飛んでいった種は、すぐに成長して同じ様にして枯れていった。


 ある意味最強の毒だと思って、生きているゴブリンの口の中に投げ込んだら、すぐにゴブリンは生きたままミイラになって体から種が飛んできた。

 この世界のハーブはこうやって、絶滅しないで生息してきたんだろう。


 そのハーブの種を、最初にドラゴンの目を攻撃した時に口の中に百粒以上袋に入れて投げ込んだ。

 本当は魔の森を広げた後に、花畑を作る為に持って来た物だったけど役に立って良かったよ。


 それにしても流石はドラゴンだな。

 あれだけ傷付いて、体内からハーブに生命力を吸われてもあれだけ強いのだからな。


 「ハーブ?あれはそんなに凄まじい性質を持つ物だったかい?なんらかの規制が必要だろうね。」


 「そうですわね。まさかドラゴンを殺してしまう程の物だったとは、思いもしませんでしたわ。」


 「ドラゴンが徐々に萎んでいってるわ。本当にハーブの種でドラゴンを殺せるのね!」


 「ぬぅ〜!こんな勝ち方でいいものなのか?」


 「被害が少ない事に越したことはないでは、ないですか。ご自身が戦えなかったからといって、拗ねないでぐださいまし!」


 「皆、そろそろきますよ!気を付けて下さい!」


 ダダダダダダダダダ!!!!!!!!!


 まるで、映画のマシンガンの乱射の様にハーブの種がドラゴンの死体から飛び散る。

 体の周りにある鱗は全部、中から飛び散る種に押されて剥がれ落ちていっている。


 「これは、凄いですわね。ハーブの種で周りが埋め尽くされていますわ。」


 「いいえ、ここからですわアナスタシア様。一気にハーブが育ち花を付けて、一瞬だけの花畑ができますわ!とても美しいのですよ!」


 種が育ち、花を付け、種になり、そして枯れていった。

 これだけの行程を、たったの三十秒で終わらせる。

 一面の花畑が出来たのは、八秒程だがとても綺麗な花畑だったよ。

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読んで下さりありがとうございました

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