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魔道具と研究所

よろしくお願いします


 魔道具を作り初めて解ったことは、時間が掛かる事と人材がいない事だった。

 何より魔道具を作れる人が少ない。

 理由は、魔道具は戦闘用しか作られない。


 雇用先がないから、なりたがる人がいないって事だ。

 だから、お祖父様を頼った。

 魔道具作りをしたくて学んだのに、魔道具製作所に雇われないで他の関係ない場所で働いてる人を探して、雇われないか交渉して貰った。


 学園の魔道具製作クラブに所属していた人の、約九割が別の所で働いていた。

 魔道具製作所は、貴族のコネが必要で平民は十年に一人入れるか、入れないか、ってところらしい。


 勧誘した人達の7割が公爵家に来てくれた。

 その数、なんと二百人にもなった。

 学園の魔道具製作クラブはシルヴィアが言うには。


 「貴族の令息、令嬢、は3人から5人程度ですわ。平民は二十人位、毎年所属しますわ。魔道具製作所に雇われれば、機密保持の為に十年で1代貴族になれますの。だから、平民の学生は人生を掛けるのですわ。」


 との事だった。

 上は三十から下は二十歳の二百人、ほぼ学園の魔道具製作クラブに所属していた平民達だ。

 魔道具作りは学園でしか学べないから、魔道具製作クラブに所属していた全員が来た事になる。


 「魔道具作りに必要なのは、知識は勿論、魔力操作が最も必要です。学園に入ってから魔力操作を学ぶ平民の方達では、私達子供の時から学ぶ貴族に魔力操作で勝つ事は難しい上に、貴族のコネが必要ですわ。それも、推薦してくれる貴族の爵位が高くないと、まず魔道具製作所には入れません。」


 魔道具製作クラブに所属している貴族の子供達の親の爵位が高ければ、推薦してくれた貴族の爵位もその貴族より高くないといけなくなる。

 下手をすると、政争に発展するから低位貴族はまず推薦しない。

 でも、平民が高位貴族に会うことが難しい。

 だから、魔道具製作所には平民は入れない。


 「生活用魔道具はサイズが小さいですから、この方達にはまず魔力操作を上げて貰う必要がありますわ。ヴァイオレット様の所に放り込みましょう。」


 シルヴィアの一言で、曾祖母様のシゴキに強制参加になった二百人に祈りを捧げるよ。

 本職の魔法使いが泣き出すレベルだからな。

 まぁ、その分魔法のレベルは格段に上がるけどね。


 可哀そうな二百人は、曾祖母様に半年間鍛えられて魔力操作に関してだけ騎士団でも屈指の魔法使いになった。

 これで、魔道具製作の準備は終わった。


 シルヴィアと作った魔道具は、ドライヤー、洗濯機、ジッポ型のライターだ。

 百均のライターは小さくて魔石を付けられなかった。

 それでも、一番難しいのはライターだ。


 だから、二百人にはライターをひたすら作らせた。

 難しい物を作らせる事で後が楽になるよう成長させる。

 それに、ライターが一番売れると踏んだからだ。


 平民は未だに火打ち石で火をつけている。

 魔力弾は撃てても、魔力に属性を乗せる事の出来る平民はまずいない。

 冒険者になるか、学園に入るか、しないと覚える機会と時間がない。


 魔力弾が撃てれば、魔道具は問題なく動かせる。

 一応、会計の時に注意もするから問題ないだろ。


 二百人の内、百五十人は魔道具作りの部署にいれて残りの五十人は、新しい生活用魔道具の研究をしてもらう。

 研究所が作り方を考えて作り、それを魔道具製作部に教えて増産する。

 増産する魔道具の使い方も、販売する商会員にも説明と実践をさせれば売る時の問題も少なくなるだろう。


 ドライヤーは、女性陣だけでなく男性陣にも喜んで貰えた。

 髪が短くても濡れたままなのは、嫌だったみたいだ。

 俺が、髪をドライヤーで乾かしていたら。


 「男性が使ってもいいのかい?」


 と、父上が聞いてきて、「当然!」と答えたら凄い喜びようだったよ。


 洗濯機はメイド達が喜んでいたな。

 脱水も付けたから、


 「絞らなくてもいいし、早く乾くし、何より洗濯物が軽くなりました!ありがとうございます!」


 暫く俺とシルヴィアを見る度にお礼を言ってたよ、洗濯係のメイド達。


 ライターは屋敷の使用人達には、喜ばれなかった。

 公爵家の使用人はどんな仕事をする人も、しっかり魔法の使い方を教え込んでいるからな。

 だから、親とかに送って貰って反応を確かめたら、追加を送れ、と言われたらしい。

 近所に自慢したら、奪われそうになったらしい。

 反応が良すぎたから、即回収したよ。

 あの時は大変だったよ本当に。


 「返すなんて!嫌に決まってるでしょう!?」


 と、家族喧嘩になったらしく、公爵家の家礼がまだ試作品だから、と公爵家の力を使って回収したよ。

 お蔭で、俺とシルヴィアは家族の皆に


 「見透しが甘いからだ。」


 と、怒られちゃったよ。


 「父上達は、見透せましたか?」


 と、言って難を逃れたよ。

 父上達も見透せなかったみたいだな。

 「売れるの?」って聞いてたしな。

 この辺は貴族らしいと言えるのかな?


 流石に、商品が3つでは商会は作れないから、早速研究所で「あったらいいな」の商品を考えさせた。

 シルヴィアにも俺にも、商品のアイディアはあったけど研究所の仕事に慣れて貰う為に丸投げしてみた。


 研究所が出してきた案は、魔力盾だった。

 違うだろ!それは、魔道具製作所の仕事だろ!生活用って言ってるだろ!

 余りに頭にきて魔圧を研究員に全力で放ったわ!


 「しかし、魔道具は兵器以外に作る方法が分かりません。」


 「そうです!魔道具は兵器です!それ以外に魔道具を作るなんて考えた事がありません。」


 学園は兵器以外は作らないのか?

 シルヴィアを見ると、考えた後で頭を縦に振った。

 マジかよ!兵器以外の魔道具を考えて無いとか、そりゃあ魔道具は兵器以外に種類がない筈だよ。


 「わかった。暫くは俺とシルヴィアが魔道具の案を出す。その案を元に作りながら学んで、生活用の魔道具の案を出せ。」


 研究所も前途多難だな。

 案が出ません、作り方がわかりません、じゃあ商会なんて作れないじゃあないか。


 俺の出した案は、衝撃を緩和する板だ。

 馬車の床に敷く事で衝撃を緩和して乗り心地を少しでも、良くする為にどうしても必要だからな。

 それにいつか、タクシーは無理でもバスの様に相乗り馬車を多く走らせたい。


 これからも、人を集めないといけない。

 そうすると、町を大きくする必要がある。

 街が大きくなれば目的地までが遠くなり、時間が掛かる。

 時間が掛かれば、人に偏りがでてくる。

 偏りがでれば、不動産バブルになって貧富の差が大きく出てくる。


 他の街ならそれでもいいが、公爵家ではあまり良くない。

 魔の森が突然、活性化して活性化スタンピードが起きた時、金持ちは必ず問題を起こし結果人が多く死ぬことになる。

 それをできるだけ回避する為には、相乗り馬車がどうしても必要になる。


 でも、馬車の乗り心地は最悪だ。

 乗れば必ず酔う様な馬車に乗ってまで、遠い所に人は住まないだろう。

 だから、馬車の酔わない様にする改造は急務だ。


 シルヴィアが出した案は、前世の懐中電灯と水筒だった。

 夜になれば、ほぼ真っ暗になるのはこの領だけではなく、この世界では普通の事だ。

 暗くなれば犯罪も増えるし、魔物の襲撃の対応も大変になる。

 だから、犯罪防止と夜間戦闘の為にシルヴィアは懐中電灯を案に出した。


 水筒は旅に絶対に必要な物だ。

 水がないと人は死ぬし、馬車を引く馬も言う事を聞かなくなり馬車が横転する可能性がある。


 他にも、干ばつが起きれば公爵家では俺が。


 「干ばつが起きたら魔法使いに水魔法の水球を、二人でぶつけ合えば雨の様になるのではないですか?」


 と、言った事から出来るのかを曾祖母様が調べて、出来る事が解ると干ばつ対策に正式に採用された。

 でも、すべての街の畑に魔法使いを派遣することは出来ない。

 人数に限りがあるし、干ばつの最中は魔物も生きる為に必死になって、活性化の様になる。

 魔の森の警備を減らす事が出来ない。


 でも、水筒の魔道具があれば平民でも少ない魔力で水を出せる。

 飲んでもいいし、畑に蒔いてもいい。

 干ばつ対策には、ピッタリだし回数は必要だけど、井戸まで水を汲みに行かなくてもいいようになる。

 平民にとってはかなり助かるだろう。


 すぐには、兵器以外の魔道具は作れないと考えて、あえて軍事に関わりがある魔道具を案に出した。

 研究員もワザと、軍事関係の魔道具の案を出したと理解してくれたから、反対もなかったよ。


 最初に研究所が作れたのは、懐中電灯だった。

 俺は一番最後だと思ってたんだけどな。

 なんでも、研究員の中に前から夜も研究したいからと、卓上ライトの様な物を作ろうとしていたらしい。

 それを元に、全員でアイディアを出して、班をいくつかに別けてアプローチしたらしい。

 かなりの数のトライ・アンド・エラーを繰り返したらしい。


 一番最初に、出来たからと言って時間が早かったわけではない。

 試作品が出来るまでに半年かかったよ。

 俺の8歳の誕生日プレゼントに持ってきたのには驚いたけどさ。


 懐中電灯の試作品は曾祖父様に、奪われ掛けて曾祖母様が助けてくれたよ。

 光魔法の光球があるけど、夜間の森を照らす程にするには三十人から四十人必要になる。

 でも、懐中電灯なら砦に取り付けて一人十個程見ているだけでいい。

 三十人が、たったの四人から5人で良くなる訳だし曾祖父様が我を忘れるのも解るけど、俺から奪わないでくれよ。お祖父様も、


 「夜間の騎士の見廻りも楽になるし犯罪も減る事が期待できるからのぅ。出来るだけ早く増産して商会を作ってほいんじゃが?」


 と、前のめりになっていたな。


 次に出来たのが、衝撃を緩和する板だった。

 これは、利用価値が高かった。

 ある程度の大きさがあれば、板状でも、棒状でも、円形でもいけたんだよ。

 馬車の車輪の内側にも、馬車と車輪を繋げる棒にも、馬車の床にも使う事が出来た。


 出来上がった馬車は、全く揺れない馬車になっていたよ。

 ただ、魔道具の魔力が切れると急に振動が来るから、人が驚くより早く馬が驚いて暴れて大変だった。


 結果、頼んでないベルの魔道具が作られる事になった。

 完全に馬車の魔道具の為だけに、作られたから馬車の魔道具を起動してから、切れる少し前になる魔道具になった。

 お蔭で馬が驚いて暴れる事故はなくなった。


 ただ、馬車の中で3個の魔道具を操作出来るようにしたから、作るのに時間が掛かり過ぎる様になった。

 売るとしたら、完全予約制のオーダーメイドになるな。


 そして今回、水筒の魔道具が出来上がった。

 作り初めて3年も掛かったな。

 まぁ、研究所も生活用の魔道具がなんとなく分かってきたみたいだから、これからバンバン魔道具を作ってもらうか!


 商会の息子潰しの要だからな。


 それに、俺の街作りに必要な物を作れる様になってもらわなくちゃな!

 絶対にあれを作るぞ、ハッハッハ。

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読んで下さりありがとうございました

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