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影響力の謎と慶事

よろしくお願いします


 この世界をそのままゲームしたら、攻略対象は別の誰かにしないといけない。

 人気の、王子系、騎士団系、魔法師団系が無能で全滅している。


 冒険者系、暗殺者系、商会の息子系は王都の人間では魅力が足りないし、話が膨らまない。


 そもそも、王都に魅力があまり無い。

 この世界をゲームにするなら、乙女ゲームじゃなく領地経営を舞台ししたゲームの方がいい。

 だから、RPGの要素を入れたんだろう。


 「冒険者は、『私』が権力を使って低位貴族の元孤児である『彼女』をイジメていると思った訳さ。『私』には低位貴族の友人も多いのに、全員イジメの被害者だとでも思ったんじゃないかな?」


 ゲームでは、ヒロインの視点と、心情しか描かれない。

 だから、攻略対象の心の内側はわからない。

 自分の事を語ったシーンはあっても、攻略対象の視点がないから本当の所は憶測しすしかない。


 もし、攻略対象の心情がわかったら、攻略はすぐに終わるだろう。

 こう思っているから、この選択肢を選ぼう、で終わる。

 そんなゲームの何が面白いのか。

 そうゆうゲームもあるが。


 「全部が、わかる訳ではないのですね。じゃあ冒険者はどうやって魔物の群れを見付けたかもわからないのですね?」


 「それは、わからないね。そもそも、攻略対象が『私』を、どうして殺したいかはわからないんだ。王太子以外は殺す必要がないからね。」


 「殺す必要がない、ですか?脳筋とナルシストは私を犯罪者にして殺すのは、『彼女』を守る為にですよね?」


 「別に『私』は彼女に何かした訳じゃない。むしろ何もしてないよ。王太子に近付いても、苦言一つしてない。それで、『私』のなにから『彼女』を守るのさ。」


 ゲーム製作者が兎に角、悪役令嬢シルヴィアを殺す。

 理由がほとんどないにも関わらず殺しまくる。


 脳筋は婚約者と婚約破棄しているし、子爵令息だ。

 男爵令嬢と婚約は簡単だ。


 ナルシストには婚約者がいるが、それはシルヴィアとは関係ない。


 暗殺者は、駆け落ちしてしまえば問題ない。


 冒険者は国外にいってしまえば問題ない。


 商会の息子は一応外国にも、支店があるからそこにいけばいい。


 そのことを、説明すると。

 シルヴィアも同じ考えに思い至ったみたいだ。


 「そうですね。『私』は『彼女』を囲おうとしたのは、商会の息子の時だけです。それも無理矢理にではなく、ドラクル公爵家に紹介するだけです。『彼女』の魔道具に注文を付けていましたが、そのほうが有効範囲が広がるからです。『彼女』を苦しめて楽しんでいた訳ではありません。」


 「それに、『彼女』はお世話になった『私』が死んだり、行方不明になっても、特に気にしないで暮らしていくんだよ。ゲームでは、『彼女』をイジメていた事になってるから、気にならなかったけど現実では不思議だよね。」


 ゲームでは、悪役がいなくなっただけだけど現実だと、友人が突然いなくなるんだから心配するのが普通だ。


 いくらゲームに描かれていないからといって、全く気にならないものなのか?

 一つ気になる事が出来たからシルヴィアに聞いて見よう。


 「シルヴィア嬢は、一回も夢の『私』と同じ行動をしなかったの?」


 「何度目かの時に、六回夢の『私』と同じ行動を取りましたわ。結果は夢と全く同じになりましたわ。」


 影響力があるとしても現実になったら、同じにはならないと思ったんだけどな?

 影響力が強すぎないか?

 ゲームと同じ行動をしたとしても、全く同じになる事はないだろう。


 「夢で見た『私』がしていたより、『彼女』に厳しくしてみたり、逆に物凄く優しくしても、『彼女』を守る為にと、殺されました。他国に逃げた事もありましたわ。」


 これは最早、影響力と言っていいのか?

 別の何かじゃないか?

 国にいないのに、『彼女』を守る為に国外まで追ってきて殺すってどうやるんだ?

 暗殺者はまだわかるが、冒険者は魔物に襲わせる、商会の息子は誘拐して他国で病死される、だぞ?

 誘拐も何も国にいないだろ!


 「一番驚いたのは、魔物のいない無人島に冒険者が来て魔物に殺された時ですわ。あとは、商会の息子に無人島であった瞬間、病気になった時ですわ。」


 なんでもありだな。

 無人島なのにどうやって居場所がわかったのかとか、冒険者が来たら魔物が発生するとか、会っただけで病気になるとか、意味がわからない。


 「5歳の時に、逃げたのにあの男の婚約者になっていた事もありますわ。何処にいてもあの男達は私の所に来て罪に陥れたり、殺したりするのですわ。」


 いない人間とどうやって婚約したんだ?

 会った事ない人間が『彼女』を害するって何でわかるんだ?


 「一度、誰も踏破していない災厄と呼ばれるダンジョンの最後のボス部屋の先にある場所で、生活していてあるのですけど、パーティ用の服を着て無傷で汚れ一つ無い状態で私の所に来た時は笑いが出ましたわ。私はボロボロになって辿り着いたのに。」


 シルヴィアも凄いが、王太子達は化け物か何かか?

 人生を繰り返して戦闘経験豊富な愛し子がボロボロで辿り着いた場所に、平然とやってくる王太子、影響力ってなんだよ!

 そんな訳のわからない人間を作れるのか。


 小説の強制力位だと、思ってたよ俺は!

 全くの別物だな。


 「俺は影響力を持っているらしいから、王太子達に狙われる事はもう無いとは思うけど、鍛錬はかなりしないとまずいな。」


 「そうですわね。今回は殺せばちゃんと死ぬのですからね!」


 シルヴィア物騒だな!

 それもそうか。

 今まで、何をしてもどんな事をしても殺されてきたんだから、生きる為ならなんでもするか。


 「これから、どうなさいますか?多分今は、あの男の番だと思いますわ。私が、あの男の婚約者にならないなら、あの男も私を殺しにはこないのですか?」


 「いや、殺しにくると思うよ。影響力はきっとシルヴィアを殺すための、呪いの様なものだ。シルヴィアがこの世界に生きているうちは殺しにくる。」


 「そんな!では、どうなさいますの?!あのような意味のわからない殺され方はもう嫌ですわ!」


 「大丈夫。考えはあるから。まずは、潰せるものを潰しておく。」


 「冒険者ギルドを潰して、冒険者を潰すのですか?」


 「少し違うよ、この領の冒険者ギルドを潰して、冒険者がこの領に来られなくする。そうすれば、冒険者はこの領にいる間シルヴィアに会えなくなる。」


 「ですが、あの冒険者は何処にいても現れますわ!この領にも、きっと来ますわよ!」


 「冒険者ギルドを潰す代わりに、殱魔騎士団を作って領の中の魔物と盗賊を一掃して安全にして、更に殱魔騎士団を毎日巡回させておく。元々公爵領は魔の森以外に魔物は発生しない。公爵領にいる魔物は、魔の森から出て来て帰らなかった奴らだけなんだ。」


 「でも、あの冒険者が来たら何処からとも無く魔物は現れますわよ?」


 「そこは、俺の影響力を信じるしかないんだ。でも、もし冒険者が現れて魔物が発生しても、命令が出来ない冒険者はいなくなっていて命令出来る殱魔騎士団がいる。生き残る可能性は格段に高くなるよ」


 シルヴィアは少しは落ち着いた様だ。

 俺はお茶を飲んで、シルヴィアにも進める。

 次は商会潰しの話をしなくちゃならないかな。

 一度、落ち着いた方がいいだろ。


 「次を話す前に、シルヴィア嬢。日常生活用の魔道具は作れるかい?」


 「えっ?日常生活用の魔道具ですか?作れますよ。サバイバルには必要ですから、何度目かの時に作れようになりましたわ。」


 よしよし、シルヴィアが魔道具を作れるなら今のうちから作って商会の息子ルートを潰せる。


 「魔道具を作って、商会の息子の家を公爵領から引き離す。最初からある物を後から『彼女』が作ったなんて言わせない為に、大々的にいまのうちに公爵家で売り出して独占する。」


 「なるほど!独占してしまえば、逆に糾弾出来ますわ。売り出して何年も経っていれば『彼女』は魔道具を作っても、よく出来ている公爵家の魔道具でしかありませんわ!」


 「それだけではなく、民達にドラクル公爵家の名が更に広がる。王になる気は無いけど、民の力は大いにドラクル公爵家を守る力になる。ドラクル公爵家が守られれば、シルヴィア嬢の守りも厚く出来るからね。」


 民主主義は一部の力と民衆の力で、出来上がったものだからな。

 民の力は侮らないほうがいい。

 便利な道具を独占すれば民衆はそれを失う事に恐怖して、結果ドラクル公爵家を助けてくれるさ!


 「魔道具の本は、公爵家の図書館にあるから読んだ振りをして、半年後に温風が出る筒を作って欲しいんだ。髪を乾かすのに使う魔道具で公爵家の女性陣を味方に付けてね?」


 「わかりましたわ。いつの世も女性を味方に付けた者が勝つものですもの。」


 これで、生活用魔道具も作れる。

 最初はドライヤー、次は洗濯機、その次はライターで男女共に味方にする。

 火起こしは重労働だからな。


 「その2つが終わったらどうするのですか?」


 「2つが終わる頃には学園に入学しているよ。そして、入学した直後に卒業して王都から離れる。」


 「直後にですか?!ですが、人脈作りはどうすのです?」


 「魔道具が売りに出されたら、あっちから勝手に来るさ。魔道具欲しさにね。」


 一瞬ポカンとして、シルヴィアが笑い出す。

 王家は自分からは行かないものさ、向こうから出向かせる。

 それが、王家の特権だ。


 「シルヴィア嬢、俺の事はシルバーでいいよ。長くて面倒だろう?」


 「では、私は呼び捨ていいですわ。シルバー様。」


 「俺も、呼び捨てで構わないんだけど、そうもいかないか。じゃあ俺は、ヴィーと呼ぶよ。これからよろしくねヴィー。」


 「はい!これからよろしくお願いしますシルバー様!」


 二人で笑い合っていると、突然


 『シルバー、今すぐ御母堂の所に行ってください。緊急事態です。』


 急にユナ様から神託があった。


 「ユナ様!母上に何があった!」


 『医者も呼んで下さい!急いで下さい!シルバー!』


 「わかった!でも一つだけ、答えろ!影響力って何だ?聞いていた以上に、おかし過ぎる力だろう!」


 『それは、言えないのです。言える範囲で影響力の事を、教えました。今話すと私の力が無くなり貴方をいざという時助けられません。それより早く!』


 影響力の事も気になるが、今は母上の方が先だ!

 医者が必要なら病気だな!

 急がないと!

 走って魔道具の範囲から出て


 「シール!急いで専属医師のジョセフを連れてサロンに来い!俺は先に行く!」


 俺の言葉を聞いて、シールが走って医務室に行く。

 俺はシルヴィアを連れて走り出した。


 「神託ですか?!シルバー様!」


 「母上に何かあったらしい!ユナ様が緊急事態だと言っていた!」


 走りながら説明をしてサロンに突入する。


 「母上!大丈夫ですか?!」


 「シルバー?!どうしたのですか?そんなに慌てて、私はなんともないわよ?」


 「神託がありました!母上が危ないと!だから急いできました。」


 「神託があったのかい?!エリー、ほんとに大丈夫かい?」


 「そうじゃな。神託があったのじゃ。何かあるに違いないのぅ。」


  「とりあえず、貴方達はソファーから退きなさい!アナスタシアはソファーに座りなさい。」


 曾祖母様がテキパキ曾祖父様達に命令している。

 緊急事態じゃなかったのかよ!

 結構のほほんとしてるぞ母上!


 そこに、シールがジョセフ医師を連れてきてくれた。

 ジョセフ医師は母上に質問しながら診察をしていく。


 「若奥様、おめでとうございます。ご懐妊です。」


 おめでただった。

 フザケンナ!

 全然緊急事態じゃないじゃないかよユナ様!

 文句を言っていると、


 『貴方の妹ですよ、シルバー。』


 『妹?この時期まだどっちかわからないだろ?』


 『いいえ、「貴方の」妹です。』


 『まさか、前世の妹か?!』


 『そうです。貴方の妹です。でも、すぐに御母堂を介して貴方に会わなければ消えていました。これも、影響力が働きました。危ない所でした。』


 『影響力?俺達、ドラクル公爵家には効かないんじゃなかったのか?ユナ様?おーい!』


 神託が終わったのか。

 それにしても、前世の妹が影響力で消える所だった?

 益々影響力は意味がわからないな。


 兎も角、妹は助けられたらしい。

 うん?妹を助けた?

 いや、転生してるって事は前世で死んだって事だろう?

 なんでだ?

 俺が死んだら遺産は全部妹に行くように、法的な遺言状を作ったし、妹が死んだら全部適切に寄付される遺言状を作った。

 あの、両親に殺されないように。


 なのになんで、妹は死んでここに生まれ変わったんだ?

 考え込んでいると、シルヴィアが俺の手を握った。


 「大丈夫ですか?何かありましたか?」


 「いや、大丈夫だよ。後で話すよ。」


 そうだ、わからないなら考えても仕方ない。

 今は妹を助けられた事を喜ぼう。


 「父上、母上、妹らしいですよ。女の子ですよ。」


 「おお、女の子か!楽しみだねエリー!」


 「ええ、楽しみねエド、シルバー貴方は、お兄ちゃんになるのよ?沢山可愛がって上げてね。」


 「はい、母上。絶対守れるようになります。」


 お兄ちゃんか、前世では宝くじが当たるまで、妹を助けられなかった。

 次は絶対に助ける!

 産まれた時から幸せにしてみせる。

 シルヴィアと同様に!


 あれから、侯爵と盟友達は帰りシルヴィアだけがうちに残った。

 曾祖母様は、盟友達を送りながら王都に出発し婚約を王家に報告に行った。


シルヴィアがいる間に俺は、シルヴィアから有用なスキルを教えて貰い一緒に覚えていった。

 覚えたスキルは、


 速読、速記、達筆、これは、将来絶対に必要なスキルだと、言われた。

 速読で資料や書類を一瞬で見て、速記、達筆、で書類を綺麗な文字で素早く製作するためだ。


 スキルがあるお蔭で、パソコンよりも速く書類作製出来る。

 公爵家を継いだ時や何か事業をする時にとても便利らしい。


 高速思考、並列思考、は戦闘でも使えるスキルらしい。

 高速思考で頭の中で書類を作り、並列思考でそれを書いていく。

 高速思考で魔物の動きを見極め、並列思考で接近戦をしながら、魔法で魔物に攻撃していく。

 それが、戦闘で最も効率的らしい。


 高速思考はすぐに覚えられたが、並列思考は大変だった。

 シルヴィアと会話をしながら、頭の中で歌を歌いきる。

 2ヶ月をかけてなんとか覚えられたよ。


 シルヴィアが実家に帰っている間は、高速思考と並列思考の鍛錬に時間を使った。

 母上の見舞いは欠かさなかったけどね。


 曾祖母様は、この3ヶ月帰って来なかった。

 王家のイチャモンに苦労しているのかな?

 今日はシルヴィアが帰ってくる日だな。

 これから2ヶ月何をしようかな?


 「若様、シルヴィア様と大奥様が御一緒にお帰りになられました。もうすぐ、屋敷に到着致します。」


 メイドの報告に頷いて、俺は玄関に向かう。

 玄関から外に出ると、何故か人が大量にいた。

 何だ?この人の多さは、護衛って感じじゃないぞ?


 「ヴィー、曾祖母様、お帰りなさい。この人の多さは、なんですか?」


 「シルバー、久しぶりね。シルバーが孤児を集めるって言ったのを聞いて、農民の三男や4男も集めてみたのよ。長男や次男以外は冒険者になる事が多いから、殱魔騎士団に入れようと思ったのよ。」


 「シルバー様、ただいま帰りましたわ。帰る時に、ヴァイオレット様がいらっしゃたので一緒に帰ってきました。」


 「こんなに人を集めて大丈夫ですか?曾祖母様、謀反を疑われませんか?」


 シルヴィアに手を振り、曾祖母様に疑問を投げかけた。

 それでなくとも、婚約で王家を刺激してるのに爆発しないか?


 「大丈夫よ。婚約の事で王家に色々言われたから、意趣返しよ。それに、農民にとってはいい話しだから殱魔騎士団の話が広まれば、向こうから勝手に来るわ。遅いか早いかの違いよ。」


 確かにそうかも知れないが、いいのか?

 公爵家としては早いに越したことは無いけど。

 早ければ早いほど強くなるしな。


 「皆様、ここで話をしていないで屋敷に入りましょう。もう1月です。風邪を引いてしまわれますわ。」


 曾祖母様の侍女に言われて、大人しく皆で屋敷のサロンに移動する。


 「ヴィーは、実家で何をしていたの?俺は、スキルの鍛錬をしていたけど。」


 「次に実家に帰る時は、私の誕生日パーティーがあるので、ドレス選びや挨拶の練習、お母様にパーティーの裏方を教えて頂いていました。」


 王太子の婚約者だから、パーティーの裏方は教わったとしても、自分でパーティーを開いた事はない筈だからか凄く嬉しそうに話すな。


 大人達は、半年での孤児の成長をまとめて、新しく来た農民の子供にどう教えれば効率的か話し合っている。

 殱魔騎士団候補は、今回の事で千人を超えている。

 稼働するまで、あと四年半でどれだけ成長出来るものかな?


 「そうか、ヴィーの誕生日パーティーには出来れば出席したいんだけど、愛し子は十歳まで領を出ない慣習があるから、出られないんだよな〜。」


 「ふふっ!私は愛し子ですが、シルバー様の誕生日パーティーに出席しましたわ。お蔭でシルバー様と婚約出来ましたわ!」


 公爵家が愛し子を十歳まで領の外に出さないのは、王家のせいだよまたな!

 お祖父様が6歳の時に、ドラゴナイツ侯爵家に誕生日パーティーに出席したときに、王家の暗殺者がお祖父様を狙ったからだ。


 ちょくちょく王家のやらかしのせいで、俺の自由が阻害されるのがムカつくな!

 他領も見てみたいの、見に行けない!


 「理由は、知っていますからお気持ちだけ受け取っておきますわ。エスコートはお父様がしてくださるので大丈夫ですわ。」


 「でも、お義母上は母上と同じ妊婦だろ?母上よりもお腹が大きくなっていて大変そうだ。お義父上も傍にいたいだろう?」


 「大丈夫ですわ。お母様には私の伯母様がついていてくださいますから。」


 「そうか、なら安心だね。これから2ヶ月は何をしようか?また新しくスキルを覚えるかい?」


 「はい、新しくスキルを覚えますわ。次のスキルはとても難しいので、早めに始めておく必要がありますわ。」


 「ヴィーが難しいなら相当だろうね。なんのスキルなんだい?」


 「暗殺者対策のスキルで、空間把握ですわ。鍛えれば鍛えるほど、自分を中心にドーム状に周りの空間を完璧に、把握するスキルですわ。だから、目に見えていなくても知らない人間を知ることが出来ますわ。」


 「暗殺者対策は、大事だね。それに空間を把握するなら、飛び道具にも有効そうだ。」


 「はい、だからこそ早めに覚えて鍛える必要がありますわ。」


 2ヶ月かけても空間把握は覚えられなかった。

 部屋の真ん中に目を瞑って座り、シールに痛くないボールを投げて貰いそれを避けるか掴む訓練だった。


 シルヴィアが実家に帰って誕生日パーティーをしている間も訓練は続けたが覚えられず、シルヴィアが帰って来てしまった。


 それから俺の誕生日を跨いで3ヶ月経って、漸く俺は空間把握を覚えた。

 シルヴィアは2ヶ月も前に覚えていた。

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読んで下さりありがとうございました

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