Waltz on Life Line
レビュー執筆日:2018/8/25
●少しくらい作風を変えようが、やっぱり9mmは9mm。
【収録曲】
1.生命のワルツ
2.Lost!!
3.湖
4.Mad Pierrot
5.反逆のマーチ
6.ロンリーボーイ
7.Kaleidoscope
8.Lady Rainy
9.ダークホース
10.誰も知らない
11.火祭り
12.モーニングベル
13.迷宮のリビングデッド
14.スタンドバイミー
15.太陽が欲しいだけ
前作から約3年と久し振りのリリースとなったオリジナルアルバム。「エッジの利いたサウンドと分かりやすいメロディ」というコンセプトはこれまでと同じなのですが、今作は前作まで主に作曲を手掛けていたギタリストの滝善充以外のメンバーが作曲した曲が約半数を占めています。その中でも、ボーカルの菅原卓郎が手掛けたものは従来以上にメロディに歌謡曲の要素が強い楽曲、ドラマーのかみじょうちひろが手掛けたものは五拍子と三拍子を行ったり来たりする『Kaleidoscope』や祭り太鼓のようなフレーズが耳に残る『火祭り』といったリズムに特徴のある楽曲、というように作曲者ごとの個性が出ており、楽曲のバリエーションが広がっているように感じました。また、『スタンドバイミー』は今までのようにサビではなく間奏に盛り上がりを持っていく構成となっており、ミディアムテンポだということも相まって9mmの新しい顔を覗かせる楽曲となっています。
とはいえ、短調をメインとしたメロディのセンスの良さは相変わらずですし、演奏の切れ味の良さも健在なので、前作とほぼ同じ感覚で聴けるのではないでしょうか。「少しくらい作風を変えても9mm Parabellum Bulletというバンドの根幹は揺らがない」ということが伝わってくるアルバムになっていると思います。
評価:★★★★★