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地下スラム街から去る
私は地下スラム街に戻った。あの手の感覚を思い出した。それだけで心が温かくなる。私もあんな令嬢になりたいな。私は両親にその話をしている。けれども、両親は何も言ってくれない。私は両親のことを冷たいと思った。私は地下スラム街の、この狭い空間、いや、家のこともキライになった。いつまでもここに居てはダメだ。私は夜中にこっそりと地下スラム街を出た。まだ地上には人の通りがある。私はこそこそと街の中を歩く。私は両親と別れるつもりだ。私は一生を地下スラム街で過ごしたくはなかった。そう言えば、とある町の教会は優しいところだと聞いたことがある。その話を頼りに行こう。私は街を抜けて、その町を目指す。夜中だから気を付けていこう。私はドキドキしている。けれども、不安だらけでもある。さよなら、お父さん、お母さん。私はあの親切にしてくれた令嬢のようになることを目標に地下スラム街から去りました。どうしたら、あの令嬢にお礼が言えるかしら?