表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/21

親切にしてくれた令嬢

 ここは地下スラム街。光が届くのは入り口だけ。じめじめとしている。毎日、ロウソクのわずかな光が頼りだ。ここにはいろんな人が住んでいる。没落した貴族を始め、罪を犯した人や、貧困にあえいでいる人や、差別される人など。私は12才の少女、両親とこの地下スラム街に住んでいる。洗濯物は乾かない。衛生面だってあまりよくはない。私はここで生まれ育った。今日も両親から買い物を頼まれる。私は地下スラム街から地上へと出る。太陽の光がいつも目にまぶしすぎる。私は広い道を歩く。その道の両方には高い建物が並んである。道行く人々、馬車や騎士や、地上の人たち。私を見て鼻をつまむ人々。もうこんなのは慣れている。私はこの長い黒髪を切りたかった。けれども、そんなお金なんてなかった。私はいつもの地上で指をさされて笑われている。私はなぜかこの日はそれに耐えられなかった。だから、早く買い物を済ませようと走る。しかし、私は道につまづいて転んでしまう。私は地上のみんなに笑われている。私は泣きたくなった。もう生きていても、これからも地下スラム街でしか生きられない。私は目に涙をためる。その時だった。ひとりの手が差しのべられた。私は顔を上げる。笑顔の令嬢がこちらを見ている。周りが静かになる。私は令嬢の手をつかんで立ち上がる。私はこの時にこの令嬢に対して憧れをいだく。すると、その令嬢は名も言わずに去っていった。私は令嬢の背中をじっと見つめていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ