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第四十四話 『エンドオブワン』 ラスボス 3

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


 敵は顔を抑え、叫ぶ。


 その隙に俺は、追撃を行う。

 首、腹、足、腕、完全に斬ることは出来なかったが、傷さえ作れば。


 敵は叫び続ける。


 停止。

 意識をすべて失ったように動きが全て止まった。

 そうして、赤い氷に包まれた。


「終わっ、た」


 俺は膝から崩れ落ちた。

 肉体よりも精神的疲労。


 スノラはエギルに抱えられ、その赤い氷に近づいた。


「勝った、のか。終わりは一瞬だな。……いや、待て、何か変だ。ここにあるのは皮だけだ!」


 背に何かの気配を感じた。


 気づけば壁に衝突していた。


 骨が何本も折れた痛み。


「その程度か」


 分厚い装甲はなくなり、人のような細身。

 しかしその分、動きは軽やか。


「随分と、いやな攻撃だったよ」


 死ぬ。

 どんなに気合を入れても動かない。

 

 スノラもエギルもとっさには動けない。

 動けても、その頃には俺は死んでいる。

 目を瞑る。


「さよなら」


 音がない。

 死んだのか。

 でも、意識はある。


 目を開く。


 老人がいる。

 しわしわの顔。

 しわしわの腕。

 なのに筋肉はしっかりとしていて、長い刀を持っている。

 

 どうして見間違えようか。

 それはササキである。

 俺はまた、彼に助けられた。


「こりゃまたずいぶん、強い敵だねえ」


 敵の腕が落ちている。


「おまえ……」


「速さ勝負といこう。一撃で決まる勝負」


 両者が構える。


 そうして、交差する。

 位置が逆転する。

 互いに背を向けた形。


 敵の首が飛んだ。

 ササキは無傷。


「結構早いねえ。あと五十年修行されたら追いつかれてたね」


「サ、ササキさん」


 声を出したのはスノラだった。


「ギリギリだったぜ。もうちっと俺を探してくれても良かったんじゃないの」


「探したんですけどね……」


 力なく笑った。 


 ササキは俺に手を伸ばした。


「よっ。久しぶりだな」


 俺はその手を掴んで起き上がった。


「覚えているんですか」


「もちろん。こう見えて、物覚えが良くてね」


 カッカッカと笑う。


「さあ、ここから出よう」


 俺達はササキを筆頭にして、先に進んだ。

 そうして奥にある、踏破の門を全員でくぐった。

 

 長い戦いが、終わった。


本作を読んでいただきありがとうございます!!


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