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第四話 能力お試し2

「あんたのこれ、もしかしてとんでもないんじゃないの?」


 アオイの言葉に全員が頷く。


「明日、『ビルプルデスの塔』にでも行ってみるか」


 『ビルプルデスの塔』それは、Aランク以上のギルドでなければ攻略が難しいとされるダンジョンだ。


 だからこそ、みんなその名前を出した瞬間、顔をひきつらせた。


「私はもちろんいいわ」


 アオイの声に、オトギリ、ぺルビアナも続いて頷いた。


「ちょっと、怖いです」


 クルクマが言うと、フィラも頷く。


「そうか、じゃあ間を取って『カージナの塔』にするか」


『カージナの塔』は中級者向けのダンジョンで、ユニークスキルのない状態の俺達でもギリギリ攻略が可能だ。


「それなら少し、安心です」


「じゃあ決まりだな。明日の朝十時に集合だ!」


 そうして俺達は解散した。


 けれども俺は、すぐには帰らなかった。

 その前に、試したいことがあったのだ。


 『ビグナの塔』俺はその目の前に来た。

 初心者がまずレベル上げをするためのダンジョンだ。

 このレベルなら、一人でも全く問題がない。


 夜の遅い時間にこんな初心者のための塔に来るもの好きはいないようだ。

 

 俺は一人でダンジョンに入った。

 

「どうなんだろう」


 ユニークスキルである『キズナ』を使用する。

 

 けれども身体に力がみなぎるような感覚はない。


 試しに目の前の目も口もない弱いスライムを攻撃してみる。


 当然ながら一発で倒せるが、威力はないようだ。

 もしも攻撃力やらが上がっているなら、今の一振りででダンジョンの端まで飛ばせるはず。

 しかしスライムは一メートル程飛んだだけ。


「ダメか」


 優秀なスキルだ。

 もしかしたらSランク以上のギルドになることだって夢じゃない。

 

 でも、少し悲しい。

 その恩恵に自分もあやかりたい。

 みんなのようにパーッと、敵を倒してみたい。

 

 俺のあこがれるSSランク冒険者『ササキ』のように。

 


 翌朝、全員で『カージナの塔』へ行った。


「オトギリ、今回はステイだ。一切の攻撃を禁ずる」


「……了解した」


 かなり渋々だったが、了承してくれた。


「それじゃあ行こう」


 ダンジョンを進んでいくと、『デースルーパー』というこげ茶色の爬虫類型モンスター三体に遭った。

 

「よし、ぺルビアナ、クルクマ。試してみてくれ」


 『キズナ』を使うと、べルビアナが跳ねた。


 彼女は持った大剣をまるで片手剣のように振った。

 それが全く質量というものを感じさせない速度で敵の一匹に当たる。

 すると敵は凄まじい早さで三十メートル先の壁にぶつかって死んだ。


「次は私が」


 クルクマが呪文を唱える。


 その段階から、いつもとは異なった。

 彼女の周りを揺らめくマナがはっきりと目に見える。

 

「パージオイド・フレイム!」


 それは米粒程の小さな火の粉だったが、真っすぐに敵の方へ飛んだ。

 そうしてそれが敵に触れた瞬間。

 バグオーーーン!!

 という爆発音と共に敵二体を燃やした。


「凄いです! これなら本当に……」


「ああ。『ビルプルデスの塔』にも行ける。最後にファラ。一応俺達を回復してみてくれ」


「はい!」

 

 クルクマは少し不安そうに回復呪文を使った。

 

「タファミラ!」


 俺達に緑色の光が降り注ぐ。

 だれも攻撃を受けていないためHPの回復効果はない。


 しかし。


「おい、まさか……」

 

 俺はバカみたいに急に走った。

 それが通常の二倍の早さ。


「オーバーヒール!」


 クルクマが叫ぶ。


 『オーバーヒール』とはHPの何倍もの回復をした際に発生する現象だ。

 効果は全パラメータの一時的向上。

 最強のバフ手段として知られている。

 

 けれどもそんな回復量は超上位呪文、あるいは異常な魔法力の人間にしか出来ない。


 それが、今起きた。


「『キズナ』のバフに更にオーバーヒールによるバフ……。行ってみよう『ビルプルデスの塔』に」


 反対する者はもういなかった。

 俺達は数分でダンジョンを突破し、難関ダンジョン『ビルプルデスの塔』へ向かった。



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