第二十九話 『アロング・デスタの塔』 出来ることを。
誰か、助けてくれ。
誰でもいい。
助けてくれ。
それでいいのか。
考えると同時に思考する。
そのまま助けを待つのか。
誰かに助けてもらうのか。
何のために、冒険者になった。
でも、何もできない。
動かないんだ。
本当にそうか。
やろうとしてもいないからだろう。
俺は……。
俺は、冒険者になって、強くなって。
そうだ俺は。
ササキみたいに誰かを救える冒険者になりたいんだ。
今度は自分の手で、仲間を救う。
瞳は動かせる。
素早く動かす。
それが目に入る。
スキルは使える。
ただ敵を直接狙えない。
しかし足元にはそれが転がっている。
魔法付与:『バートバット』!
跳躍のスキル。
対象は、オトギリの斬れた腕。
それは敵の足元に飛んでいく。
魔法付与:解除
魔法付与:『メーゼ・ド・ラダ』!
地面に落ちた彼女の腕、それに触れた場所が沼と化す。
敵はバランスを崩し、その剣がアオイの頬を掠める。
硬直が解ける。
「逃げるぞ!」
全員が瞬時に脱出のポーションを飲む。
敵が全力で俺へ斬りかかる。
しかしギリギリのところで、俺はダンジョンから出た。
ファラたちが心配そうにこちらを見る。
「オトギリは?」
「大丈夫」
「ごめん、俺のせいで」
「気にするな」
「オトギリの言う通りよ。仲間でしょ? さっさと病院に連れて行ってあげましょ。あ、アイス。これ凍らせてくれる。もしかしたら元通りになるかもしれないし」
そう言って、アオイはオトギリの腕を見せた。
「おまえ、いつの間に……」
「最後、あんたに敵意剥き出しだったから、拾ってきた。でも、機転が利いたわね、あんた。死ぬかと思ったわよ」
そう言って、愉快そうに笑った。
☆ ☆ ☆
オトギリを病院へ送り、俺達は少し話をしていた。
「このままじゃダメだ。俺が足手まといになる」
「そんな、あんたがいなきゃ私達だって」
「ありがとう。だからこそ、だ。俺自身を強くする。レベルアップとかじゃなく、もっと楽な方法
●●●●改行不要●●●●。覚えているか、このマントの宝箱に入っていた紙。このマントと同じくらいの装備があと二つある。それを手に入れればらくーに強くなれる。だから、協力してくれ」
みんなは力強く頷いてくれた。
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