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第十九話 経験値分散システム

 空腹でゆらゆら揺れながら家へ帰る。


 冷蔵庫を開けても何もない。

 ちなみに動力は地脈からの魔力である。

  

 ベッドについても腹が減って眠れない。


 あー腹減った。

 食い物がねえ。

 金がねえ。

 やっぱ行くっきゃないな。

 『フェイザード凍土』

 金がないとレベリングも出来やしない。

 最悪、一人でも行こう。

 いやアオイは来るな。あいつも金ヤバいし。


 そう考えているうちに、俺は眠っていた。


 

 翌朝、食事処『ベルファ』で皆に会った。

 

 そんでもって

 

「実はあ……レベル1000になりましたあああああああああああ」


 朝っぱらに手をあげて喜びました。


「私も」べルビアナ。

「同じく」オトギリ。

「私もです」クルクマが言う。


「えっとお……?」


 そういえばみんな、俺よりはレベルが低かったが、確かに700辺りではあった。

 でもなんで急に?


 その答えは相手から来た。


「私達も少しですがレベリングをしていたんです。でも……」


 でも?


「上がり方がおかしい」


「さっき話したら、オトギリさんもべルビアナさんも、それどころかファラちゃんやアオイも、知らないうちにレベルがものすごく上がってるって。まるで、ビルプルデスの塔を登ったみたいだって」


「ん? どゆこと? ビルプルデスの塔をクリアしてないのにそのくらい上がったってこと? 具体的にはどのくらい?」


「この前の皆で攻略したときより少し多いくらいのレベルの上がり方でした」


「全員が?」


 皆がうなずく。


「つまり、あれか。俺以外の皆が、そうだったわけか」


 そこから考えられる可能性は一つしかない。


「俺の得た経験値がみんなにも渡ってるってことだ」


 みんなぽかーんである。

 俺もそう。


 実際、俺の貰える経験値が減っていたわけではない。

 きちんとパーティーでクリアした時の五倍はレベルが上がるのが早かった。

 つまりそれとは別に、俺が得た分を四人で分割して経験値を得ていた、と。


 なんでそんなことになってるのかというと、多分。


「キズナの能力ね」


 俺もアオイに同意である。


「もう私がレベリングする必要ないじゃない。あんたがぜーんぶやってくれればいいわけだし」


 ということになっちゃうよね!?

 どうしよう。


「まあ流石に冗談だけど、それにしても便利ねあんたのユニークスキル。ていうかそれよりも、あんた一人でビルプルデスの塔に挑んてたわけ?」


「うん。意外といけた」


「あんたの『キズナ』、自分には効果ないはずでしょ?」


「でもこのマントがあればなんとかなった。これマジ最強。……でも金が」


「まあそうなるわよね。こんな短期間にレベル200近くも上げれば」


「という訳で、『フェイザード凍土』へ行こう。俺の予想以上にみんな強くなっちゃってるし。経験値をただ食いした分、きっちり働いてもらうぜ、ぐへへ」


「悪代官の顔になってるわよ」


「まあ冗談はさておいても、俺の新スキル魔法付与とこのマントがあれば、そこらの凍土は余裕で溶かせる! マジで金ないから頼む! 力を貸してくれ!」


 頭をさげてお願いする。


「私はもちろんOKよ。お金ないし」

「私も行きます」

「私もです!」

「炎なんてなくても、ガイア・テンペストさえあればいける」

「了承した」


 みんな、あったけえぜ。

 友情で、永久凍土も溶けちまうってな。

 

 

 という訳で『フェイザード凍土』へワープしたわけですが。


「さっっっっっっっっっっっっむ!! だれよこんなとこに行こうなんて言い出したバカは!!」

「……寒いです」

「私もです」

「ガイア・テンペスト……」

「武者震いだ」

「ぐううううううう」俺の腹の音です。


 友情なんて関係ありません。

 寒い所は寒いのです。なぜなら寒いからです。


 すぐさま元の場所に戻りました。


「さくせんたーいむ」

 

 『ベルファ』に入って暖を取りながら作戦会議をする。

 俺はクルクマに朝食セットを奢ってもらった。  


「あれは防寒どうこうじゃないわよ。耐氷系のスキルが必要よ」


「何かいい案あるか?」


「防寒のポーションを買いましょう」


「でもあれ髙いんよなあ」


「じゃああんたは根性で。私達は買うから」


「そんな殺生な」


「でもそれ五分しか持たない」


「ダンジョン用だもんなあ」


「金がいくらあっても足りないわ」


「オトギリ、何かいい案ないか?」


「不要。あれは武者震い」


「よし、オトギリの分はなし」


 凄い勢いでこっち向いた。こわっ。被り物越しに殺意が伝わった。

 これがアサシンか……。


「フェイザード凍土に直接行こうなんて考えが甘いのよ。まずは近くの街、ええと何だっけ」


「フラスタです」


「そう、そこに行きましょう! 防寒アイテムもあるはずだし」


「そうだな。手間だが行くか、フラスタに!」


 こうして俺達はフラスタへ向かった。


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