第十五話 1000レベル記念パーティー
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アオイ・オキタ 18歳 女 レベル:1000
HP:4844/6977 MP:180/230
攻撃力 : 411
防御力 : 533
魔法攻撃力:152
魔法防御力:521
俊敏性 : 153
魔 力 : 150
スキル : メルメティックべ二ル
万羅絶無
火絶の衣
風絶の衣
氷絶の衣
エヌラ・バースト
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ユニークスキル : 未開放
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戦士というのは俗にいうタンクである。
モンスターの攻撃を最前衛で受け止める役割だ。
その恩恵もありHPは高くなる。
だがほぼ7000というのは異常な数値だ。
レベル2000とかそういうレベルのHPだ。
その上防御と魔法防御も高いと来てる。
だがそれよりも注目すべきだったのは
「メルメティックべ二ルと万羅絶無だあ!!」
アオイが飛び上がる。
それまで彼女は自分を強化するスキルしかもっていなかった。
だがメルメティックべ二ルは味方全員の防御を上げるスキルだ。
これで一層彼女の役割が大きくなる。
一方万羅絶無は彼女一人に対するスキルだ。
敵の攻撃を完全に無効化するという凄まじいスキルではあるが、強力という程ではない。
というのも、これを使うとほとんど動けなくなるのだ。
ただその場に立ったままというスキル。
しかし上級ダンジョンではそれが役に立つ場合もかなり多いらしい。
何より名前がいいよね。
俺も叫びたい。
「よし、パーティーしましょう。レベル1000記念パーティー!!」
「「「おお!!」」」
と言って俺達は拳を掲げた。
パーティー会場はアオイの家だ。
彼女は幼いころ、両親を亡くしている。
俺と仲良くなったのもそれが理由だった。
俺にも両親がいなかった。
彼女の両親は一流の冒険者で、お金は十分残していた。
そのためアオイは金に困らずに育って来た。
まあ、その結果が目の前に繰り広げられているわけだ。
真っ赤―なロブスターと鯛が数匹、それから縦横30cmはある肉。牛からそのまま切り取って来たのかというようなサイズ感だ。
なんだ、高いものは赤いのか?
それ以外にも松茸だの、トリュフだの色々だ。
こいつは節度という言葉を知らないらしい。
帰る途中、俺達は市場によって食材を買った。
しかしまあ、色々とケチを付けられて、結局こういったものを買わされた。
「私の1000レベル記念なんだから、もっといいものを買いましょう!」
「そこでケチるならワインあーげない」
とか何とか言って結局ほとんど俺達が払ったわけだ。
でもまあ、それもまた良いかと思ってしまう。
お互いが100レベルの時はそんな余裕もなかった。
ユニークスキルがないからとにかく必死だった。
とにかくレベルだけでも上げないと、って。
まあそれが今じゃ遊んでいられる。
こんな世界でも、誕生日とレベル記念は祝うものだ。
「さ! 食べて飲みましょう! あ、ちゃんとジュースも買ったから安心してね」
それから俺達は食って飲んでと大騒ぎをした。
そりゃあ酷いもんだった。
そもそもロブスターなんて捌ける奴はいない。
肉もデカすぎてちゃんと焼けない。
てかタンパク質に飽きる。
そんでもってそれからは酒地獄。
アオイは酒が強い。
顔をほのかに赤らめる程度で変な行動はしない。
俺はそんなに強くないから、一杯だけ飲んだ。
ワイン素人の俺でもその深さに感激した。
意外だったのはべルビアナだ。
彼女は実は19歳。という訳で一番年上で酒も飲めるわけだ。
だが一口飲んだ瞬間、頭を机に強打した。
そうしてふらふら起き上がった。
顔は真っ赤ですげーことになった。
机に立って踊り出すわ、飲まないと言っていたオトギリに無理やり飲ませるやら。
ちなみにオトギリの顔は見えなかった。
あれ、口が開くようになってるんだね。初めて知った。
それからオトギリも酔った。
べルビアナの狂った酔い方とは違った。
なんか特殊な酔い方だった。
中でも印象的だったフレーズは
「見て見てこれかっくいいれしょー。あーげない」
だ。
俺に寄りかかりながら短剣を突き付けて言ったのである。
男か女か分からないが結構可愛かった。
ちなみにアオイはケラケラと高笑いをしていた。
クルクマとファラはジュースを飲みながら着実に肉を食べていた。
多分、料理の八割は彼女たちが食べたと思う。
人って見かけによらないね。
そんなこんなでアオイ1000レべ記念パーティーは幕を閉じた。
ちなみに夜更かしトランプしたまま全員が寝落ちしました。
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