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第十三話 こそ練

「あ、あんた!! 疲れたから解散って言ったじゃない! 一人だけこそこそレベリングしようたってそうはいかないわよ。あんた私の方がレベル高いの、気にしてるんでしょー?」


 アオイのレベルは900を超えている。

 割と図星。

 だってリーダーがレベル一番高くないのダサくね。


「そういうアオイも来てるわけですが」


 クルクマがつっこむ。


「私はこの鎧の性能を……」


 照れたように言う。


 見れば、鎧は彼女の身体にフィットしている。

 彼女の為に作られたのではないかという程に。

 つまり、めちゃくちゃボディラインが強調されている。

 更に言うと、太ももの真ん中から足先まではクリスタルの意匠が凝らされている。

 だが短パンと、その間の少しの部分だけ肌が露出している。

 それが妙にエロい。

 

 アオイ自身、少し気にしている様子だ。 


「あ、あんた達は?」


「私はファラさんのレベリングの手伝いに」


「足手まといにはなりたくないので」


「んで、あんた達は?」


「ガイア・テンペストのさらなる飛躍を」


「技術に磨きを」


「ったくお前ら、疲れとかないわけ」


「ここに来てる時点であんたも同じじゃないの?」


「まあそうなんだけど」


「どうしますか?」


「せっかく集まっちゃったし、ビルプルデスの塔行くか?」


「賛成!」


 珍しく声を張ったのはぺルビアナだ。

 

 こいつ相当ガイア・テンペスト好きなんだなあ。


 実際、最上位スキルには熟練度というものがあり、使用回数によって強くなったりするらしい。

 ガイア・テンペストもその上位スキルの一つである。


「じゃ、行くかあ」


 そうして俺達は再びビルプルデスの塔へ赴いた。



 全ての雑魚敵を無視してボスへ一直線!!


 そのボスも全く怖くない。

 

 ぺルビアナが頑なにガイア・テンペストを放とうとするのを止めないで、俺達は全力でサポートした。

 

 そうしてガイア・テンペストを五回程中止した辺りでようやく敵に隙が生まれる。


「ガイア・テンペスト!!」


 決まった。


 鳥の頭にクリティカルヒット!!


 まさに一撃必殺。


 敵はうめき声をあげて倒れる。


 そこにまた宝箱が現れる。


「何が出るかな何が出るかな」

 

 二回目以降のアイテムはランダムだ。

 ちなみに当たりは男用の鎧である。 

 確率は0.1パーセント程だから、相当レアアイテムだ。


 でもそれ以外のものもかなり質が高い。

 例えばここでしか手に入らない竜晶石りゅうしょうせきなんかは鍛冶屋に持っていけばいい剣を仕立ててくれる。といっても、必要とされる技術スキルは一級品だ。


 宝箱をパかッと開ける。


 スカッ


 中には何も入っていなかった。


「ツイてないわねえ。ま、たまに空箱なこともあるのがボスドロップの面白さよね」


 肩を落とし、俺は出口へ向かう。

 

 一周にかかった時間は一時間。

 どんなにザコをスルーしても階段フロアは戦わなければならない

 その上階段までも遠い。

 

 時刻は二時。


「どうする? まだやるか」


「やる」

 

 即答したのはべルビアナ。

 こいつのやる気が目覚ましくて感動すらする。

 いつもは無口なのに。


 他の皆も賛成し、その日俺達は合計五回、ビルプルデスの塔を踏破した。


 後半慣れすぎて、雑談してよそ見しながら敵倒してたし。


 やっぱ、一人でレベリングするよりも楽しいな。

  

 そんな当たり前のことを感じていた。

 

 ちなみに宝箱からのレアアイテムドロップはなかった。

 他のダンジョンでも手に入るような鉱石や竜骨など。

 

 しかし経験値は美味い。


 俺は一日で合計39もレベルアップした。


 今のレベルは820だ。Aランクギルドの平均レベルが3000程だから、うん。先は長い。


 ちなみにレベルアップに必要な経験値はレベルがあがってもさほど変わらない。つまりビルプルデスの塔を攻略できるからと言って急速に差が縮まるわけではないということだ。

 こちらが39上がれば、他の奴らも39近く上がる。


 差を縮める方法はあまりない。


 時間こそが一つの正義。


 それともう一つの正義が金だ。


 今日、俺一人だけでも5000ベルドの大赤字。

 手に入ったアイテムを売っても高が知れてる。

 そりゃあ俺のマントとか売ったら超黒字だけど、そんなことできませーん。


 という訳で効率、時間、金。

 

 俺達が大手のギルドと違うのは金がないということだ。

 奴らはその人数を駆使して金策を講じている。

 攻略班、金策班、人事班、などなど。


 人が増えればそれだけやれることが増える。


 実際の所、攻略班なんて危険なだけで人気はない。


 冒険者が人気なのは金回りがいいからだ。

 いい給料を出せば皆、色々なことをやってくれる。

 だから大手は人気だ。

 そこは普通の職と同じ。


 ちなみにうちは歩合制という名の自給自足。

 ダンジョン攻略で手に入ったアイテムを使って金にしましょうの集まり。

 無責任なリーダーですまんと思ってる。

 

 あーーあ。

 どっかに金になる宝、落ちてねえかなー。


 ん? 宝?


 そういえば最近そんなことを考えたことが……。


 ええっと、なんだったけかなあ。

 

 なんか、攻略できない的な。


 難易度高め的な……。


 あっ!

 

 『フェイザード凍土』!!


本作を読んでいただきありがとうございます!!


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ランキング一位目指しているので、ご協力お願いします!!

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