第十二話 みんな大好きステータス確認
塔の最上階に着くと、レベルアップしたのを感じた。
数値としてみるためには専用の書物に手をかざさなければならないが、相当上がったと期待できる。
「連盟に行ってみましょう! レベルがどれくらい上がったのか気になるわ」
そうして連盟へ行き、ステータスを確認した。
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ツバキ・ルードレッド 18歳 男 レベル:800
HP:3844/3844 MP:0/730
攻撃力 : 354
防御力 : 311
魔法攻撃力:352
魔法防御力:321
俊敏性 : 200
魔 力 : 350
スキル : バルド・シャンデリー
ギルパーミンド
ファイア・ジュラ―ド
メーゼ・ド・ラダ
ギョルトサッパード
エヌブレイム
・
・
・
ユニークスキル : キズナ
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マジかよ。
一気に19も上がってるし。
ついに800を超えたかー。
ちなみに上位の人達は10000レベルを超えてるような化け物もいる。
だがそれも頷けるほどの経験値効率。
まあ、初回攻略ボーナスがかなり乗っているけれども。
それでも、追いつける気がしない。
だが逆に考えると、このレベルであのダンジョンを攻略できたというのは誇るべきだ!
後はレベルをあげればかなりいいところまで行ける。
何か、レベリングの良い方法さえあれば。
「ツバキさん! 私のレベル、一気に50も上がっちゃいました!」
ファラが笑顔で俺に語る。
「50! そりゃあよかったな!」
何となく頭を撫でてやった。
猫のように顔をふにゃっとさせた。
妹みたいだなあ。
他のメンツも見てみると、一様に嬉しそうだ。
「おまえ、ビルプルデスの塔をクリアしたのか……?」
見たことのあるような顔の男が一人でこちらに歩いてきた。
顔は驚きと尊敬に満ち、俺のマントを見ている。
あ、ヤバい。この恥ずかしいの外すの忘れてた。
大慌てでそれを外してくるんでファラに渡して何もなかったかのようにポッケに手を突っ込む。
「ああ。クリアしたよ」
「それは何ですか? 入るときは着ていなかったですよね?」
そういえばダンジョンの傍にいたなあ。
「ま、ああ、あれだ。ダンジョン攻略で手に入った金でさっき買った」
「流石はフィンブルの夜のスノラさんに声を掛けられる御方だ」
「い、いやあ。それほどでもお」
「いえいえ、凄いですよ! あの私、『フェイザード凍土』の近くで鍛冶屋をしておりまして、よろしければ今度、いらしてください!」
『フェイザード凍土』は広大なダンジョンだ。その分かなりのお宝が眠っていると聞く。
そこに鍛冶屋を作るというのはかなりのスキルの持ち主だろう。
だが、『フェイザード凍土』を攻略出来るのギルドは現状二つしかない。
一つは『フィンブルの夜』
二つ目はA級ギルド『ダンス・イン・アワ・フレイム』
炎系を得意とするギルドだ。
「は、はい」
行くこともないだろうなあ、とか思いつつ返事をする。
それを聞くと男は笑顔で去っていった。
「これからどうします、ツバキ?」
「とりあえず今日は解散にしよう。俺も戦い疲れちゃったし、魔力はないし」
魔力はポーションでも回復するが、夜寝ている間に自然回復させるのが普通だ。
ちなみに自然魔力回復力も人によって違うことが知られている。
それは例の本でも分からないことだ。
実はこういった隠しステータスが結構ある。
まあ頭が良いとかそう言ったことを写し出せないのと同じで全てが表示できるわけではないのだろう。
一説によると、あの本自体が不完全であるらしい。
あれは塔が出来たのと同時期に各所に現れたものらしく、現在進行形で研究中だ。
「分かりました。私も今日はぐっすり眠れそうです」
ふぁーあと大きなあくびをして見せる。
「明日はどうするの?」
「うーん。ファラ、今レベルいくつだ?」
「158です」
「それじゃあしばらくはあそこでレベル上げするか」
「それが良いかもね」
「賛成」
「んじゃそういうことで。みんなお疲れ、また明日同じ時間になー」
ファラから例のマントを受け取り皆に手を振りその場を去る。
街へ出て、ポーションをいくつか買う。
体力回復用ではない。魔力回復用のものだ。
それを飲み、俺は『ライド・レイの塔』へ向かった。
レベル500程度の冒険者パーティが攻略する場所だ。
ここは一度、みんなでクリアしたことがある。
しかし一人で挑むのは少し恐ろしかった。
マントを羽織い、ダンジョンを進んでいく。
ここは5階層のダンジョンだ。
雑魚的には目もくれず、一目散にボスの所へ向かう。
雑魚も経験値が貰えるが、ボスほどではない。
経験値は挑んだ人数で割られる。
つまり、ここをクリアするで得られる経験値はビルプルデスの塔を攻略するのと同じくらい。
だがドロップするアイテムやらを考えるとビルプルデスの塔の方が圧倒的にいいが、一人で自由に来るならこちらの方だいい。
そんなこんなでボスが現れる。
黄色い巨鳥だ。
電気を身に纏っている。
『レエクロト・ベルド』
初挑戦ではかなり苦戦したが、今なら!
「くらえ、ええっと、『陽獄炎弾』!!」
今名付けました。
左手から赤い炎が弾丸のように飛び出す。
『陽獄炎弾』これを喰らった敵は死ぬ!!
焼き鳥じゃああああ。
こんがり焼けました。
ダンジョンから出て、もう一周しようと入り口に転移する。
「あ」
「あ」
「あ」
「あ」
「あ」
「あ」
全員が顔を見合わせる。
そう、愛しきパーティメンバーである。
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