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二
午後四時十五分。
待ち合わせのカフェに着く。
いつものようにコーヒーの香りがする店内の一番奥、観葉植物のすぐ隣の席に彼はもういた。
コートを脱いで椅子に座ったところで、
「急いで来てくれたでしょ」
ともやくんはいう。
「どうして?」
私は尋ねた。
「前髪、崩れてるよ」
そう答えるよりも早く、細い指が私の前髪に触れた。
その一瞬の出来事に、思わず息を飲んだ。
異性の手の感触には慣れてるはずなのに、どうしてもこの人の指には、慣れない。
それにしてもまあ、スーツ姿のシュッとした男性と女子高生が向き合う姿を、周りの人はさぞかし不思議に思うことだろう。
実は私もなかなか不思議なんだな、これが。
少し、振り返ってみようと思う。




