誕生
乳を求める小さな口を見て
驚いてしまったのは
その暗闇の中の純粋な本能、
吸って、吸って、生きたいという熱が
あの口の中に宿っていて
食べられていく
分けあうそばから
満たされるまで
食べられていく
この身は
張りつめた胸元の
募るような痛みも
そうか
食べられてしまいたくて
煮えたぎるマグマのような声が
あの口から吹き出していて
小さな体を抱けば
力弱き者への慈しみを
凌駕するような
未知なる強さを秘めた者への
敬服
あるいは
泣きたくなるような思慕
来たのだ
ここへ
君は
いのちと言う恐ろしい塊
計り知れない強さを持って