戦争の地球(前編)
久しぶりに開いたら「この連載小説は未完結のまま約1年以上の間、更新されていません。
今後、次話投稿されない可能性が高いです。予めご了承下さい。」とメッセージが書かれていて、「更新されない可能性」を否定したいという稚拙な反抗心で久しぶりに更新しました。
間が空いていたこともあり、前回執筆部分から続きを書くことが難しかったので、前作の最後の部分を修正しました。
私の腕を掴んでいたのはいかにも軍隊にいそうな怖い顔をしたおじさんだった。腕には「特高警察」と書かれた腕章をつけている。
「貴様、化粧をしているな!皆がお国のために頑張っているというのにそんな贅沢をするとは、この非国民が!その化粧をどこで買った!?貴様のような非国民は許せん!」
私はひどく混乱していた。2060年から平行世界に移動しただけなので本来なら私は2060年の別の地球に飛ぶはずなのに…。
ただでさえ私は機転を効かせた言い訳が苦手なのに混乱した状態で良い言い訳ができるはずもない。そしてあろう事か、私はここで今一番言ってはいけないことを言ってしまった。
「まず、ファンデーションはアメリカから輸入しました。それと…」
なぜか私は馬鹿正直にファンデーションの入手方法を説明していた。途中で地雷を踏んだ事に気がついたが時すでに遅し。この世界では敵国である「アメリカ」という名前を聞いたおじさんは顔を真っ赤にして
「さては、貴様憎きトルーマンのスパイだな!署で拷問にかけてやる!」
私は「拷問」という言葉を聞いて、2060年の教科書に書かれていた事を思い出した。
「太平洋戦争中の日本には秘密警察(特高警察)が有り、スパイや非国民の疑いがかけられた人を拘束しました。拘束された人は拷問や性的暴行を受けた人も多く、命を落とした人もいました。」
前の地球が嫌で違う地球に来たのに、そこで拷問にかけられて命を落としてしまっては元も子もない。私は掴まれた腕を振り払い駆け出す。後ろから
「あ、待て!!」と怒鳴り声が聞こえるが私は止まらない。
走る走る!しばらく走るうちに私は焼けて何も残っていない場所から空襲被害を免れて建物がたくさん立っているエリアに入った。
後ろからはまだ私を追う足音が聞こえる。
中々しつこい男だ。私は息が切れてきたがここで捕まるわけにはいかないのだ。
今の私は新幹線だ。人間に止められる新幹線などあるものか!!私は風を切って進む!!
そんな私を止めてしまったのは人間では無かった。レールの上にあった小石。どこにでも落ちていそうな少しゴツゴツした小石で普段なら見向きもされない小石だが新幹線を脱線させるには十分だった。
私は大きくバランスを崩して転倒する。すぐに立ち上がろうとしたが足を挫いたのか右足が痛くて走れない。そうこうするうちにおじさんに追いつかれてしまった。
「女の癖に舐めおって!」
おじさんは私の腹を蹴り上げた。腹部に強い痛みが走る。
往来する人々はこちらを見ているが誰も助けてはくれない。
私の抵抗も虚しく、私は署に連行されてしまったのだった。