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世界線を旅する少女  作者: 富岡
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希望の発明

家に帰ってすぐに私は実験室に入った。

私が今作りたいのは「世界線移動装置」だ。前にも言ったが私はこの地球の人間が嫌いだ。

だから、私はこの地球を捨てて平行世界の地球に移住することに決めたのだ。

平行世界とはこの今私が住んでいる世界とは別の時間軸に存在する世界の事だ。2つの世界は別々の座標に存在していて通常交わる事は無いから行き来する事も理論的には無理なのだがあらゆる概念が突破されたこの地球では比較的容易に「世界線移動装置」を作ることができる。

冗談のような話に聞こえるかもしれないが、この地球では学生が新たな理論や装置を作ることも珍しくない。例えば瞬間移動をさせる為の理論を考えたのも高校2年の男子生徒だった。

私はこの3年間「世界線移動装置」を作る為に失敗を繰り返してきた。

しかし、それも今日で終わりだ。

素早く回路を組み立てカバーを取り付ける。

よし、これで完成だ。

私は起動用電源を押した。

「世界線移動装置」のランプが付いた。

これで世界線を移動できれば実験は成功だ。

「さようなら、私の地球ほし

私は世界線移動装置のボタンを押した。

周りの風景が白黒になりグニャリと歪んだ。

身体に全身を引っ張られているような押されているような不思議な感触が走る。

白黒だった風景はいろいろな色が混ざりあって虹色のような不思議な色になっている。

そして、だんだん色が薄くなっていき真っ白になった。

そして、ピカっと眩しい何かが光り、私の意識は途切れた。


ハッ!気が付くと私は見た事もない橋の真ん中に立っていた。橋の上にはたくさんの人が歩いている。しかし、左を見ても右を見ても焼け野原が広がっていて街らしいものはどこにもない。こんな場所は私の地球には無いはずだから別の地球に私は移動したのだろう。

だが、ここは一体どんな地球なのだろう。

私の地球とのズレを表す数字、『地球間誤差』は1.3を表しているから私の地球と比較的近い世界線のはずなのだが・・・(この数字は私の地球に近い世界線の地球ほど1.0に近い数字を表す。)

辺りを歩く人も洋服ではなく着物を着ている。

違和感を感じた私は道行く人の会話に耳を澄ませた。

「鬼畜米英の奴等は非道いですなぁ。空襲で東京の街を跡形もなく焼き払うなんて。。」

「B29なんてそのうち日本軍が全部倒してくれますよ。」

「わしは庭に掘った防空壕の中に隠した食料を取りに行くのじゃよ。」

私はこれらの会話でここが昭和20年の太平洋戦争真っ只中の日本だと言うことを察した。

そして、同時に疑問も覚えた。

私の世界線移動装置は私の住む地球とは別の地球に移動させるだけで過去にタイムスリップする能力はないはずだ。なのになぜ昭和20年にタイムスリップしているのだろうか。。

私が考え込んでいるその時だった。

誰かが私の腕を掴んだ。

後ろから声をかけてきたのが憲兵の人じゃない事を祈ろう

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