序話 一人一軍
序話として入れました。
プロローグとは別物です。
一人一軍。
それは僕につけられた二つ名だ。一人にして一軍に匹敵する戦闘能力を持つとされ、実際、いくてもの部隊をこの手で葬ってきた。
そして、今日も僕は戦っている。でも、敵は人間じゃない。
僕は開いていた手を握りしめる。
「ライド。『疾風迅雷』」
その言葉と共に僕の服装が変わる。学生服だった僕の体には緑を基調とした戦闘服に変わる。
目標は前方250m。目標の数は28。目標が行っている行動は補食。目標の大きさは4mから15m。生存者は無し。
目標地点を見つけ出し、オレは小さく息を吸い込んだ。そして、地面を蹴る。
速さは音速をはるかに超える速度。。衝撃波、所謂ソニックブームと言うべき、が目標を吹き飛ばす。ある目標は壁に激突し、ある目標は空に舞い上がった。
そして、狙った目標の体に僕の腕が突き刺さっている。狙いは心臓ではなく頭。目標の生命力は極めて高く、心臓を破壊してもしばらくは動き回る。だから、狙うは頭。頭蓋骨を貫き脳を破壊する。
もちろん、周囲には大量の血が飛び散り、目標は体をビクンビクンと痙攣している。僕の体にも鮮血が飛び散っているが気にしない。気にしていたなら死が近づくだけだ。
僕は手を抜いた。
目標が背中から倒れ周囲に血だまりを作り出す。
「一体目」
その言葉と共に僕はしゃがみ込んだ。頭があった場所に巨大な目標の腕が通り過ぎる。目標が僕を再認識した時には驚くだろう。だって、僕の戦闘服の右腕が緑から赤に変わっているのだから。
握りしめるた拳を開く。エネルギーは十分。
「ロード。焼き尽くせ」
手のひらに集められた炎を僕は放ち、目標を一瞬で焼き尽くす。まだ動けるのは後20ほど。やはり、敵の生命力は極めて高い。これが人間なら最初の時点で死んでいる。
これが、人類の新たな敵。
「ライド。『爆炎光破』」
戦闘服が右腕と同じように赤く染まる。
残った目標が動き出す。速さはかなり速い。他の人なら恐怖で身が竦む可能性もある。でも、こんな数なら四方八方からミサイルを打ち込まれるよりもはるかに簡単だ。
「オーバーロード。終わりだよ」
そして、小さな太陽が目標を全て蒸発させた。
僕は発動を止める。周囲一帯は今の技の余波でかなりの部分が消え去っている。でも、無事な部分もある。
僕は歩き出した。生存者がいるかもしれない。
「ライド。『地縛失星』」
赤から黒に戦闘服を変えながら周囲を見渡す。
この世を神が作り出したなら、すでにこの世には神がいないのだろう。神がいるとしたなら、誰がこの光景を許しただろうか。
道端に積み重なっている死体。そのほとんどが真新しく、そして、食い荒らされている。
みんな必死で逃げたに違いない。だが、この街の住人を襲った目標はほとんど殺したようだ。
僕が戦ったのは比較的大きな部類。殺した人を集めて補食している最中に襲いかかった。卑怯者に見えるが、この街に後何体の目標がいるかわからない。
僕は小さく溜息をつきながら歩く。その中で何かが動くのがわかった。僕はすぐに駆け寄る。すると、そこには恐怖で震えている少女が一人。
「無事?」
僕は現地の言葉で尋ねた。少女は恐る恐る頷く。だけど、場所が悪い。目標はまだ殲滅していない。軍が来るまで後何時間かかるかわからないがこのままだと少女が補食されるのは時間の問題だろう。
僕は周囲を見渡す。
目標の気配は感じない。だが、この街にはまだたくさんの動く物体がある。数は250ほど。生き残った住人を守りつつ目標を殲滅する方法はある。
「やるしかないか。ここでじっとしていてね」
僕は走り出す。
目標の習性は何となくわかってきている。軍からの情報と今見たことでわかった。
目標は動く者を優先する。それは生きているという意味ではなく、逃走する者や戦う意志のある者であり、標的をオレに向ければいい。
「ライド。『疾風迅雷』」
拳を握りしめ、速度を上げる。音速を超える速度ではなく、秒速100mほど。そして、視界に現れた目標に向かって加速した。
目標が気づくより早く、その頭を蹴って粉砕する。刹那的に音速まで加速した僕の足は十分に目標の頭を吹き飛ばす破壊力があった。
周囲に血が飛び散り中身が壁にへばりつく。何も知らない人が見たら確実に殺到する光景だ。でも、これくらいすれば十分。
さっきの小さな太陽も目につくが、一定距離範囲内に凄まじい速度で仲間が倒されたなら目標は僕に標準を向ける。
僕は拳を握りしめた。
「ライド。『地縛失星』」
戦闘服の色が変わる。それと同時に四方から目標がわらわら現れてくる。数は1m以内の小型が20。1m以上で5m以下の中型が70。5m以上の大型が100ほど。
他の目標は向かって来ている最中か、別の場所に向かっているか。おそらく、軍の先行部隊と会ったのだろう。
僕は身構える。
敵の数は大したことはない。ここからは時間との勝負になるからだ。軍がここに来るより早くこの場にいる全ての目標を殺し、離脱する。そうしなければ、軍は確実に僕ごと目標を攻撃する。
それは、周囲に生きているかもしれない民間人も巻き込むこと。
だから、僕は地面を蹴った。速度は100mを10秒で走れるかどうか。
一番前にいる大型の目標が腕を振る。その腕をオレは簡単に受け止めた。そのまま受け流して目標のわき腹を蹴り飛ばす。目標は不自然に体がくの字に曲がって吹き飛んだ。
相変わらず、骨と内臓を粉砕する感覚には慣れない。
向かってきた小型の頭を瞬時に握り潰し、もう一体の小型に向かって投げつけた。投げつけた小型は空気との摩擦で赤くなりながら直線上にいた目標を薙ぎ倒す。
この瞬間、目標の動きが止まった。
気づいたのだろう。絶望的な戦力差に。
「ライド。『爆炎光破』」
だけど、それは僕からすればただ単なる大きな隙。
「オーバーロード。終わりだ」
僕の頭上が光ったと思った瞬間、この場にいた全ての目標の頭が蒸発した。死体が焼ける匂いが鼻につく。
「ふう。ダウン」
戦闘服が学生服に変わる。
もう生き残っている目標はいない。
「何人、やられたんだろうな」
僕は周囲を見渡しながら呟いた。
周囲にあるのは攻撃を受けたであろう死体の数々。腕が千切れ、足はもげ、腹は食い破られている。首が千切られているのもある。
全員の標準は皆同じ。恐怖に染まっている。
僕は小さく息を吐く。もう見慣れた光景だったから。
五年前、異形の存在が世界に現れた。その存在の大きさや形は様々だがとあることが共通していた。
人類の敵。
今まで起きていた人類間の戦争はあっという間に消え去り、代わりに異形との戦いが始まった。それは人類が総力戦になってようやく互角に持ち込める敵だった。
四年前には大規模な異形との戦いが起き、約100万の兵が3000万近い異形に呑まれた。その日に人類はアフリカ大陸とヨーロッパ大陸を捨て、南北アメリカ及びアジアに拠点を移した。
だけど、異形は西アジアの国々を滅ぼし、インドに迫ったところで壊滅的な被害を受けて撤退している。
それはヨーロッパ大陸の人々が作り出したハイゼンベルク要塞が最大限に機能したからだろう。そして、その戦いにはちょうど僕も参加していた。
「さて、軍に合わない内に撤退しますか。ライド。『疾風迅雷』」
そして、僕が地面を蹴ろうとした瞬間的、威圧的な空気が周囲に流れた。
「ライド。『地縛失星』」
すかさず戦闘服を変えると同時に路地裏から何かが現れる。
それは異形。
中型、人と同じくらいの大きさをする異形だ。中型に多いクマ型やトド型とは違う人型。
異形と戦い続けてきた僕ですら知らない形。ニュータイプとでも言うのだろうか。
異形の特徴である灰色の肌。そして、金色に光る目。
「キサマガ、コロシタカ?」
最初、目の前にいる異形が話しているとはわからなかった。だけど、僕は身構えながら尋ねる。
「そうだよ。お前は?」
異形が会話するなんて聞いたことがない。もしかしたら、異形達の中でもリーダー格なのだろうか。
「ワガナカマコロス、ユルサナイ。ムクイヲウケヨ」
こちらの言葉は聞かない。そして、動く。速さは異形にしては速い。そして、僕からすれば遅い。
異形の攻撃を受け流して肘を全力で異形に叩き込む。だが、異形はそれを簡単に受け止めて僕の側頭葉を蹴り飛ばした。
普通な気絶してもおかしくない威力。いや、普通な死ぬ可能性もある威力だが、今の僕には効かない。
体勢を立て直してお返しに同じように側頭葉を蹴り飛ばした。異形は面白いように吹き飛ぶ。
「『地縛失星』じゃないとやばかったかな」
吹き飛んだ異形は上手く体勢を戻して壁に足をつける。着壁というべきか。
「キカナイ。ナゼキカナイ」
「敵に教えるほど甘くはない。それに、お前達異形は僕達の敵だ。この場で殲滅する」
「リカイデキナイ。リカイデキナイ。ホロビノシュクメイハカエラレナイ」
この時、僕はようやく異形と会話出来ることがわかった。
「滅びの宿命だと? どういうことだ!」
とりあえず尋ねてみる。
「アワレ。コレガカトウセイブツ。ダケド、オマエノツヨサハイジョウ」
「だろうね。これでも一人一軍と名乗っているんでね、人間最強だ」
一人一軍。
それは異形達が出てくる以前も有名だったらしい。本格的に有名になったのは異形が出て来てからだけど。
ハイゼンベルク要塞での攻防において一人一軍がいたから勝てたとも言われるくらいだ。僕は大したことはしていないけど。
ただ、ヨーロッパでは命を救えなかったから。
「ツヨイ。ヒク。ツギハコロス」
異形が消える。
僕は握りそうになった拳を抑えつけた。
音が感じない。動けばあらゆる音がする。それは、地面を蹴る音。それは、空気を揺らす音。だけど、一切の音がしなくなった。
例え、『疾風迅雷』を纏ったとしても追いつくのは不可能だ。
「ダウン。とりあえず、撤退」
「いたぞ」
言葉が聞こえる。言語はここの言葉ではない。もちろん脳内変換。それと共に何人かの兵士が僕を取り囲んだ。
「白百合京夜様とお見受けします。無駄な抵抗はせずに着いて来てください」
日本語に直せばこんな感じになるだろう。ただ、銃を向けながら着いて来てくださいというのはおかしい気がする。
「軍本部に向かえばいいんだよね。大丈夫だよ。一人で向かえる。今は生存者の救出が最優先のはずだよ。異形の気配は見当たらないから」
「わかりました。すでにあなたの正体は分かっていますので」
兵士達は生存者を探すために一気に散らばった。
僕は小さく溜息をついて拳を握りしめる。
「ライド。『疾風迅雷』」
とりあえず、最速で向かえばいいよね。
あの街から軍本部というより前線基地と言うべきだろうか。そこに向かって走ること約二秒。あっという間に到着した。
確か、前線基地には約1万人の兵士がいるはずだ。人類がハイゼンベルク要塞から打って出たのは約二年前。着実に軍が定めた聖都に向かって進んでいる。自分達を十字軍とでも言うかのようだ。
その前線基地に僕は普通に正面から入ろうとする。だけど、入り口で早速兵士に止められた。
「ここは軍の前線基地だ。民間人が入っていい場所じゃない」
まあ、僕の服装は学生服だしね。
「ライド。『地縛失星』」
そういうわけで僕は戦闘服に着替えることにした。これを見ればここならわかるだろう。
「まさか、一人一軍。何故、ここに」
「本部に向かうように言われたからね。魔術師リズィはいる?」
「前線基地にはいますが、リズィ殿に何か用ですか?」
兵士が銃に手をかける。
というか警戒されすぎだよね。確かに、昔は軍部隊の一軍を壊滅させていたけど、異形が出てからは精力的に闘ったはずだよね。
僕が小さく溜息をついた時、誰かがこっちに向かって来るのがわかった。服装は魔術師という存在を知らしめるようなマントやら尖り防止やら。ただ、小さい。
「リズィ。相変わらず小さいね」
「余計なお世話じゃ。というか、久しぶりに会ったと思えばいきなりそれか」
「いつもやっているからね」
そんな僕達の会話を兵士達はポカンとしながら見つめている。それに気づいたリズィはコホンとわざとらしく咳をした。
「そなたが逃げる前に見つけて良かったわ。一応、前線の兵から連行されたのかの?」
「いや、一人で来たよ。今は生存者の救出が優先だしね。だったら、前線基地の場所を知っている僕が一人で行けばいいし」
「賢明じゃな。こやつを我の権限で通すがよいかの?」
ポカンとしていた兵士が慌てて背筋を伸ばして胸に手を当てた。それに対してリズィも胸に手を当てる。
僕は兵士に向かって軽く頭を下げた。
「紛らわしいことをしてごめんね」
「いえ、リズィ殿の客人なら我らの味方です。今度は証明書を発行してもらってください」
「そうするよ」
僕は笑みを浮かべながら頷いて歩き出した。横にリズィが並ぶ。
「戦果は?」
「異形238体撃破。一体は逃げられたよ」
「珍しいの。お主が逃がすとは」
リズィは僕の実力をよく知っている。どれだけ知っているかと言えば、一人一軍の名をもらった戦いでその軍を率いていたからだ。
当時からリズィが率いる軍は世界でもトップクラスと言われていたほどだったのに。
「初めて見る異形がいたよ。形は人型。そして、言語を話す」
「言語を? 何の言語じゃ?」
「レイルー語ってわかる? 日本に来たばかりの外国人みたいな話し方」
「レイルー語を知っているのはそなた一人ぐらいではないかの?」
アフリカの地方民族が使っていた言葉だ。でも、今ではその言葉を話す人はいない。アフリカは異形の土地だから。
僕が知っているのは、世界を旅していて立ち寄った村がその地方民族だったからだ。みんな優しくていい人達だったのに。
「他に特徴は?」
「今の力を受け止められた。後、蹴りは即死級」
「『地縛失星』でじゃと? それよりも上じゃと言うのか。異形を超えておるの」
僕の一人一軍としての実力が人間を超えているとするなら、あいつは異形の中ではそういうポジションなのだろう。
だけど、僕と対抗出来る力があるということは一人一軍として戦えるということ。リズィとしたらかなり頭の痛い案件だろう。
「下手をすればハイゼンベルク要塞が落とされかねん。あそこが落ちればインドは落ちるぞ」
「だね。ハイゼンベルク要塞の次はバングラデシュの要塞。でも、そこは完成しているとは言えない」
「中国が行った万里の長城を要塞化したような場所なら良かったんじゃが」
本来、北からの脅威に対抗して作られた役に立たなかった万里の長城だが、今では冗談抜きで北から来る異形に対しての要塞と化している。
異形がアジア地域の西に押し込められているのはハイゼンベルク要塞と万里の長城、そして、天然の山脈があるからだ。どれかが無くなれば異形がアジアを蹂躙する。
「魔術器の完成速度は?」
「80%じゃな。我が開発したアル・アジフ。そして、そなたの能力をヒントに得たレヴァンティンと隼丸。後2ヶ月ほどで完成するぞ」
「2ヶ月か。凡庸性を極めて高めたレヴァンティン。魔術書の最高峰に位置するアル・アジフ。バランスの高さを求めた隼丸。今の魔科学で実現出来る最高のデバイスを完成させてやっとだな。後は、使えるかどうか」
異形に対抗するためには今の科学の力では上限がある。
異形が中東にいるため石油はメキシコ湾から回収しないといけないし、鉄の価格もだんだん高騰している。
このままでは後五年で経済が破綻すると言われている。
「魔術器開発は我が母国と日本もやっているからの。アルタミラか北アイルランド研究所さえ残っていれば」
リズィが言う二ヶ所は魔科学が極めて発展した魔科学都市として有名だった。だけど、ヨーロッパを捨てることになり、どちらも爆破させて機密保持を図った場所でもある。
リズィが研究していた場所はアルタミラなのでよく分かっているのだろう。
「でも、北京郊外とキャンベラ郊外の軍事研究所でも新しい兵器の開発が始まっているって聞くけど?」
僕が耳にしたのは噂の範囲内であることだ。噂の範囲内だからこそ作っているものには笑ってしまう。日本では真剣に信じている人も多い。
リズィが呆れたように溜息をついた。
「人型機械兵器のことじゃろ。我が作った精神感応システムを応用するものじゃ。理論的には作ることは可能での、魔科学とは恐ろしいものじゃ」
「機動戦士参上か? って騒がれているけどね。でも、異形に勝つなら何だって使うべきだと思う」
ネット上だと騒がれ方が凄まじいらしいけど。どんなフォルムになるかが特に。
「そうじゃな。今は攻勢に出ているとは言え、異形がいつ大反攻を起こすかわからないからの。今は魔術器の開発を急がねば」
「じゃ、少しの間はリズィに任せていいかな?」
「我にか?」
リズィはテントの中に入った。
テントの中には三つの装置がある。大きさはリズィと同じくらい。
それぞれに本、剣、弓が装置の上に浮かんでいる。
アル・アジフ、レヴァンティン、隼丸だ。隼丸は可変システムを搭載して剣にも変形出来る。
「むしろ、何をじゃな」
「そろそろ日本に帰ろうと思ってね」
キーボードの上に指を走らせかけたリズィが止まり、振り返る。
「確かに、そなたが前に帰ったのは半年前じゃな。そなたのおかげで異形が少なくなったからの」
「つか、なんでリズィが僕の行動を知っているのかな? 異形を少なくしたのは民間人の被害を抑えるためだよ。でも、今回は」
たくさんの人が死んだ。ハイゼンベルク要塞の近くに位置していたことから警備も厳重じゃなかった。
僕が到達した時にはすでに手遅れ。
「我がハイゼンベルク要塞の拡大を進言しておく。そなたは安心して帰るがいい」
「お願いね。もし、危なくなったら連絡をちょうだい。10分で駆けつける」
「了解じゃ。それと」
リズィは机の引き出しからペンダントを取り出した。そして、それを僕に渡してくる。
「御守りじゃ。本当なら、もっと前に渡したかったのじゃが、そなたがここに寄らぬからなかなか渡せなかった。我は、そなたの幸せを願っているぞ」
「じゃ、僕はリズィの成長を願っているよ」
「うう、京夜は意地悪じゃ」
僕はリズィからもらったペンダントを首にかけた。そして、リズィに向かって笑みを浮かべる。
「ありがとう」
「ど、どういたしまして」
日本に帰ったら確実に麻耶に怒られるだろうな。後、高校はまた留年が確定したんだよな。僕っていつになったら卒業出来るのだろう。というか、休学って何年まで可能?
僕はそんなことを考えながら恥ずかしさで顔を赤らめたリズィの頭を撫でていた。
こんな感じで物語を進めていきます。
京夜の名前やリズィの話し方。そして、リズィが開発する魔術器に人型機械兵器など「新しい未来を求めて」とリンクする部分がたくさんあります。
京夜は一応人類最強です。ただ、最強にしては弱点が極めて多く、本気を出して普通に負けることもあるので主人公最強?としました。
ポイントは「新しい未来を求めて」の周とは真逆の存在であること。真逆の力を持つこと二人を楽しんでください。