043 学校・魔闘連盟・対話
ハナに剣を打ち付けながらメアは叫んだ。
「なんで勝てないんだー!」
競り合いに力を籠めようとした瞬間、メアの頭部を狙って拳大の鐵球が飛来する。メアはそれを身を逸らして躱すが、続けて足首と背中を襲って二個の鐵球が飛来する。体勢が僅かに崩れた瞬間をここぞと狙ってくるハナに歯噛みするが、この程度に当たっていたらやっていられない。メアは狙われた方の足でハナを蹴り、背中を狙っていた鐵球を剣の腹で弾き飛ばし、再びハナに斬りかかった。
涼し気な顔で剣を受けながら、ハナは困ったように言った。
「やー、少しずつ強くなってると思うよ。鐵球ももう一個ぐらい増やせそうだし」
「うんうん。団長の攻撃大分しのげるようになってきたじゃん」
「でも結局勝ててないじゃないですか!」
がんがんと剣を打ち付けるが、メアの攻撃はどれも容易く捌かれる。その様子は以前と全く変わらないように見え、メアには強くなっているという実感など微塵も感じられなかった。
死角を縫って執拗に頭部を狙ってくる鐵球を首を曲げて避け、胴を狙ってくるものは剣で弾き飛ばし、隙を見て斬撃を入れる。近づくと鐵球に加えて剣までメアを狙ってくる上、防御に集中しすぎるとハナの闘技が狙ってくる。しかし、距離を取ってもメアの遠間の攻撃手段はハナには利く気配がなく、一方的に鐵球で狙われるだけ。非常に苦しいが、メアは一歩の距離で切り結ぶ。
鐵球を避けそこない、肩を打たれた。痛みにメアの顔が一瞬歪むが、それを振り払うように剣を振るう。気を抜いたら一気に持っていかれる。ハナの攻撃は連なる波なのだ。攻撃が受けたなら次が来る。
背中と腰を狙ってきている鐵球を一歩でかわし、脳天に振るわれた剣を受ける。が、真上から少し遅れて振って来た鐵球は剣で受けられない。咄嗟にメアはそれを手で受け、掴み取った。
一連の攻撃を受けきった、と油断したメアの手の中で鐵球が蠢き、掴んだままのメアの手を引っ張る。鐵球を離すという判断が遅れたメアは手を引っ張られて体勢を崩した。そして、メアの眼に予想外なものが映る。メアに向かってきている鐵球が変形しているのだ。丸い鐵球から鋭い杭に。
玉属性鐵魔術、形状は角。【鐵角】。
当たったらただでは済まない。下手すれば死ぬ。
顔を引き攣らせたメアは、自身の剣身でハナの剣を滑らせて弾き、真っすぐ目に飛んでくる杭に剣を叩きつけた。
「んぎぎっ……!」
僅かに剃れた鐵角はメアの耳を掠って後方に飛んで行った。
そのまま一旦距離を取ったメアに対し、ディベは口笛を吹いた。
「やるじゃん。きっと二月前のメアだったら串刺しだったよ」
「いきなり殺意高めるのは止めてくださいよっ」
「私がいるんだから大丈夫だって。ね、団長」
言われてメアは思い出す。今メアには超断裂空無敵盾鎧がかけられているのだ。そこまで必死になってよける必要はなかったのかもしれない。
しかし、そんなメアの思考をひっくり返すかのように、ハナは朗らかに笑った。
「いや、今のは隙間を狙ったから、何もしてなかったら刺さってた。ディベ。空盾の固定が緩んでる。動きについてこれてないよ」
「え、まじっすか。ってか空盾じゃなくて超断裂空無敵盾鎧です!」
「本当。少し譲渡が甘いかもしれない。次からもう少し時間をかけて調整した方が良いかもね」
「む、気を付けます……」
メアは自身の耳に触れた。少し切れている。たらたらと血が首筋に垂れた。
「な、なんで」
呻くようなメアに、ハナは真面目な表情をして言った。
「知っての通り、魔術宴では僕らは残念ながら入賞できなかった。これは僕が不甲斐ないからであり言い訳はしない。だけどね、来年の魔術宴にでるのは恐らくディベだ。そう考えると今から甘い点は指摘して、少しずつ魔術の精度を――」
「そうじゃなくて! 殺す気ですか!」
耳を抑えて顔を青くしているメアに、ハナは言われて初めて気づいたかのように自身の額を叩いた。そして、声色は全く変えないまますらすらと取り繕う。
「いや、殺す気はなかったよ。メアなら避けられると思って撃った魔術だ。というか、さっき思ったんだけど、肩で受けられたり手で捕まえられたらあんまり訓練にならないんじゃないかなって。だから簡単にはそうできないようにしてみたんだ」
「な、なるほど。確かに訓練用の攻撃だからと甘く見て……ってなら鎧の隙間を狙う必要ないじゃないですか!」
ハナは目を逸らした。それは言い訳を考えている時の表情だ。短い付き合いだがメアにもわかった。
ハナは咳ばらいを一つ。
「それはね、メアはやればできる子だと教えたくてね。君は命の危機に咄嗟に最良の行動をとった。それができる剣士なんだ。元々防御に関して言えばメアは十分に上手い。それがこうした稽古によって磨かれ、少しずつ強くなっているということを身をもって実感してみてもらいたかったんだ。メア。君は強くなっている。本当だ。さっきの攻撃だってあの体勢からしのげる生徒は一年生には多くないだろう。君は強い。本当だ。僕が保証する」
急に褒められ、メアは言葉に詰まった。文句を言いづらい。というか普通に少し嬉しい。
そんなメアの心の動きを読み取ったのか、ハナはさらに言葉を並べ立てる。そして、目も不規則に動き始める。右下。左。円弧を描いて下に。右。
「君の弱点は打ち込みの弱さだった。攻撃の強さはある程度防御の強さを引き上げる。逆に言うと攻撃の弱さは防御の強みを打ち消す。君は抜群の防御力という君の強みを活かしきれていなかったわけだ。それをクァトラ君は一目で見抜いたんだろう。夏季休暇の間の特訓はメアの攻撃をある程度向上させている。見違えるようになったよ」
その言葉はメアに響いた。無駄だと思っていたことが肯定された。
「……本当ですか?」
「嘘じゃないさ。ね、ディベ」
「え? あ、はい。そうだぞー。偉いぞー。強くなってるぞー」
「そ、そうですか」
にやけそうになる頬を抑えるメアは、ハナとディベが頷きあっているのに気づかなかった。
そこでハナが思い出したように手を叩いた。
「そうだ。成長が実感できないなら、個人戦闘祭に出てみればいい」
「いい考えっすね、団長!」
「個人戦闘祭?」
個人戦闘祭。毎年竜の月の第三週に行わされる行事で、三大戦と呼ばれるものの一角だ。同じく三大戦の一角である三学年組対抗戦とは違い、学年に限らず参加可能で、個人戦である。また、武器の刃こそ潰されるものの使い慣れているものを使用可能で、魔術の使用制限はなし。勝ちあがり形式でその年最も学校で強い個人を決める、そんな祭りだ。
ハナの説明を聞く限り、まさにそれは魔闘連盟のためにあるような行事だった。
「勿論、僕もディベもウォベマも出る。まあ、ウォベマは渋ってはいたけど、いい機会だしメアも出るかい?」
メアは首が取れそうな勢いで頷いた。
登録が必要だからとその日の訓練はそれでお開きになった。メアとしては陽が落ちるまで付き合ってもらうつもりだったため、予想より大分早く終わってしまったことになる。
どうするか悩んだメアは、結局敷地の隅で剣を振ることにした。まだ石は斬れていないのだ。やるしかない。
メアは一度訓練用の剣を寮に取りに帰り、その後敷地の隅へ向かう。
その途中でメアはクァトラに出会った。
「あ、こんにちはー」
クァトラはぎょっとした顔でメアを見た。そして、慌ててメアに駆け寄ってくる。
「その怪我、どうしたの?」
「ああ、これは」
クァトラの目線を負い、メアは気づいた。耳の傷は深くなかったが、出血はかなり派手であり、襟がべっとりと血に濡れている。汗で気が付かなかったが、意識してみるとかなり気持ち悪い。
メアは素直に答えようとして、しかし、口を噤んだ。クァトラに師事しようとしておきながら他の生徒に稽古をつけてもらっていたとは言いにくかった。それも石を斬るという課題をこなしもせずに。自主活動団体くらいは気にしない可能性もあるが、まだメアにはクァトラのことがよくわかっていない。気を付けて損は無いだろう。
しかし、そんなメアの沈黙をどうとったのか、クァトラは真剣な表情でメアに詰め寄った。
「誰にやられたの?」
「いや、その」
「三年生? 剣士會? いや、わからないか。どんな格好してた? 剣の種類は?」
「違います。なんでもないんです。大丈夫です」
メアはてをぶんぶんと振った。なんとなく誤解されているだろうことはメアにも予想がついた。しかし、それを解こうにも本当のことを話すわけにもいかない。どうにかごまかすしかないと思ったのだ。
「脅されたの?」
「いや、そんなんじゃないんです。本当です」
「……話したくない?」
「う、えっと、はい」
頷くメアに、クァトラは黙りこくってしまった。
辛そうな表情をしているクァトラに、メアの良心が痛んだ。クァトラが気に病むようなことは本当に一切ないのだ。気を抜くと打ち明けてしまおうと口が動きそうになるのを、メアはぐっとこらえた。
一礼し、メアがいつもの場所に向かおうとすると、クァトラもなぜかついてきた。表情を見る限り、メアのことが心配なようだ。怪我が大したことないのはクァトラも気づいているだろうし、何かあるのだろうとメアも理解したが、それが何なのかは今一わからなかった。
じっと見られていることに居心地の悪さを感じながらも、メアは練習用の剣を鞘から抜き、素振りを始めた。メアは石斬りに挑戦するのは一日に一回だけだと決めている。がむしゃらにやって剣を欠けさせたくないからだ。欠けないだろうと思っていても、欠けても問題ないと言われていても、そうした方が乙張りがついて良い気がしたからだ。
メアは暫く剣を振り続けたが、クァトラは木の横にじっと立ったまま動く気配はない。
五〇ほど振った頃、我慢できずにメアは話しかけてしまった。
「剣士會と何があったんですか?」
それは依然聞いた質問と酷似しているが、さらに踏み込んだ質問。
メアは曖昧な返事しか返ってこないだろうと思った。別にメアとクァトラは親しいわけではない。知人、の一歩手前、というのがメアの実感だ。そんな相手に悩みを話すようにも思えなかったからだ。
しかし、少しの間の後、クァトラは小さな声で答えた。
「少し、嫌がらせをされて。もしかしたら、君にも迷惑をかけたかなって」
「嫌がらせですか? なぜ?」
「確執、って言うとちょっと大袈裟だけど、揉めてて。いや、揉めてるのかな。私はそんなつもりはないんだけど。彼らは私のことが気に食わないみたいで。すごく嫌われてるの」
メアは無言で続きを促す。クァトラが多くの人から嫌われるような人柄をしてるとは思えなかった。揉めている理由が気になった。
クァトラは迷っていたようだったが、やがて意を決したようにぽつりと言った。
「んー、大したことない話なんだけど、聞いてくれる?」
「はい」
メアは剣を振りながら答えた。望むところだった。
クァトラは褶の裾を手で押さえつつ、地面に腰を下ろした。メアもその向かいに座ろうかと思ったが、なんとなく気恥ずかしく、結局剣を振りながら耳を傾ける。
「去年私が入学した時のことなんだけど、私が思う以上に私って有名みたいで、結構話題になってみたいなんだ。話題って言っても、それがまあ本当の事だけだったらよかったんだけど、凄い剣士が入ってくるぞ、三歳で大人に勝ったらしいぞ、なんと雷を斬ったって話だ、いやいや俺は竜を従えた剣士だって聞いた、って噂に色々と尾ひれがついてすごかったらしいの。だからか知らないけど、剣士會も張り切って私を入団させようと色々準備をしてたんだって」
人気だというのは、花組でクァトラの名前が出た時の様子を思い返せばメアにも想像できる。最も多く浮かんだいたのは純粋な憧れだった。次いで畏敬、尊敬。剣士であれば、誰でもそうなるのは、メアも身を持って知っている。
「それで私が入学して、剣士會からお誘いが来たんだけど、流派のしきたりとか色々あって私は断ったの。でも、そのしきたりってのを理解してもらえなかったみたいで、私が流派の技術を秘匿しようとしているとか、学生風情と遊ぶ気はないんだろうとか、そういう噂が出ちゃった」
「そのしきたりっていうのは、前に言っていた弟子の話ですか?」
「それもあるけど、私、剣の鍛錬を禁止されてるの。しきたりで」
メアは首を傾げた。全く理解できないしきたりだった。
なんとか好意的に解釈してみようとするが、さっぱりわけがわからない。剣の鍛錬が禁止されているということは、今以上に強くなることはできないということだ。クァトラがどんなに強かろうと、鍛錬を禁止する理由にはならない。故郷を出ている間は一時的に鍛錬を禁止されているということだろうか。それとも体を動かすと何か問題が生じてしまうのか。単純に技を盗まれないために鍛錬の姿を隠しているだけ? 様々な説がメアの脳内に浮かぶが、どれもこれもしっくりこない。
「怪我ですか? それとも何かの罰とか?」
メアの質問は想定通りだったのか、クァトラは困ったように笑った。
「そういうしきたりとしか言えないの。でも、それで納得できない人は当然いるわけで、色々と話が拗れちゃって。なんとか話し合いで済まそうとしたけどうまく行かなかったから、結局決闘することになっちゃった。決闘をして、勝った方の条件を呑む。そういう話に私は同意した。勝てばそれで終わり。そう思ったから」
淡々と告げるクァトラは、その内容とは正反対に自信なさそうに言った。
「勝つ自信があったんですか?」
「うん。剣士會は新人を出すって教えてくれて、同い年なら勝てるかなって思ってたの。そして、私はなんとか勝った。けど、その後が最悪で、戦った相手が実は団長だったって教えてくれた人が居て、その人に対して私は、冗談でしょう、って言っちゃったの」
「えっ……」
言葉を失ったメアに、慌てた様子でクァトラは口を挟む。
「彼らがそんな騙し討ちみたいな卑怯なことをするわけないって思って、そういうつもりで言ったの。別に決闘した相手が団長にしては弱かったとか、そんな意味はなくて、とても強かったし。けど、団長が出たのは事実だったから、もう目も当てられなくて。私は剣士會を足蹴にして、侮辱した女、って」
きちんと説明されればメアにも納得はできた。しかし、それにはあまりに言葉が足らない。前半だけを聞いたならば、メアも同様の感想を持っていただろうということは想像できた。しかも、その後の対応も不味すぎる。剣士会を卑怯者と罵ったのとおなじなのだから。
「後から思い返して見れば、一年生が出るって話も伝聞だったし、私が負けたとしても無理矢理入団させるような雰囲気でもなかったし、ただ色々と噛み合わなかっただけなんだってのはわかるんだけど……団長さんは責任感じて辞めちゃったみたいで、剣士會の雰囲気も少し変わっちゃうし、事あるごとに剣士會が突っかかってくるようになって、しょっちゅう決闘を申し込まれて。まあ私が避けるように努力してたからか、最近は少し大人しめだったんだけど……」
それより先は言わされなくても分かった。メアのせいで、再びクァトラが目立ってしまって、それが剣士會は気に食わないのだろう。再び嫌がらせをされるようになってしまった。そう言うことなのだろう。
そして、クァトラはメアも同じ目に遭っているのではないかと心配しているのだ。そう理解したメアは、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。クァトラはメアに文句を言っても問題ないのに、メアのことを巻き込んでしまったと思っている。
「……決闘を受けて、もう関わらないように言わないんですか? 先輩ならできそうですけど」
「簡単そうに言わないでほしいなぁ」
ちょっと楽しそうにクァトラは笑って、メアに視線を投げた。嗜めるような視線に、メアは反省した。メアはクァトラがとても強いことを知っている。しかし、剣士會の団員がどれほど強いかは全く知らないのだ。知りもしないのに口を挟んで、しかも、クァトラだって思いついているだろうことを質問して。生意気にもほどがある。メアは恥ずかしさに顔が熱くなった。
「私ってそんなに強そうに見える?」
「はい、あ、いいえ。普段の先輩はあんまり。その、筋肉も目立ちませんし。なんか、凄く上品そうな女の人って感じです。でも、やっぱりすごく強いって聞きますし、剣を振るっているところを見たこともあるので、やっぱりそう考えると強く見えます」
「私は、そんなに強いとは思えなくなってきちゃった」
それは意外な言葉だった。しかし、自身を卑下しているわけではなく、謙遜しているわけでもなく、クァトラは本心からそう言っているように見える。
メアは手を止めて振り返った。しかし、クァトラは地面を見ていて、顔を上げない。
クァトラは、小さく小さく、呟いた。
「私はあの人たちが怖い。あの人たちの目が怖い。怖くて、震えが止まらないの」
だからか、とメアは納得した。食堂で会ったとき、メアとリーメスの手を引いて食堂を出た時、クァトラの手は震えていた。怒りか羞恥かわからなかったが、それは純粋な恐怖だったのだ。
そして今も、膝抱えるクァトラの手は、かすかに震えているように見えた。
「だから、逃げてるの」
メアは何か言うべきだと思ったが、何も言葉か出なかった。クァトラは顔を上げていると、ばたばたと手だけを動かしているメアを見て笑った。
「ごめんごめん。ただの弱音。忘れて」
「う、えっと、その」
呻き声を漏らしつつも、メアの良心はもう耐えられなかった。このまま誤解を解かないのはあまりにも卑怯だ。
メアは勢い込んで、叫んだ。
「この耳のは、団体の先輩にやられただけなんで! 剣士會とかそんなの全然関係ないんで!」
クァトラは目をぱちくりとさせた。予想外だったようだ。
「団体? なんの?」
「えー、あの。魔闘連盟という団体です。はい」
「戦闘系の。訓練か何か?」
「はい」
怒られるか、呆れられるか、恐る恐るクァトラの様子を窺うメアだが、クァトラは何かを思い出そうとするかのように視線を上に向けていた。そして、ぽんと手を叩く。
「ああ、聞いたことあると思ったら、ディベちゃんが入ってるところか」
「はい」
「けど、あそこ三年生に強い剣士いなかったっけ? その人に剣を教えてもらってるの?」
「そうです」
「じゃあ私に師事したいっていうのは嘘?」
「それは本当です!」
「私に弟子入りするってなったら魔闘連盟は止める?」
「えーっと、それは、その……わかりません」
じろじろとメアを観察する視線に、メアは思わず目を逸らしてしまった。しかし、クァトラはメアの予想に反して楽しそうに笑った。
「ふーん。欲張りだなぁ」
そして、そのまま暫くの間、小さく笑い続けるのだった。




