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今できることをしよう

昨日投稿したつもりができてませんでした。


「 ここから近くで人がいる所? 一番近い所はエルフが居て広い畑があるよ!  服はわからないけど食べ物はあるはず! でも アオイ お金の価値まだ教えてないし、そもそもお金の持ち合わせあるの?」


  首を傾げながら、正論を突いて豆腐メンタルにダメージを与えてくるヴェルに両手を上げて降参した。そもそも通貨なんて持ち合わせていないし、元手になりそうなものすら思い当たらない。


  どうしたものかと頭を抱えていると、ヴェルが端末の中にあるものに興味を示していることに気付いた。

 


「 どうした ヴェル? この端末の中になにか気になるものでもあるのか? 」



   端末に仕舞ったものの中身を確認するため収納の項目に触れると、入っているものの種類と数がリスト化表示で見れるようになっていた。



「 空間収納って在庫管理もできて便利だな…むしろ仕分け作業もラクになる!」


   スキルが有能過ぎて若干遠い目をしてしまったが便利なことに変わりないことに納得しつつ、ヴェルの気になっているものを確認していく。

 


「 アオイ、このカバンって何個も作れる? できたそれに魔法付与して、エルフたちに売るのはどう? この世界じゃマジックバッグは貴重で手に入りにくいんだ! それに売れたお金で服や食べ物買ったらいいよ!! まず1つ作って魔法と付与魔法の練習しない? 」



名案と言いたげなヴェルのドヤ顔を横目に手持ちの材料を確認をする。 



「 必要な工具類は…あー、新調してくるの忘れた…あとは生地とかだけど……」


   布用の裁ち鋏、糸切り鋏、針山に刺しっぱなしの縫針とマチ針、そのうち錆びたマチ針が10本は刺さっている。新調するする詐欺のツケが倍以上になって返ってきた。これはマズイ、だが手を止めずに続ける。

 


「 生地は布ならなんとかなるか。型起こしに時間はかかるが 布なら1つ作るのに1時間くらい。もし革ってなると短くても2時間はかかるな…… 」



   布と革は勿論、芯地やパーツなどの素材もそれなりの在庫がある。元の世界では受注制にせず、制作した分だけを少しずつ売るようにしていたため素材は大量に買い込んであったのだ。制作時間を逆算するために腕時計を見ると10時40分、今から制作を始めてもなんとかなりそうだ。

 


「 作業部屋に行くけど、ヴェルはどうする? 」


   隣の作業部屋へ移動しながら空間収納のリストを確認する。空腹が辛いからと荷物のどれかに非常食を入れていたのを思い出したからだ。



「 ボクも行くよー。カバンできたらすぐに、魔法の練習して完成させないと服も食べ物も手にできないよ? 」



  非常食を見つけてホクホクしながらヴェルを見る。さっきも浮いてたけど本当に背中の羽根で飛んでるんだな…とか思いつつ作業部屋に入る。

  6台ある作業台のうち、手近だった作業台に必要な工具と材料、非常食の入った箱を取り出していく。この台は革と布のカバン専用にしよう。




「 まずは型起こしするんだけど、その前に腹ごなしっと……んー、今日は食べ慣れた味にしようかな。」


   カ○リーメイトのチョコ味のパッケージを開け口に運ぶ。通勤時間や作業前にパッと食べれて重宝したよなーとか思いつつ、飲み物の蓋を開けた。視線を上げたら不思議そうに見るヴェルと目が合った。



「 どうした?これ食べたらすぐカバン作るけど? 」


「 不思議な香りがしたけど、その飲んでるのなに? 」


  ヴェルの視線の先を見る。手に持っている缶が気になるようだ?


「 あーこれな。コーヒーっていうちょっと苦い飲み物だよ。飲んで見るか? 」


「 気になるけど、苦いのならいらないや 」


  苦いと聞いた途端に顔を歪ませたヴェルを見て失笑した。


「 そっか、なら作業始めるわ。カバンの種類はどれがいい?? よくわかんねぇから見本はこの3つから選んでくれ。まずは縦型の青と横型のピンクからな。日本ではA4ファイルが縦か横に入れれて肩から斜めにかけれるショルダーバッグとして売ってたんだ。次に黒のウエストポーチ。容量はそんなにないが最小限の荷物にする時に重宝する、使い方は腰に巻くだけ、簡単だろ? 」


   作業机に必要な工具と材料を箱から出して並べながら以前作った型紙を取り出す。



「 アオイー、この世界のカバンってこのピンクのだけだよ? 」


「 …マジかよ。 なら横型ショルダーを作るか、紐は長さ調節できる方がいいよな…。あ、製作中は静かにしててくれな 」



   生地からパーツを取り出しながら、独り言をブツクサ言いつつ制作を始めた。黙々と作業をすること1時間、出来上がったカバンは5つ。オカシイ。普段なら1つ作るのに1時間弱かかるのだが、なぜか5つも仕上がるはずがない。


「 とりあえず完成だ。なぁヴェル、お前何かしたか?」


   チラッっとヴェルを見ると満足そうな笑みを見て察した。犯人はコイツだ、と。


「 ボクはなにもしてないよ? どうして? 」


「 作業時間と完成した数が合わないから、オカシイって思うだろ? 」


「 え? スキルが発動してることに気づいてなかったの? 」


「 はぁ? スキルって制作時間も短くできるのかよ!? 」


    慌てて端末を見ると通知がある。[ 作業効率UP 1時間で制作できる最大個数5つ ]の文字が見えた。ステラから優遇されてないか俺???




孵化したての亀なので、更新の間隔が空きます。

ご了承ください。

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