腐女子とエルフの旅路
デサリアさんと一緒に旅を始めてから早一週間。
寝込みを襲おうとして簀巻きにされて興奮したり、水浴びを覗こうとして失敗して説教されて興奮したり、抱きつこうとして避けられて地面とキッスしたり、
何かと大変だったなぁ。なんて考えながらご飯を食べている彼女を見る。
なぜ私は食べていないのかと言うと、私は本当にアンデッドになってしまっているようで、味を感じないし飲み込んだとしても体の機能が動いていないので、走ってる時に出てきてしまうのだ。
ちなみに、初めて吐いた時は本当にビックリした。
走りながら吐瀉物撒き散らしてしまったのだ。
まぁそういう訳で貴重な食料を無駄にする訳にもいかないし、私は食事を取らないことに決めたのだ。なんだか嫌われとかによくある主人公的な展開に興奮しっぱなしな自分がいる。
ついでに言うと、デサリアさんの説明では、アンデッドに含まれる種族の私には味覚と共に痛覚もなく、怪我をしても普通に治らないし、髪も伸びなければ爪も伸びない。まぁ、所謂代謝をしていないらしいのだ。
特に怪我が治らないというのが厄介で、アンデッドは基本的に怪我をしたらそのまんまらしい。魔法で治す。という方法もあるらしいが、回復魔法は自然治癒力を強めて治すものなので効かないのだという。逆に光属性である回復魔法を使われると、アンデッドの皮膚は焼けただれてしまうらしい。
「まぁ、止血にはもってこいですね。」
とはサイコパスデサリアさんの話である。
ただ、闇属性でなら、アンデッドは傷を直せるらしい。しかも、その闇属性の使いというのがダークエルフたるデサリアさんだったのだ。やっぱりこれは運命の出会い。ということは、結婚!? そういったら結構本気で殴られた。まぁ、興奮してたから痛くも痒くも無かったんですけれども、
基本的にこの世界にある魔法は光、闇、火、水、大地、風、氷、そしてそれ以外の無属性に分けられるそうだ。闇属性は魔族、またはダークエルフなら必ず持っている属性で、他の種族にはあまりいないそうだ。
まぁ、そんな感じに、人間以外は種族特性的な属性を持っているらしい。ちなみに、人間は住んでいる地域によって属性が違うらしい。
そういうの、なにか関係あるのかなぁ。
なんて、ぼーっと考えていたら、デサリアさんがご飯を食べ終わったようで、立ち上がった。
もう出発かな、と思って私は立ち上がろうとした、まさにそのとき、
私の上に真っ黒な影がさした。
不思議に思って上を見ると、そこにはなんと、
尻神様に愛されたとしか思えない、まぁるく大きなお尻があった。
「え?」
そして、次の瞬間には私はそのお尻に顔面を潰され、思いっきり後頭部から地面に倒れた。