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第5話 安達姉妹②

「ふぅー……」


 家で宿題を片付けると、椅子の背もたれに身体を預けながら大きく伸びをしてから、スマホを手に取った。

 成り行き上、仕方ない(?)とはいえ、あのイケメンの安達さんのメッセージを交換してしまった……。

 クラスメートの男どもの中に混じる紅一点と言うべき、『安達透』の名前。アイコンは特に設定していないみたいだけど、それも安達さんらしい。

 一方の静ちゃんは犬のアイコン。飼い犬か、それともたまたま出くわした犬なのかは分からないけど、姉妹で対照的なのも微笑ましい。

 と、スマホに通知が入る。静ちゃんからのメッセージだ。


『おにーさん、今日はすっごく楽しかった! また一緒にどっかに行こっ!』

『俺も楽しかった。また遊びに行こう』

『約束だよ! あ、お姉ちゃんにはあたしがメッセージ送ったことは内緒にしてっ。バレたらまたうるさく言われちゃうから』

『大丈夫だよ』

『おにーさん、話が分かるね!』


 しばらくして再び通知音。確認すると、今度は安達さんからだ。


『今日は妹が色々とごめんなさい』


 静ちゃんと比べると、絵文字のない静かなトーンのメッセージだ。


『問題ないよ 俺も楽しかったから 賑やかな妹さんだね』

『にぎやかすぎて落ち着かなくて困ってるけどね。来年、高校生なのにいつまでも子どもっぽくて……。もう少し大人になって欲しいんだけど』

『落ち着いた静ちゃんってぜんぜん想像ができないけど』

『そうだね。私も』


 思わず、メッセージのやりとりをしながら、笑ってしまう。


『それで、何かあった?』

『あ、ごめんなさい。どうでもいいことを……。今日、妹ともラインを交換したでしょ? もし妹からメッセージが届いてどこかへ行かないかって誘われたら教えて欲しいの。』


 ついさっきのやりとりのことは伝えようかどうか、少し迷う。まあでも約束らしい約束をしたわけじゃないと、とりあえず黙っておくことにする。


『あの子、身体が弱いくせにすぐに調子にのるから。本人はもう身体は丈夫とか言ってるけど、心配だから』

『――心配しなくてもちゃんと報告するから安心して』

『ありがとう』


 何気ないやりとりだったけど、一人っ子の立場としてはこんなに心配してくれるお姉さんがいる静ちゃんが羨ましかった。

作品の続きに興味・関心を持って頂けましたら、ブクマ、★をクリックして頂けますと非常に嬉しいです。

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