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消えたツノジカ―ヒロユキとツノジカ団―  作者: みどりりゅう


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31/53

31. くらい部屋(7)

 むねをはる小鬼たちにヒロユキは彼らをみる目をあらためた。

 ただおカネにこまかいだけの一族ではないらしい。


 ヒロユキはハッとして

「あすかちゃんはだいじょうぶだった?ジェーン」


「人間のメス、ぴんぴん。でも、しおしお。イロユキとられたから。ジェーン、最後まであのメスにつかまらなかったよ。えらい?」


 今はそれどころじゃないんだけど、まあ、あすかちゃんにケガがなくてよかった。


 いかにもほめてほしそうに、すりよってくるジェーンの頭を「えらい、えらい」となでながら

「ゴブリンってすごいんだね。あんな地下室に侵入してきて、ぼくをつれだすなんて。まるで映画に出てくる特殊部隊だ」


 とジョーンズに賛辞をおくると、彼はうれしそうに鼻をふくらかして

「あっしらが優秀なこと、まちがいありやせん。ただ、オメエさんがそんなに大きくなくて、よござんした。もう少し大きかったら、あっしら、オメエさんを運び出せ、やせん」


 そして、つづけて

「『シカを守るもの』たち、あっしらを信用しなかった。けど、あっしらウソを言って、やせん。あのツノジカをぬすんだの、あっしらじゃ、ありやせん。あっしらがはこべる大きさ、せいぜいオメエさんぐらい。あのツノジカは、大きすぎやす」


 ヒロユキには、ジョーンズがウソを言っているようには思えなかった。


「……そうか、あの小さいこどもは小鬼じゃないんだね。じゃあ探索はイチからふりだしだ……」


 気落ちしているヒロユキを見て、ジェーンがゴニョゴニョと、ジョーンズに耳打ちした。


 ジョーンズはうなずいて

「あっしら、ツノジカのぬすみにかかわって、やせん。けれど、ツノジカをぬすみだ、せそうなもの、心当たり、ありやす。あっしら、オメエさんをそいつに紹介してやっても、よござんす」


「えっ?ほんとう?」


「Princessがfriendとみとめたオメエさん、特別で、やす。ただ、そいつに会うのはオメエさん一人、でやす。『シカを守るもの』はダメ」


「えっ?なんで?」


「そいつ、つきあいわるい。人に知られるの、きらう。それにそいつ、とても危険。あっしらも会いたく、ありゃ、せん。だから、もし、そいつに会うのなら、オメエさんひとり。それでもいいならSetする。どうし、やすか?」

挿絵(By みてみん)

 どうも、本気でジョーンズはいやがっているようだ。

 よっぽどこわい相手らしいが、プリンセスのたのみとあって、しぶしぶ、取り持つ気らしい。


 ヒロユキは、遠くに見える博物館を見た。

 こうしているいまも、あそこに両親がとらわれの身となっているのだ。


「うん、会うよ。お願い」



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