春宵詩
温んだ風に酔った夜は
月を見上げて雲を読む
明日の天気を占って
他愛のない未来予想
晴れれば吉
土を耕し種を蒔く
実りを想えば流るる汗もまた甘露哉
雨でも吉
窓辺に寄り添い
雨音の独奏会に微睡むのも一興也
曇りもまた吉
野原で横になり花の香りを慈しみながら
様々な形を成す雲を愛でるは楽し
春の宵はかくも愉快
未だ見ぬ時間さえも美しく彩り
呑めども尽きぬ月影を映す酒杯にて
より芳しく酔わせてくれる
故に願う
刻が移ろい星が霞んでも
どうかこの宵月だけは永久に無縁なれと
本作は「春の詩企画」参加作品です。
企画の概要については下記URLをご覧ください。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1423845/blogkey/2230859/(志茂塚ゆり活動報告)