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❗✒ 亡骸は帰りたがっている。  作者: 雪*苺
【 聖女の交信 】全◯話
7/7

⭕ 聖女の交信 3


「 ──いやぁ~~~、遅くなったぁ~~~!!

  まさか渋滞にハマるなんてなぁ…… 」


店員:ソツバ

うらや様、様が御待ちですよ 」


藺羨駛夏

「 おっ、そう?

  待ち合わせしてたのに大遅刻だな~~~ 」


 オカルト雑誌の月刊UA(ウー)でオカルトライターをしているうらやはやは頭や両肩に積もった雪を片手で簡単にパッパッと払うと客席へ向かって歩いた。


 待ち人が座っている席だ。


藺羨駛夏

くら

  済まないな、待たせた 」


聖美鵺空夢

うらやさん!

  会えて嬉しいです(////)

  えぇと……1人ですか? 」


藺羨駛夏

あとからな。

  だ学生だから学校が終わってからるよ 」


聖美鵺空夢

「 そうなんですか?

  学生さん……なんですか 」


藺羨駛夏

「 あぁ。

  オレの連載記事に毎回ネタを提供してくれる協力者なんだ。

  しづちゃんは可愛いけど、くれ(ぐれ)も惚れるなよ。

  おっかない番犬がそばるからさ 」


聖美鵺空夢

「 番犬……ですか? 」


藺羨駛夏

「 ──おっ、新人か?

  とうとうバイトを雇ったのか?

  お嬢ちゃん、ホットココアを頼むわ 」


霄囹

「 誰が “ お嬢ちゃん ” だっ!!

  ボクは “ お嬢ちゃん ” じゃないぞ! 」


藺羨駛夏

なんだよ、ユタク君の腰巾着か。

  今日きょうは一緒にないんだな 」


霄囹

「 誰が “ 腰巾着 ” だ!

  言い方に気を付けろよ、人間!! 」


店員:ソツバ

しょうれい──、御客様に対してなんですか、その言葉遣いは。

  失礼ですよ。

  御客様が御入店されたらなんと言うんでしたか? 」


霄囹

「 ………………うぐっ…………いらっしゃいませ……。

  …………御注文は……ホットココアを1つで宜しいですか…… 」


藺羨駛夏

「 あははっ、い! 」


霄囹

「 張り倒すぞ、貴様ぁ~~~ 」


店員:ソツバ

しょうれい、言葉遣い 」


霄囹

「 …………御注文をうけたまわりました…………くっ…… 」


 注文を受けたしょうれいは屈辱的な表情をしながら客席を離れて行く。


藺羨駛夏

「 こりゃ、しづちゃんが喜ぶなぁ。

  くらものだぞ! 」


聖美鵺空夢

「 そう…なんですか? 」


藺羨駛夏

くらしづちゃんに依頼する内容の確認をしようか 」


聖美鵺空夢

「 はい。

  “ ある人を探してほしい ” です。

  探し人は多分…もう……。

  行方知れずとなってから2年が経とうとしてますから…… 」


藺羨駛夏

「 確か…聖礼輝会の信者さんの1人だったよな? 」


聖美鵺空夢

「 はい……。

  彼女の御両親からはなんも『 娘を見付けてほしい 』と頼まれるのですが、僕には専門外な事ですから…… 」


藺羨駛夏

くら能力ちからは物探しや人探しには向いてないからなぁ。

  それを盲信してる信者に話してもつうじないか… 」


聖美鵺空夢

「 そうですね……。

  ……もう生きていない事は分かっているんです。

  だけど……誰が犯人なのか……、るのかは分からなくて…… 」


藺羨駛夏

「 確かに死んでる探し人ならしづちゃんが適任だ。

  ただ、犯人は分からないぞ。

  しづちゃんは残留思霊体を見る事は出来ても、話せないからな。

  探し人の場所が判明しても場所に依ってはぐに対処が出来ない 」


聖美鵺空夢

「 はい……。

  それでも──、彼女を探している御両親の為にも場所だけは特定してあげたいんです。

  どんな形であれ、御両親と再会させてあげたいです… 」


藺羨駛夏

くらほんとうに記事にしてもいのか?

  いくらマイナーなオカルト雑誌だと言ってもな【 死体は帰りたがっている 】は結構ネットユーザーに注目されてる記事だぞ。

  だい(だい)的に聖礼輝会の名前を出すとまずいんじゃないのか? 」


聖美鵺空夢

「 そろそろ終わりにしたいんです…。

  両親も親戚も怒ると思いますけどね…。

  いい加減、普通の生活を送りたいんですよ…。

  (えみゅ~る)で住み込みで働かせていただけるんですよね? 」


藺羨駛夏

「 まぁな……。

  (えみゅ~る)は特殊な喫茶店だから、くらの家族には見付かりにくいと思うぞ?

  なにせ会員制だから客は滅多にないしな。

  マスターにはOKを貰ってるし 」


聖美鵺空夢

「 えぇと…オーナーの許可はらないんですか? 」


藺羨駛夏

「 アリコさんか?

  大丈夫だよ。

  アリコさんはオーナー特権を利用してタダ飯をいにてるだけだから。

  気にするな 」


聖美鵺空夢

「 そうなんですか? 」


藺羨駛夏

「 必要な荷物は持っててるんだろ? 」


聖美鵺空夢

「 はい。

  必要な荷物は宅配便で届いてました 」


藺羨駛夏

「 それなら、今日きょうから住み込めるってわけだな? 」


聖美鵺空夢

「 はい。

  そうなります 」


藺羨駛夏

「 ──というわけなんで、ソツバさんくらの事も頼みますね! 」


店員:ソツバ

「 マスターからなにも聞いてませんけどね……全く…。

  くらさんにはから働いてもらいますから、宜しくお願いしますね 」


聖美鵺空夢

「 はい!

  此方こちらこそ明日あしたから宜しくお願いします! 」


霄囹

「 ホットココアだぞ!

  がたがって飲めよ! 」


藺羨駛夏

「 言葉遣いに気を付けろって。

  一応、御客様なんだからさぁ 」


霄囹

「 煩いっ!!

  おい、お前はから(えみゅ~る)で働くのか?

  ボクがじき(じき)から覚悟しておけ! 」


藺羨駛夏

「 おいおい、一致ょ前に先輩風を吹かすなよ。

  くらは見掛けに依らず、お前より器用だぞ 」


聖美鵺空夢

「 見掛けに依らずって…………酷いなぁ…。

  から宜しくお願いしますね、しょうれい先輩 」


霄囹

「 う、うむ……。

  ボクを先輩としてうやまうなら仲良くしてやってもいいぞ! 」


藺羨駛夏

「 照れてるのか?

  可愛いぞ!

  くははははっ(////)」


霄囹

「 笑うんじゃないっ!!

  こんな格好は今日きょうだけなんだからな!! 」


 和服エプロン姿の少年は顔を赤らめながら、客席から離れて行った。


 から彼が僕の1日早い先輩か…。


 から(えみゅ~る)で僕の新しい人生が始まるんだ。


 退屈しなさそうだな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] オカルト的な話は私も好きです。月刊:ムーの創刊号から200号まで全冊買っていたほどです。(今は処分済み)ですので、こう言う話も好きですね。 [気になる点] 登場人物の、名字や名前を、もっと…
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