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❗✒ 亡骸は帰りたがっている。  作者: 雪*苺
【 聖女の交信 】全◯話
5/7

⭕ 聖女の交信 1


──*──*──*── 聖礼輝会・支部


信者:A

「 ──じゃあ、8日にとくひろ駅に10時集合ね! 」


信者:B

「 は~い 」


信者:C

「 気合い入れて、リーフレット配布しましょうね! 」


信者:B

われ様の為にね! 」


信者:C

きみさん、貴女も参加するのよ! 」


信者:皇拉

「 えっ……私もですか?

  その日は家族行事があるので参加出来ませんけど… 」


信者:C

きみさん!

  貴女、なにを言ってるの!

  様と家族、どっちが大事なの!! 」


信者:皇拉

「 家族に決まってますけど? 」


信者:C

「 まぁ~~~!

  なんて罰当たりな事を言うのかしら!!

  様の方が大事に決まってるでしょ!

  様を優先しなさい! 」


信者:皇拉

様は他人なんで、家族より優先する事はないです 」


信者:B

一寸ちょっときみさん…。

  言い過ぎよ? 」


信者:皇拉

がですか?

  他人より家族を優先するのは世間では当たり前じゃないですか?

  様に御執心されるのは、そっちの勝手ですけど……様LOVEを押し付けないでください。

  リーフレット配布でも布教活動でも参加したい方達だけでされたらいいじゃないですか。

  時代が時代ですし、強制するのはくないと思います 」


信者:A

きみさん。

  貴女、入団してなんねんも経つのに相変わらず生意気な事を言うのね。

  いい加減、周りに合わせる事を学んだらどうなの? 」


信者:皇拉

「 先約を優先するのは世間の常識じゃないですか。

  みなさんは違うかも知れませんけど、私は先約を優先する派なので8日のリーフレット配布には参加しません 」


信者:B

きみさん、貴女には信心が足りないわ!

  様への忠誠心もね! 」


信者:皇拉

「 忠誠心って……。

  私は別に様に忠誠を誓う為にかよってるわけじゃないです。

  導き親に対する御義理でてるだけです。

  それに凄いのは様じゃなくて、様が見せられる不思議な力の方じゃないですか?

  様だって『 自分は崇められたり、拝まれたり、崇拝されるような立場じゃない。エネルギーの根源たる〈 サムシンググレート 〉に手を合わせてください 』って、も言われているじゃないですか 」


信者:A

「 あのねぇ、様は謙虚な方なのよ!

  〈 サムシンググレート 〉と交信の出来る様は凄い方なのよ!! 」


信者:皇拉

「 兎に角……8日のリーフレット配布には行けませんから!

  お先に失礼します! 」


 なにかを言いたそうな先輩信者達へ向かって、ガバッと頭を下げた私は急いで玄関へ走った。


 履いていたスリッパを脱いで返却したら、下駄箱に置いてある靴を出して素早く履く。


 急いで玄関から支部を出た私は、自転車置き場に停めてあるチャリ(自転車)の元へ走った。






 家族行事があるなんて、実は嘘だったりする。


 折角の貴重な祝日をリーフレット配布なんかで潰すわけないじゃん!


 その日は久し振りに小学校時代に仲のかった友達と会う約束をしてるんだから!


 ふふふ~~~♥️


 実は6年間ずっと片想いしていた初恋の人だったりす・る・のぉ~~~~♥️


 デートだよ、デートぉ♥️


 気合い入れて、お洒落しないとね!


 チャリ(自転車)の鍵を解除して、サドルに跨がろうとした時に声を掛けられた。


 「 誰よ… 」って思ったら、まさかの様だった!


 噂をすればなんとやらね。


聖美鵺

きみさん、少し…話を出来ないかな? 」


信者:皇拉

「 は……はい… 」


 嘘みたい!!


 あの、様からじき(じき)に声を掛けられるだなんて!


 雲の上の人だとばかり思っていたから吃驚!


 私はコクリ…と頷いて、様と話をする事にした。


 こんなチャンス、滅多にないもんね!


 それにしても、様って美形だわぁ~~~♥️


 目の保養には最適ね!


 眼福だわぁ~~~、イケボだしぃ♥️






聖美鵺

「 帰りぎわに御免ね 」


信者:皇拉

「 い、いえ!

  とんでもないですぅ♥️

  それで話ってなんでしょうか? 」


聖美鵺

「 うん……。

  10月8日の事なんだけどね… 」


信者:皇拉

「 リーフレット配布の事ですか?

  その日は家族行事で参加は── 」


聖美鵺

「 リーフレット配布??

  なんの事かな?

  聞いてない…… 」


信者:皇拉

「 えぇっ?!

  知らないんですか?

  先輩達が様の為に『 リーフレット配布をするわよぉ! 』って張り切って話してましたよ 」


聖美鵺

「 ………………はぁ~~~…… またか…。

  めさせないと……。

  教えてくれてがとう、きみさん 」


信者:皇拉

「 いえ……。

  様にも知らない事ってあるんですね? 」


聖美鵺

「 ははは……。

  御夫人達はパワフルで困るよ…。

  慕って頂けるのはがたい事だけれど……暴走されるとね… 」


信者:皇拉

様も大変なんですね…… 」


聖美鵺

「 あぁ…御免ね。

  きみさんは10月8日に誰かと会う予定だよね?

  出来る事なら予定をキャンセルして会わない方がいんだけど……、むずかしいなら出来るだけ人目の多い場所で会うようにした方がいよ。

  明るい内に別れて、寄り道せずに帰宅した方がい。

  間違っても彼とは2人きりにならないように心掛けてほしいかな。

  決めるのはきみさんだから強要は出来ないけど……。

  僕は…伝えたからね 」


 様は言いたい事だけ言うと、自転車置き場から離れて行った。


 なんだったの??


 なんで私が “ 誰かと会う約束をしている ” って事を様は知っていたの??


 私は誰にも教えてないのに……。


 それに様は “ 彼 ” って言ったわよね?


 どうして私が男性と会うって思ったのかしら??


 「 会わない方がい 」とか「 キャンセルした方がい 」とか「 人目の多い場所がい 」とか「 2人きりにならない方がい 」とか「 明るい内に切り上げろ 」とか……。


 ほんとうなんなの??


 気味が悪いわ……。


 今後は様とは関わらないように気を付けなくちゃね!!


 私はチャリ(自転車)に跨がってペダルを踏むと、チャリ(自転車)を走らせて転車置き場を去った。

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