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1年と3ヶ月目(7月)の話

ドワーフの村から帰ってきて、まずしたことは畑の拡張だった。

ドワーフの村へと持っていく夏の野菜のために生産量を2倍にするためだ。


重機で回りの崩れかけていた家をざざっと均して、畑エリアを拡張する。

そして種を撒いて、1,2か月ですぐに育ちやすい野菜から、時間がかかってもいいので、冬に食べれるように保存食にできるものまで、いろいろと種を植えた。


畑が倍になったことでいままで「みんなで全部作業」していたことを

それぞれの担当をきめることにした。


と、いうのも、ちっちゃい組だったルーやメイやカイがそれなりに仕事をしてくれるようになったからだ。


それだけでなく


「絞った牛乳どこに運びますか?」

「ありがとう!マルコ、あとセディとセーラも!キッチンに運んでもらっていいかな」


ドワーフの村からあの、体調の悪かったマルコたちがここへとやってきていたのだ。

新鮮な野菜を多くとれることと、牛乳などのカルシウムが摂れることを考えて、子供たちが健康になるある程度の時間まで、ここで過ごすことになった。


「ビッテンバウワーさん、なんか重機の調子がおかしいんだ」

「なんじゃと! よしまかせろ! みなのもの!いくぞ!」


そしてビッテンバウワーさんやマルガレットさんの他、数人のドワーフさんたちが、子供たちと一緒に過ごしにこちらにきていた。


彼らは車や重機の整備をしてくれたり、ドワーフの村への野菜の運搬をしてくれるだけじゃなく、TVやソーラーパネルの仕組みなどを研究して、自分たちで作れないかいろいろな研究をしていた。


「がそりん、はやはりこわいからのう」


というのがドワーフさんたちみんなの声だ。

そんなわけで、一気に人数が増えたので、前に使ってた家をドワーフさんたちに貸して、さらにそれだけでは手狭なので、2軒ほどドワーフさんたちが簡単な家を建てて、ちょっとした村のようになってきていた。


たまとウサギ耳ポルス族のラン、猫耳のマルとミル、マルガレットさんの5人がみんなのご飯と食品の加工を担当。

ピクルスやトマトソースやドライベジタブルなどを作って冬への備えや蓄えをしたり、牛乳をチーズやバターにしたり、ソーセージを作ったり、ベーコンを作ったり、塩漬け肉を作ったりしてくれている。

もちろん毎日のご飯も作って入れていて最近では焼き立てのパンやクッキー、ケーキなどもテーブルに並び充実したごはんになっている。


リン、トラ、ジョリ僕たちで水田や稲、リカン、ローア、シンが畑を担当。

ちびっこ組のルーとメイとカイ、あとドワーフの村からきたマルコたちで鶏と豚、牛の世話係。


そんな仕事分担で食べ物の生産性を上げていった。


「倉庫やスーパーのものをまとめる?」


とある日の夕飯にトラの提案をみんなで聞いていた。

みんな、といっても30人を超える食卓になったので、ちっちゃい子組、女性組、ドワーフのおじさんと年長男子組に何となくグループが分かれ、情報交換の場になっている。


トラは今使っている備品や、スーパーの食材、備蓄倉庫のものなどをドワーフの村とここに大きな倉庫を作ってまとめて管理をしたらどうか、と提案してきた。


「毎回探しにいくのも、畑が忙しいときには大変だし、いつ倉庫が崩れたりして使えなくなるかわからないから、必要なものはきちんとしたところで保管しておこうよ」


といわれ、ドワーフのおじさんたちは資材が身近にあったらそれは便利じゃのう、といいはじめ、夏野菜がおちついた秋口に倉庫を作り、管理保管を2つの村ですることにした。


今年の夏野菜はとても豊作だった。

もともと植えていたトマトにナスにきゅうりは保存用に加工するだけじゃなくて、毎日の食卓でふんだんに食べて、ドワーフの村にもたっぷり分けてそれでもまだ余り、新しい保存方法にランやマルやミルが頭をひねっていた。


最終的には前に使っていた保冷トラックをそのまま利用した保冷庫をまるっと冷凍庫にして、トマトは湯剥きして冷凍、きゅうりも塩もみしたり、味付けて冷凍していた。


6月に植えたズッキーニやトウモロコシやサツマイモ、にらや水菜もすくすく育ち、そのまま冷暗所で保管したり、冷凍したり乾燥させたり、トウモロコシは粉にして牛の肥料にしてみる挑戦も。


なによりもものすごく収穫できたのがキャベツで、毛虫と闘いながら、ザワークラウトにしたり、ロールキャベツで食べたりしたほか、表の葉っぱは豚や鶏のエサになっていた。


秋にはいり、畑が少し落ち着いてきたころ、倉庫の着工がはじまった。

冷凍、冷蔵、冷暗所の空調設備あり、あと常温の4区画に10mごとに区切られたとんでもなく大きな倉庫だ。

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