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5ヵ月目(9月)

まだ暑い日が続くけれども、ノートに記載している日数からすると、そろそろ9月に入る頃。

僕たちは冬を乗り切るための準備を始めた。


トラックの保冷車をベースに作った保管庫をガソリンを入れた発電機で起動させて、-5度で野菜や肉など、冷凍して日持ちするものを保管する保冷庫を稼働させはじめた。

けれども、ずっとガソリンを入れておくとガソリンが大量に必要になるしメンテナンスも大変だ。どうしたらいいか、と考えていると、ホームセンターにある災害用やアウトドア用の水を入れる袋に水を入れて、それを一緒に入れて氷にしたら、ずっと発電機をつけなくても半分くらいで済むのではないか、という話になった。

「これ、参考になるとおもうんだ」

さらに、ルーが氷室の本を見つけて持ってきてくれたので、その構造も参考にさせてもらう。



秋冬の野菜も一杯収納できる、4tの保冷庫をベースにした貯蔵庫は、藁をしきつめて、水のタンクもたっぷり両サイドに積み上げ保冷機能を高めてスペースを確保する。収納量を増やすために棚を増設し、天井に通気口を作り風通しも良くする。

上の貯蔵庫は緊急用にクーラーを設置しているけれど、それ以外は普通の倉のような作りにしているので、ここにトウモロコシやニンニクを干したものやピクルスの瓶詰、乾燥野菜や味噌や醤油を試しに作ったものなどを置いておく。

次の春が来るまでには味噌や醤油の醸造用の建物を建てたいと思っている。

15人が冬を越すにはまだもうちょっと蓄えが必要だ。


雨が降った日にリンとトラとちょっとしたドライブに出た。

家から2kmくらいの所に川があったはずなので、それの様子を見に行く。


北に1つと東に1つ、同じくらいの距離にある川は、雨のため水位が上がっていた。

畑を作るのであれば、この川の流れを利用したい、というと、トラもリンも難しい顔をする。

今の家からここまで2km、畑はそんなに広く作るわけでもなく、川の支流を作るにしても高低差を考えると家のあるところは少し高台のため、水を引く事が難しい。


「でも、水の流れがあれば、小麦から小麦粉を作ることも、お米を作ることも、水の流れから電気を作ることもできるんだよね…」

とつぶやくと、トラもリンも興味津々と言った様子でどういうことか聞いてきたので、車でそのまま図書館へと向かう。


「水の流れを利用した水車で、穀物を挽いたりするのがこれで、お米は…稲作は水が必要なので、これで、水力発電の仕組みはこれね」

何冊かの本を取り出して、2人に説明をする。

「水の流れる力を利用するのか…」

「夏場の水量の少ない時は、ソーラーパネルで代用できるけど、冬場のことを考えると、水力発電はあったらいいなと思っているんだ」

「たしかにそうだね」

「ちょっとまって、前にきたときに…あった」

リンがごそごそと探して、1冊の本を出してくる。

「水槌ポンプ?」

「家の井戸をどうにかできないかとおもって、探してたら、こんなのがあって。でもこれは水が流れないとダメだから、その時はもっていかなかったんだ」


水槌ポンプというのは流れている水の力を利用して水を汲み上げる仕組みらしい。


「2kmなら、川から塩ビの筒繋げて引く事くらいはできそうだな」

「水槌ポンプで汲み上げて、筒に水を流して…」

「そう、それで引いた先に水車を設置して、その先を稲作用のため池にしたら…」

来年には自分達で作ったお米が食べれるかもしれない。


そうと決まったらまずは塩ビの筒を幾つか手配をして、川から水をひく準備をしなければ。

ちょっと前に話をしていた沿岸沿いの倉庫群にいき、必要な資材をいくつか見繕う、そんな日を決めようという話になった。

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