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バイトまでの道のり

楽しんで書きました。


読んでくだされば幸いです。

ここは僕の家だ


僕は今、家の中で明日はどうしようとか思っていた。


そんな寝てる僕の横で、一人エロ漫画を読みながら自慰行為にふけっている友達がいた。


頼むから、違うところでやってくれ。


友達の名前はKという、Kは大学生で、僕は単なる中卒のニートだ。


大学生というのは見た目は大人、頭脳は子供という、あの名探偵の正反対という存在であること、僕はこの友達を見て学んだ。


僕の名前は石居 広志という。


女と関係を持つことばかりを考えているので、そう人のことは言えない。


しかし神様もひどい。


何で僕の友達はこんなのばっかりなんだろうか?


まあ、類は友を呼ぶというから、これはこれでいいのかもしれない。



懐かしい昔のことを思い出していた。


現在僕は40歳で結婚もしていて子供も3人いる。


完全にリア充だろ?


そう思う人に良い知らせだ。


現在の僕は、鬱病で仕事を休業中。しかも借金までしている。


しかも、休んでいることや借金のこと、家族はなんにも知らない。


僕が仕事も行かないで、漫画喫茶にて、ただ苦しい時間が過ぎることを待っていることすら知らない。


知ったらどうなるだろう?


妻は、はっきり言って鬼だ。まじめに働いているときから、その鬼ぶりに戦々恐々としていた。


このことがばれたら僕は、冗談ではなく殺される自信がある。


そして現在、自分の保身のために夜逃げを考えてる、卑怯だと思う。


昔から、最後の最後で逃げてきた。


学校から逃げ、社会から逃げ、そしてついには家族からも逃げようとしている。


僕もKのことは言えない。


見た目は大人、頭脳は子供の中年、それが僕、石居 広志だ。



諸君も運がいい。


こうして胸糞悪い社会の底辺の生き物の観察日記を愛でることができる訳だからね。


ここまで来るのに、もう死のうとか色々と考えたわけだが、もう一人の僕が絶対に死んじゃだめだよって言うもんだからこうして生きてるわけだよ。


痛てっ!


わかった、わかった


きちんと君のことも紹介するよ、安心したまえ。


さて、こちらがもう一人の僕である。


名前は桜だ。


性格は、一言で言うとツンデレというやつだな。外見は無論女の子だ。さすがに我が分身というだけあって服装のセレクトも完璧に僕の好みである。


長い髪にゴスロリのファッション、背も低い、口癖は”あんたいい加減にしなさいよ”


「あんた…いい加減にしなさいよ」


「ついに我慢できなくなったか」


僕がパソコンをコトコトやって、自分の観察日記をつけていたら、とうとう我慢できなくなって飛び出してきよった。まったく可愛いやつよ。


イテっ!


また殴ってきよった。


「いい加減に働きなさいよ!!」


「それが出来ないから困ってんじゃないの」


まったく、美少女面して殴る蹴るって、自分の分身とは言え本当にままならん。


僕に出来るのは、こうして後世にのこる駄目人間の観察日記をつけることだけだと言うのに。


桜の奴は僕が居候している実家の冷蔵庫を遠慮なくあけて、中のモヤシを取り出した。


そして、それをフライパンに入れて、あーなるほどモヤシ炒めか…


しかし肉も入ってないモヤシ炒めとは悲しいなあ。


安心しろ、白いごはんと一緒に食えば、そこそこ腹持ちもいいはずだ。


僕はご飯を用意する。無論二人分だ、気が利いてるだろ?


「ちょっと、なに勝手にあたしの料理食べようとしてんの?」


「いいじゃないかよ、こうして白飯も用意したわけだし、冷めないうちに食おう」


「……」


「わかったよ!わかった!ほら!ふりかけで飯食うよ!それで文句ないだろ?」


「半分あげるわ、なんか、あんた見てたら食欲なくなった」


まったく素直じゃないなあ、それがまた可愛いのだが…とまあ、なんだその…ここは、可愛くないなあ!!と鈍感系主人公のように振舞うべきなのだろうか?



しかし、刻一刻と時間は流れていくね、もう僕も40歳だというのに残りの人生何歳までいきれるのかな。


「それでさあ、あんた これから如何するつもり?」


「どうするつもりって、どうもこうも此のままだよ?」


僕の顔面に右ストレートが飛んできた。


そう何度も食らうかってんだ。


僕は稲妻のような反射速度でよけた!が、見事に命中。


「見事!!」



「あんたさあ、まじめに答えないと次はこの皿で殴るから」


僕たちが完食したお皿を、コンコンと指でノックする桜。目が本気なので怖い。



畳の間に、仁王立ちする美少女と正座する中年。


親子の関係というなら、普通は逆だろと心の中でつぶやく。


「じゃあさ…あんたはいい歳して、一生実家でニートするつもり?」


腕を組んでいる桜の姿に威厳のかけらも感じなかった僕はクスリと笑ってしまった。


「ああ!!今わらった?」


十秒後、やや腫れた顔の僕は背筋をピンと伸ばす。


「で、どうすんの?」


「どうもこうも、僕は鬱病で働くことができないんだよ」


僕はひらめいた、我ながら冴えてる。


「そうだ!僕も桜みたいにパソコンの中に入れないかな?君と出会ったのもあのパソコンの中だろ」


「残されたあんたの体は廃人になってもよければね」


「じゃあなんで桜はパソコンの中で暮らせるんだよ!!」


「そりゃあんたの体が本体だからでしょ、あんたとあたし、両方がパソコンに入ったら誰が本体を支えるのよ」


僕以外には感知することもできない存在、それが桜だ。まるで妖怪ウォッ●の妖怪だな。


「そりゃないぜ!ジ●ニャン!!」


イテー!!


「だれがジ●ニャンじゃ」


殴られた。



結局僕は、バイトを探すはめになってしまった。


「ところで●バニャン?」


「こりない野郎だなおめえは」


「いや桜さん」


ボキボキボキっと指を鳴らす音がしたんで、すぐ真面目になりました。


「それでね僕はね、このとおり鬱でね、バイトしたってね、たぶん数時間で嫌になると思うんだよね」


バキっと音がすると思ったら自分の頭からだった。


痛い。


「ちゃんと喋れ」


「はい」



「あんたさ?前にテストプレイの仕事したいっていってたよね?」


「ああ!一日中ゲームしてて金までもらえるなんて最高だからな!」


「とりあえずさあ、そこから始めてみたら」


桜がそういうから、早速面接に行くことにした。



面接当日、家の玄関への扉を開けるだけで体が震える。


スーツもなんも、もってない僕はラフな格好のまま面接に赴くことになった。


それが余計に恥ずかしい。


僕が震えていると、ぎゅっと背中を抱きしめられた。


その瞬間僕の震えは止まったのだ。


華奢な体、すぐに誰だかわかる。


「震え、止まったか?」


僕は無言で頷いた。


「桜、行ってくる」






















出来れば毎日更新したいと思っています。よろしくお願いします。

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