表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才少女の能力事情  作者: 深淵黒猫
2/20

本日は晴天そして厄日なり

「ねぇ、社長!宵さん!晴天の日って死にたくなりません?」


「私に聞くな。お前みたいに死にたくなったことは生憎一度もないんでねぇ」



「葉月は私の薬で精神を狂わせながら殺されることを所望かな」



「宵さんすみません。それだけは勘弁して下さいお願いします。」

風雷光に向かう私に視線が突き刺さる。


当たり前だ。この暑い日に長袖長ズボンという服装だ。そんな変人がいたら誰だって振り返りたくなる。

だが私はこの服の下の醜態を人に晒す訳には行かないのだ。


「今日もいい天気だ!死にたくなるよ!」私『森 葉月』ははっきりと言ってしまえば死にたがりだ。宵と風雷光の存在があって今ここにいるような人間だ。


だが勘違いしないで貰いたい。別に死を尊重している訳ではない。ただ、自分の汚れた過去の数々そして親に捨てられたという時点で私の存在は無いも同然だろう。


そんな死にたがりの私は今日も唯一の居場所『風雷光』に向かった筈なのだ。いや、筈ではない。確実にいつも通り向かっていた。ただ今日という日が厄日だった事が私の唯一の誤算

だ。


私は見つけてしまったのだ。

ふと見た路地裏で足に重そうな鎖をつけここからではよく分からないが恐らくは人であるそれに殴られているのを。


普段の私なら殴られて居るだけならばただの揉め事だろうと見過ごす。いや、本来ならば見過ごすべきではないのだが如何せん私はそういう事に見慣れてしまっている人間だ。


だが、今回はどうだろう。私よりも恐らくは年上だろうが殴られている以前に足に鎖と来た。そして思い出してほしい。私は今進行形で寝不足なのだ。如何しても過去の自分の姿と重なってしまった。


あぁ、頭が痛い....けれど助けなければ。頭では分かっているだが天才と言われてきた私がこの場に及んでいい案が浮かばないのだ。体が動かない。動かさなければ....とうとう私は一歩を踏み出し言ってしまった。

「そこの少年に暴行してる人やめなさい」

あぁ、良くもまぁ考えもなしに動いたなぁ。


そんな呑気な事を思いながら私の意識は途切れてしまった。気が付けば風雷光の医務室のベットの上だった。隣には社長が居た。


「あぁ、葉月起きたか。宵を呼んでこないとな。良かったわ。私はお前が途中で自殺でも図って死んだのかと思ったわ。」

 


「すみません社長。足に鎖を付け暴行されている少年を見かけ声をかけたのはいいのですがこちらの方が倒れてしまったみたいで」

 


「そうか。お前の過去はある程度は知っておるが聞いたこと以外私は知らん。私よりも宵の方がしっているだろう。それとその少年は今、隣のベットで寝とるよ。後で話は聞くがまずはお前だ。宵を呼んでくるから少し待っとれ」


私ははい。と返事し天井を見上げた。私はあの時どうなったんだろう。いつもは誰もが羨ましがるその脳みそをゆっくりと回転させながら考える。寝不足で頭痛のする頭ではそんな簡単な答えも出ず宵が部屋に入ってきた。


「おー。良かった。生きてて」


 

「お陰様で生きてますよ。倒れてた私と少年を助けここま運ぶように手配してくれたのは宵さんでしょう。恐らく意識の無い私と青年に暴行してた奴は今頃警察に....私は見殺しにしてくれても良かったのに....」

 


「葉月。お前睡眠不足で狂いながら死にたいか?」



「す、すみません。生きてて良かったです…なので睡眠薬下さい。」


 

「あ、その事何だが今日の事もあるしあたしが昨日睡眠薬渡し損ねたこともあるしで安定剤も数日分出しとくわ。数日は睡眠薬飲んでも悪夢見ると思うしお前も覚悟しとけよ。」



「やっぱり見ちゃいますかねぇ。マフィア時代の夢ならまだしも暴行の夢ねぇ....宵さん。明日は迎えに来てくださいね。なるべく早くに」

 


「あぁ、任せろ。そんであの少年の事なんだが....お前はどうしたいんだ?」


 

「社長に頼んで雇ってもらいます。あの子能力者ですよ。」



「お前倒れたのに何で少年が能力者だと思うんだ?」


 

「鎖ですよ。私も同じもの付けられましたから。能力者に付ける能力を無効化する鎖を」

 


「だからお前倒れたのか。不思議だったんだよ。普段鎖を見ても嫌そうな顔はするが特に倒れもしないのになんで今回は倒れたんだろうって。なるほどなぁ。能力者か....どんな能力なんだろうな」


 

「んー。攻撃系の能力者と言うことまでは分かるんですけどねぇ。それ以上は本人から聞かないと何ともって感じですね」


 

「まぁ、なんで分かるかまでは聞かないでおくよ。お前今酷い顔してるしな。取り敢えず睡眠薬あげるから今はゆっくり休みな。魘されてたら起こしてあげるし」



「ありがとうございます宵さん。まぁ、ゆっくりは休めないと思いますけどね。それと頭痛薬も貰えますか?朝からずっと頭痛くて」

 


「頭痛薬は駄目だ。その代わり即効性の睡眠薬あげるから我慢しろ」


 

「ねぇ、宵さん。今日は晴天ですね。私の心とは別に」


意識が落ちていく寸前ふと口にした。

宵がそんなことないと思うけどなぁと言っているのを意識の底で聞きながら

私は思った。



『あぁ、今日は晴天そして厄日だな』

 

続いてしまった第2話です。あの青年誰なんでしょうね。


次回

「能力者ノ鎖ト被験者0003」



「僕は逃げた。はずだったのに....」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ