私の幸せは崩れた
朝早くに目が覚めた。5時くらいだろうか外の光が医務室の窓から射し込んでいた。
「遥兄....」
意味は無かったが自然と口からその名前がこぼれ落ちた。そして首にかかっている黒猫のペンダントをそっと取り出し握りしめた。
「やっぱりあの任務に私がついて行っていれば....」
「今日の夢はいつにも増して最悪だったよ....けど私の夢は絶対なんだ....諦めるしかないよね....」
そこでベットに顔を伏せて眠っていた駿が目を覚ました
「あぁ、おはよう葉月ちゃん。よく眠れた?」
葉月は静かに首を横に振った
「ねぇ、私がこれからどんな事をしても駿は私の見方でいてくれる?」
「突然どうしたの?まぁ、けど勿論俺は葉月ちゃんの味方でいる。」
葉月はそう....と言いながら目を伏せた
することが無くなったふたりは医務室を出た。そこには何やら作業に追われる皆んなの姿があった。
「あの、どうしたんですか....」
「あぁ、葉月起きたのか。実はな風雷光の機密情報が盗まれたらしい。」
「え?誰が....」
「分からない。だが、昨日風雷光にいたのはお前と駿だけだ。何か知らないか?」
「私昨日はずっと眠ってた。起きたのはついさっき」
「俺もあの後葉月ちゃんの様子を見ながら寝落ちした」
「だけどねぇ皆葉月ちゃんを疑ってるんだぁ。だって元マフィアだもんねぇ。実は昨日の取り引きで葉月ちゃんをマフィアに戻る様説得してほしいって言われたんだぁ。でもその前にマフィアのボスと協定を結んで機密情報を洩らしたのならまぁ、分からないこともないよねぇ」
私は....と顔を伏せ口篭ると
「葉月ちゃんがマフィアに戻る?そんな事あるわけねぇだろ!誰よりも1番辛い思いをしている葉月ちゃんがあんな所に戻るわけない!」
温厚な駿が初めて怒り怒鳴り声をあげた
「駿....もういいよ....」
「葉月ちゃん?俺は葉月ちゃんはやってないって信じてるから」
「ごめんね駿。私....マフィアに戻るね....」
消え入りそうな声でそう呟いた。嘘だと思いたかった。誰よりも辛い思いをした葉月が自分からマフィアに戻ると言い出したのだ。
「葉月ちゃん?嘘だよね....何で?」
駿は黙ってと声が聞こえた
「なぁ、葉月。やっぱりお前がやったんだろ。そんな奴さっさとマフィアに戻れよ」
「駿ごめんなさい....私もう行くね....バイバイ」
何処か寂しげな葉月は消えるように風雷光を後にした。葉月が消えた後の葉月への罵詈雑言は宵や梢は勿論の事葉月を慕っていた祐輝でさえを口にしていた。だがそれを信じないものが1名。その場でただ1人駿だけは葉月の言ったことを信じてはいなかった
------------------
私は分かっていた。そもそもあの人が取引なんて言い出すのがおかしいんだ。こうなることを仕組んで私を精神的に追い詰めるためにこんな事仕組んだんだ。頭では分かっているのに....何でこんなにも辛いんだろう....
雨が降ってきた。
あそこを抜けた日もこんな日だったな....




