ときめきメモリマス7(四百文字お題小説)
お借りしたお題は「デパ地下」です。
布貝那実雄、高校二年。
クラスメートで学年のマドンナ的存在でもある蘿蔔綾香に廊下で呼び止められ、誰もいない教室に引き込まれた。
「何考えてるの、布貝君? 薺は貴方の事が好きなんだよ? どうしてつれなくするの?」
綾香はプウッとほっぺを膨らませて告げた。那実雄はビクッとして、
「でも、御形さんは……」
「反論は認めません! 今度こそ、薺の思いに応えるのよ!」
綾香に圧倒された那実雄は、
「はい」
小さく頷いた。
綾香は親友の御形薺に謝罪し、デパ地下のスイーツをご馳走すると偽り、一緒に出かけた。
那実雄には所定の位置で待たせてある。
「すごいね。目移りしちゃう」
美味しそうなお菓子を見て薺はご機嫌だ。
「どれでもいいから選んでね」
綾香は那実雄に合図して、そっと薺から離れた。
「御形さん、この間はごめん」
不意に現れた那実雄を見て、薺はまた綾香に嵌められた事を悟った。
まだ続くようです。