7.変態は○○ですか?
□月□日
俺には最近恐ろしく思う事がある。
変態が恐ろしいのは元からだが、少しーーいやかなり気になる事があるのだ。
あいつはもしかしてドMなんじゃないだろうか。
俺が貶せば頬を染め、殴る蹴るなど手を出せばうっとりとした表情で見つめてくる。股間を攻撃すれば呻き声をあげ悶絶しながらも、あらぬを勃たせる。
グレゾーンどころか真っ黒じゃないか? でももしそうならば見事に俺が今までしてきた事が裏目にでてしまっている。
俺が悪いのか?
そんな訳あるか、変態が悪いに決まってる!
そもそも変態と初めて遭遇した時俺は眠っていたのだ。その後に奴をぶちのめしたとはいえ、俺の責ではないだろう。
それとも容赦なくぶちのめす手の早さを変態ならではの電波で感じとったのか。しかし俺は普段からこんなに手が早いわけではない。俺の拳がうなるのは奴だけだ。したがって俺は悪くない。
SとMが惹かれ合うからSMが成り立つ。
奴はドMかもしれないが俺はSじゃないし、ましてや加虐趣味はない。いつもの行為だって好きでやっている訳ではないのだ。
でももしいつもの(一方的な)殴り合いをSMのプレイの一環として考えているとしたら、俺は変態を生かしておく事が出来そうにない。変態の息の根を止めてしまうかもしれない。
奴にはぜひ己の趣味に合う人を見つけて頂きたい。俺の平和の為にも。
なにはともあれ、まずは変態に確認をとってみなければ。
しかし、その時また変態がよからぬ電波を受信したとしたら俺はどれくらい自分を抑えていられるだろうか。
……くれぐれも犯罪者になるのだけは気を付けよう。