1.変態に出会った!
□月□日
澄みきった晴れ渡る青空。ぼんやり空を見上げ学校を目指し歩っていた俺だったが、突然今日は学校をサボろう思いと踵を返した。
特に意味はない。
しいて言うなら空が青いから。こんな天気の良い日に学校に行くなんて勿体ないと思ったのだ。
しかし俺はこの時の決断を後々悔いる事になるなんて思いもしなかった。
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「んあー、気持ちいいなぁ」
学校とは真逆に位置する川沿いの堤防をテクテクと歩く。学校をサボったところで行く宛などない俺は気の赴くままに足を進めていた。
何をする訳でもなくぼんやりとしてると不思議と段々眠たくなってくる。
自然と落ちてくる瞼と昼寝への欲求に負け、丁度良く草の生えた斜面に体を横たえた。両手を枕にし形を整えると欠伸を1つし目を閉じた。
たまにはこんな日も悪くない。
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気持ちの良い昼寝はあまりの寝苦しさに意識が浮上し終了した。なんていうか息苦しい。呼吸がし難いし体が重い。
真っ昼間から金縛りか?
「ん、ちゅっ」
少しでも楽に呼吸をしようと口を開けると、何か柔らかい物が口内に侵入してきた。俺の舌に絡みつくそれの感覚には覚えがある。まるでベロちゅーをしてるかのようだ。
そこまできてようやく俺は目を開けた。
「なっ、やめーー」
知らぬ男にベロちゅーされているという状況に驚き声をあげようとすると、俺の呼吸すら奪うかのように舌が深くからみつく。
暴れようにも手は頭の上で1つにまとめ押さえつけられ、胴体にのし掛かられていて蹴ることさえ出来ない。
顎を捉えられているため首を振る事も出来ずにいると、角度を変えますます口付けが深くなる。飲み込め切れなかった唾液が頬をつたった。
涙が出る。何で俺がこんな目に!
せめて相手が女の子だったらよかった。しかし今現在俺にのし掛かってベロちゅーをかましているのは紛うことなき男だった。
男っぽい体格の女の子と望みをかけようにも、身長175㎝を超える俺と同じくらいの体に、男である俺以上の力を持つ女の子などそうそういないだろう。いやいて欲しくない。
「ようやく起きたのですね、愛しい人ーー。おはようございます」
「あんっ」
不意に顎を掴む手が離され口から舌が出ていったかと思ったら、俺の股間へと手がのばされ思わず腰が疼き高い声が出た。
今の俺の声か?
本当に?
男に触られて感じてたまるかぁ!!
話かけられた内容そっちのけで内心大声をあげショックをうけていると、吐息混じりの声をかけられた。
「良かった。感じてるんですね?」
その言葉にかっとなった俺は火事場の馬鹿力でのし掛かる変態の拘束を振り解き、変態の顔面を殴り更にひっくり返った所を追い討ちとばかりに股間を蹴り上げた。
言葉にならない悲鳴が聞こえた気がしたけど、けしてやり過ぎではないと思う。
これは正当防衛だ!