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4 狩野俊也、大捕物の末委員になる。

 さて、わたしの隣に座る彼のことを紹介しよう。

 彼の名は、狩野(かりの)俊也(としや)という。私と同じクラスである。

 私が見たところ、彼は表舞台でお祭り野郎に巻き込まれ、お祭り野郎に辟易しつつ、結局のところ自分も文化祭を楽しんで青春してそうな茶髪眼鏡君である。

 その彼は、私の所見に反して、影で暗躍タイプの委員会室にいる。

 彼は私が入会した直後に入会したのだが、前から委員会室に出入りしていた。何故実行委員に入っていなかったのかと訊くと、委員会室に関わったのは偶然であったのだと事情を語ってくれた。


 それは今年、五月半ばを過ぎた頃。

 文化祭の案件をクラスで相談し始めた頃である。

 クラスはまずどの部門でクラスの催し物を行うか決める。部門とは、例えば食堂部門、喫茶部門、演芸部門、演劇部門といった、催し物のジャンル分けをするものである。

 部門はクラスの代表者が中心となって、ホームルームなどの時間にどんな催し物をするのか検討しながら決める。カレー屋や焼そば屋は食堂部門にあたり、喫茶店は喫茶部門、お化け屋敷は演芸部門、劇は演劇部門にあたる。学校内全体の出し物に偏りがでないように、部門には団体数の出展制限があるので、希望団体が多い部門は実行委員会の調整が入り、抽選になる。そのため、実行委員会で全団体の希望部門のアンケートをとる。

 私と俊也のクラスでも、文化祭の出し物をホームルームで決めた。いくつかやりたい催し物を挙げ、第一希望、第二希望と、多数決で決めた気がする。そのホームルームで決まった催し物に適う部門が、 実行委員会に提出されるアンケート用紙に記入されたはずだ。

 通常そのアンケート用紙はクラスの代表者が委員会室に提出しに行く。しかし、私たちのクラスの代表者は、希望を決めたその日のうちにアンケート用紙を持って行くことを怠り、翌日にはその存在を忘れ、アンケート用紙は暫く放置されることとなった。

 その放置が発覚したのはクラスの代表者が欠席した日である。担任教師が実行委員にせっつかれてクラスの代表者の机の中を漁ったところ、山盛りのプリントやノート類の中からアンケート用紙が発掘されたのだ。

 ここで標的にされるのが「代表者の友人」である。「仲が良いから」という理由で、アンケート用紙を持って行くよう命じられるのである。うちのクラスの代表者は男であって、俊也の友人であった。他にも友人はいただろうが、偶々先生の目に付いたのが俊也だった。俊也は担任にアンケート用紙を押し付けられ、委員会室に提出しに行くことになったのである。とんだとばっちりであった。


 一方その頃、委員会室はパニック状態であった。

 それは体育祭の片付けと文化祭の準備が重なったことと、委員会の連中に「記録を書いて残す」という習慣がなかったことに起因する。


 少々話が反れる。

 何代か前の実行委員会で、委員会室の老朽化した備品を悉く買い換える破目に陥り、大幅に運営予算が減ったことがあった。備品を買ったからとて予算を余計にもらえるわけもなく、やむなく委員たちは四苦八苦して経費を削ることになった。そんな中、仕事の予定や記録を残す書記用ノートも節約対象になったのである。敬愛なる先輩実行委員たちは、紙片に残す記録を最小限にし、自分たちの記憶にほとんど頼り、積極的な情報の共有を行って、仕事をこなして準備を行った。そして、その年の文化祭をアイディアと機転で盛り上げて、低予算で見事に乗り切ったのである。文化祭のテーマは、「世の中、金だけじゃない」。当時から在任している先生の口伝により、今でも語り草の文化祭となった。

 しかしながら彼らの卒業後、思わぬ置き土産が残った。書記用ノートで記録を残さないことが実行委員の習慣となってしまったのである。

 それは段々と怠惰によるものになっていき、書記用ノートの存在があったことは忘れ去られた。情報の共有というのも徹底すれば良いのだが、徹底するのが段々面倒臭くなり、ただ散り散りに情報の断片を別々の委員が持っているという事態が起こり、委員の間で情報の誤差や時差ができるようになった。それは混乱を引き起こす。しかし、一度それが当たり前になってしまうと、統一した記録を残すというアイディアも浮かばなくなってしまうものである。まるで記録を残さないというルールがあり、記録を残したら罰ゲームがあるような気がする、そんな妙に緊迫した意識すら生まれ、その状況をどうにか肯定しようとするのである。

 まだ委員会室ではその悪習に頼っていた。自分や他人の記憶に頼るという、積極的だか他力本願だかよく解からない方法で仕事内容を把握していた。この方法はあまりに無駄が多く、誰が重要な情報を持っているのか解からないので、仕事の期限や必要事項の認識に重大な支障を来たした。

 現在は書記用ノートが復活しており、書いて記録を残す方法に改められている。


 まだ頭の悪いやり方でまとまりのつかない情報が混在していた、五月半ば過ぎその日。

 実行委員会の本部として置かれている委員会室で、一年男子委員の一人が「誰か校門に設置するアーチの寸法を覚えてくれ」と叫んだ。記憶容量オーバーになったらしかった。彼の名を天野豊隆(とよたか)という。

 体育祭の片付けと文化祭の準備が始まったあたりである。情報が整理されていない委員会室は、物が放り出され放置され雑然とした室内と同じく、誰の脳内も混沌と化していた。ゆえに、誰も天野豊隆を振り向かなかった。みんな手一杯でアーチの寸法を覚える余裕なんぞないのである。豊隆はぶつぶつとアーチの寸法を呟いて、ひたすら忘れないようにぐるぐると室内を回っていた。

 そこへ、委員会室にやって来た者がいた。友人の代わりに部門アンケートを提出しに来た、狩野俊也である。

 俊也は校舎の二階の端にひっそり佇む委員会室までやって来て戸を開け、「文化祭のアンケートを持って来たんですけど」と言おうとした。しかし「文化祭」と口にした途端、俊也の目の前に誰かがやって 来てがしっと肩を掴んだ。アーチの寸法を呟く豊隆である。

 こんがらがった情報の中に正しい情報を一筋保って、情報の分割という使命を帯び発狂せんばかりの豊隆は「文化祭」と聞いた途端、「文化祭=文化祭関係の人間=文化祭の校門のアーチの寸法を覚える人間」と少々飛躍した都合の良い解釈をし、天よりの一筋の光とばかりに「文化祭」俊也に飛び付いたのだ。


「アーチの寸法は縦四メートル横五.五メートル幅一.二メートル!」

「は?」

「アーチの寸法は縦四メートル横五.五メートル幅一.二メートルぅぅぅぅぅぅ!」

「ちょっと待て、意味わか」


 俊也の肩をがくがくと揺らし、豊隆は目をカッと見開いて叫んだ。


「覚えろよ文化祭だろ!文化祭だぁ!!アーチの寸法!縦四メートル横五.五メートル幅一.二メートル覚えるんだこんちくしょぉぉぉぉ!」

「うわぁぁぁぁぁ!解かった、解かりました!何なんだ!覚えるから!」


 目をカッと見開いた尋常ではない様子の人間が自分の肩を掴んで激しく揺らし、絶叫してくる。怖くないわけがない。

 俊也は助けを求めようと思ったが、委員会室にいる他の委員もまた発狂せんばかりに忙しく働き飛び回っているので、こちらに構う余裕がないらしく、絶叫している人間がいるというのに見向きもしない。誰も助けてくれそうにない。尋常ではない立ち回り、跳躍をしている室内にも戦慄を覚える。

 掴まれた肩が痛い。離して欲しい。というか、文化祭の部門のアンケートどうすれば良いんだろう。わけが解からないが、とりあえず絶叫して要求してくることを呑んでやるしか解放してもらう道はなさそうだ。

 様々な疑問と混乱で頭がいっぱいになり、委員の絶叫に怯えつつも、俊也は繰り返される委員の絶叫を何遍か聞き、アーチの寸法とやらを諳んじてみせた。それを見た豊隆は安心したようで、憑きものが落ちたように呆然とした表情になった。俊也は豊隆に無理矢理アンケートを持たせて、早々と騒乱状態の委員会室から退散した。

 足早に遠ざかりながら、俊也は先程の衝撃にぞっとしていた。動悸は激しく、冷や汗が額に浮かぶ。

 自分は委員会室に何をしに行ったんだっけ。友人の代わりに押し付けられたアンケートを出しに行っただけだった筈。なのに、よく解からない何かを覚えてしまった。アーチの寸法は縦四メートル、横五.五メートル、幅一.二メートル。なんだか怖い、気持ち悪い。俺は地獄の門の寸法を覚えたのかも知れない。

 絶叫していた委員は見たことがあるから同級生だと思うが、尋常ではない人間と相対するということはあんなに怖いことなのか。委員会室の中もなんだか凄かった。委員会の人間はみんな、まともではないのだろうか。いや知った顔もいた筈だが、パソコン画面と向き合って何かをぶつぶつ呟いていて全く別人のようだった。

 ならば、委員会というものが人をそうさせるのか。

 そこまで考えて、俊也は委員会には二度と関わるまいと思った。とりあえず、とんだとばっちりだったのである。もう二度と近付くまい。

 しかし、縁というものは時に残酷なものである。

 俊也が去って二時間後。委員会室はようやく仕事が一段落つき、一時の混乱は去り、お菓子を囲む和やかな時間が訪れていた。

 そんな中で、一人の委員がふとこんなことを言った。


「そういえばアーチの寸法は?アーチのデザインしなくちゃ。材料も切らなくちゃいけないし」

「あんた、アーチの寸法覚えてたんじゃなかったっけ」


 話を振られたのは、アーチの寸法の一年男子委員、天野豊隆である。


「うん、そうだけど、誰か覚えてる筈だよ。僕は文化祭の部門アンケート集計して忘れちゃった」

「えっ、で、誰が覚えてるの?」

「大丈夫、ちゃんと覚えて貰ったって。えーっと」


 おや、と豊隆は首を傾げた。二度ほどぐるりと委員一同に視線を廻らし、あることに気付いた。


「あれ?」


 アーチの寸法を覚えて、諳んじてみせた人間が、この中にいない。


 翌日の大捕物は、全校中で有名である。

 もっとも、事情を頭から尻まで理解しているのは我々委員くらいである。


 その日、昼休み。

 俊也は普通に登校し、いつものように過ごしていた。昼休みになってから、例の友人が登校して来たので、昨日のことについて苦言を呈した。「もともとはお前が休んだりするから悪いんだ。先生に紙押し付けられるし、委員会のヤツに意味解からないこと叫ばれるし、何か覚えちゃったし」

 ことの重大さが伝わっていないらしく、友人はにやにやするばかり。俊也はもう少し文句を言おうと口を開きかけた。

 そのとき、昨日俊也に迫ったアーチの寸法委員、天野豊隆が教室に入ってきた。

 視界に入れた瞬間、俊也は教室の入り口にくるりと背を向けた。高鳴る心臓に落ち着け落ち着けと言い聞かせ、冷や汗をかきつつ、早く委員が去ることを祈った。昨日の恐怖まだ冷めやらぬうちである。何故あの委員がやって来たか解からないが、とりあえず視線を合わせたくなかった。

 それに、何だか嫌な予感がした。

 委員は教室を見回して何かを探していた。そして、委員がこちらを向いて、


 「あ」


と探しものを発見したときの喜びの声を発したのを、俊也は背中で感じた。


 反射的に、俊也は走り出していた。

 つられて、豊隆は俊也を追い駆ける。

 追い駆けて来る気配を感じて、俊也は更に速度を上げて走る。つられて、豊隆も速度を上げる。

 そうして教室内をぐるぐる逃げ回り、追い回り、教室中の注目を二人は浴びた。しかし、鬼ごっこはそれだけに留まらなかった。

 アーチの寸法を捕まえなくてはならない豊隆は、昨日の自分の所業を忘れ、何故アーチの寸法保持者が逃走するのかが解からない。アーチの寸法保持者を立ち止まらせようと、「待てっアーチの寸法!」と俊也に呼びかけた。

 「アーチの寸法」と聞いた途端、昨日の恐怖がまざまざと蘇って来た俊也は、ついに廊下に飛び出した。

 豊隆も慌てて廊下に飛び出し「待てアーチの寸法」と呼びかけながら追い駆ける。自分が忘れたからには、アーチの寸法を記憶している俊也に頼るしかないので、豊隆はどうしても俊也と話さなければならないのである。しかし、俊也は逃げる。目をカッと見開いて絶叫する委員の表情と理不尽に押し付けられたアーチの寸法は忘れまい。

 俊也と豊隆は校内を風のように走り抜けた。他の生徒は怪訝に思って振り返ったが、三回ほど二人が廊下を往復すると、理由は解からないが全速力で追い駆けっこをしている二人を面白がった。「頑張れー」と声をかけ、「俊也どうしたの?」と訊ね、「あれ、片方実行委員じゃない?」と指を差し、爆笑して手を叩いて喜ぶ。中にはどちらかを応援し、購買のパンを賭ける者もいた。「さあ、捕まるのか、逃げ切るのか?!」

 そんな周囲のことはつゆ知らず、俊也はただひたすら委員を振り切ろうと必死に走った。しかし豊隆もそう簡単には諦めず、必死で追った。あまりに必死過ぎたため、二人とも途中で何故逃げているのか、追っているのか、忘れた。

 逃げる男と、追う男。二人は廊下を走り抜け、実験教室を巡り、男子トイレを走り抜け窓の外に出て、 渡り廊下の上を歩き、渡り廊下に下りて一階に入り、三年生の教室に乱入し、窓から校庭に出て、校庭を一周し、また窓から三年生の教室に乱入し、好奇の視線を浴びながら廊下に飛び出し、階段を駆け上がり、二年生の教室に乱入し、机を挟んで探り合いをし、好奇の視線を浴びながら教室を飛び出し、廊下を走り抜け、先生に怒られ、Uターンして美術室に飛び込み、昼食中の美術部員の顰蹙を買い・・・と、満遍なく校内を走り回った。

 私もおそらく彼らとすれ違った。全速力で駆け抜ける二人がすぐ脇を通り抜けて行って、これも青春なんだろうと思った覚えがある。別段奇妙だとは思わなかったのだが、どうやら学校中を駆け回っての大捕物だと噂になっていたらしい。

 昼休みいっぱいを以って繰り広げたこの大捕物は、俊也が二階の端の方に逃げて来たことで終焉を迎える。

 二階の端、そこには委員会室がある。

 俊也たちがやって来る少し前の時間に遡る。委員会室で昼食をとっていた数人の委員は、大捕物が行われているらしいとの噂を聞いた。委員会室にやって来た先生がぷりぷり怒っていたのである。


「俺もさっき出くわしたが、廊下で走り回っている二人組がいるんだ。高校生にもなって」


 次の言葉は、聞き捨てならなかった。


「そうそう、片方実行委員だったと思うぞ。天野だっけ?」


 「まさかあいつ、アーチの寸法を追い駆け回しているのでは」そう思った委員たちは、一人二人外に出て、情報を掴みに行った。ほうぼうで噂話を聞いていると、間違いではなさそうである。委員は急遽校内のところどころに散り、噂の大捕物を待ち伏せして捕まえることにした。

委員会室前の廊下も通るのではと、二年生の男子委員二人が待機していた。すると、案の定、尋常ではない様子で男子生徒が走って来るのが見えて、それを追い駆けているのは見知った委員であった。

 二年生の男子委員は待ち受け、新年の箱根駅伝のゴールの如く、俊也を抱き止めて捕獲した。目の前の人間を吹っ飛ばす勢いで走って来た俊也であったが、弁当を食べないまま、四十分以上闇雲に走り回り、昼休みも終わりかけである。もう疲れ切っていて、捕まえられるとそのまま一瞬意識を手放した。ぐったり倒れ込んだ俊也を憐れんで、男子委員二人は委員会室に運び入れた。追い駆け回していた豊隆は廊下にスライディングして転がったが、無視された。通りすがりのような人間にアーチの寸法を覚えさせた挙句、逃走劇までさせた報いである。

 かくして、大捕物は追跡者の仲間による逃走者捕獲という結果で終わった。追跡取材されていたわけではないので、一般生徒は大捕物の結末を知らずに終わったのだが、暫くは全速力で校内を駆け回った男子生徒二人のことで話題が持ち切りだった。

 その日、「捕獲完了」のメールを受け取ったほとんどの委員は、昼休み以降の授業を自主休講した。俊也は飲まず食わずで走り回り、脈拍は異常な速さ、息切れは激しく、意識は朦朧とし脱水状態にあったので、委員会室のソファに寝かされ、自主休講せざるを得なくなった。俊也は委員から手厚く介抱された。

 ある程度落ち着いてから、何故逃げ回っていたか思い出して、俊也は妙な敗北感を味わった。何故昨日あれほど関わるまいと思った委員会室で介抱されているのだろう。

 放課後になってから、差し出された二リットルのペットボトルのミネラルウォーターを飲み干し、委員が教室から持って来てくれた自分の弁当に箸をつけた。黙々とエネルギー補給をする俊也に、目の前にいる委員が気を使いつつ訊いてきた。


「アーチの寸法覚えてる?」


 アーチの寸法は縦四メートル、横五.五メートル、幅一.二メートル。

 嫌だったが、覚えていた。


 これが俊也と実行委員会のなれそめである。巡り合わせとは奇妙なものである。

 これ以降、俊也は度々アーチの寸法のために委員会室に呼ばれることになった。そのうち、アーチの材料を切る手伝いをしたり、色を塗る手伝いをしたり、別の仕事の手伝いをすることになったり、差し入れのお菓子の恩恵を受けたり、委員会室で大貧民に興じたりと、委員会室にいる機会が増えていった。そして私が入った頃とほぼ同時に、実行委員会のメンバーに加わることになったのである。

 人生って何が起こるか解からないね。

 齢十六歳の俊也の言葉には、重みがある。


 尚、俊也の実行委員会に関するこの話は、俊也と委員たちからそれぞれ話を聞き、事実とは異なる憶測や誇張を省いてまとめたものである。私がまとめたこの話は、一番事実に近いとされ、委員会室で共有されている情報の一つとなっている。新しく購入した書記用ノートの一番最初のページに一部始終が書かれているので、ノートが残れば、連綿と委員会室に受け継がれる話となって面白いなと思っている。

以上、全校中で有名な、大捕物の全貌であった。


 追伸、あれ以降俊也と豊隆は、全く知らない上級生から偶に話し掛けられたり顔を見るなり笑われたり、ことあるごとに肩身の狭い思いをしているということである。


  *


 私は狩野俊也をなかなか面白い人間だと興味を持っている。


  *

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