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世界一愛してる。
幸せな二人の超短編です。
よろしくお願いします。
差し込んでくる朝の光で、俺は目を覚ました。
柔らかな布団の感触、
とん、とん、と、包丁が刻むリズムが心地よい。半分寝ぼけた目でリビングに出ると、彼はキッチンにエプロン姿で立っていた。
『あ、おはよう』
彼はそう言って微笑んだ。日の光に照らされた柔らかな笑顔が眩しい。それだけでどうしようもなく幸せで、口角が上がってしまう。
『どうしたの?』
そう言って首を傾げる彼が可愛くて、つい口走ってしまう。
『いや、今日もかわいいなって』
彼は途端に顔を赤くして慌てふためく。その姿すら可愛いと思うが、口には出さないでおこう。料理の手が完全に止まってしまったようだ。
『おいおい、包丁気をつけろよ』
『だって、急に変なこと言うから!』
そう言って顔を覆う彼を、俺は後ろから抱きしめる。彼の体温が伝わってきて、胸の奥がじわりと温かくなった。
彼はおずおずと服の裾を握って言った。
『…好き』
俺はその手を包みこむ。
『俺もだよ』
そのまま繋がれた手は解けない。
甘い朝は溶けてゆく。
今日も、明日も、これからも。
ずっとずっと、愛してる。




