社交界シーズンとクラウド家のパーティー
社交界シーズンが始まった。
週末は戦争だ。
(佐々城 雪夜)
始まったな、気合い入れていくか。
毎週末3日間、パーティーに駆り出される。
すると会場ではお客さんとも会うわけで……
(貴族:老紳士)
おお、セツナ殿ではないか。
次はどこのパーティーだね?
(雪夜)
来週末ですね。
ゲラナマ子爵邸ですね。
(貴族:老紳士)
ゲラナマか……ウチには招待状は来ておったか調べなきゃならんな。
そんな会話もするようになる。
毎日仕入れている為、社交界シーズン分ぐらいは余裕を持って在庫はしてある。
無いとすればお酒ぐらいだ。
そこは行きつけの酒屋もよく分かっているわけで……
(酒屋店主)
始まったな、パーティーシーズン。
(雪夜)
おかげ様で多忙ですよ。
その分……ねぇ〜(ニヤッ)
(店主)
そうなるわな。
在庫は任せろ、いつでも来い!
(雪夜)
よろしくお願いします。
(店主)
なぁ〜に、ウチも掻き入れ時だ、しっかり儲けさせてもらうよ(ニヤリ)
雪夜の仕入れ量は把握している。
この時は倉庫は空になる。
超お得意様だ。
そんな行きつけが2軒。
この時ばかりは大盛況だ。
その代わり、異変があればすぐ連絡が来る。
何かのトラブルで仕入れが追いつかない場合だ。
以前、メーカーがサイバー攻撃を受け、一時入荷が止まった時は冷や汗ものだった。
その教訓を元に、社交界シーズンの消費量は常に在庫するようにした。
酒屋の主人からの勧めもあって。
3ヶ月、毎週末に金貨2500枚だ。
売り上げは15億円!仕入れは900万以下だ、ぼろ儲けである。
12週間だ、総売り上げ180億、仕入れは1億800万以下、凄まじい利益だな。
雪夜のストレージに大量の金のインゴットが貯まる。
しかし、いきなりは怪しまれる。
運用もしてるんだ、増える一方の為、プライベートバンカーに相談したいが出所がそろそろ疑われる。
そこで万が一の為に現物で"ストレージ"に保管しておく事にした。
あっちの世界に行けなくなった場合の生活費の確保だ。
しかし、それでもそんなに金は要らないだろ?
それこそ怪しまれるぞ。
帰って来れない場合の生活もあるが、仕入れが出来なくなるので、居場所があるか心配はある。
"異世界産が仕入れられる"
これが存在意義になっていると言っても過言じゃないからだ。
まぁ心配しても仕方ない、雪夜は今を楽しむ事にした。
(雪夜)
今は幸せだなぁ……
いや待てよ、魔法があった!記憶操作の。
これ、証拠隠滅に使えるぞ!
これに気づいた雪夜は、早速プライベートバンカーに会い、持っていた金のインゴットを換金した。
記憶操作も忘れずに、換金だけして現金を"ストレージ"に収納した。
現金は"円"にこだわった。
しかし、勧められた運用分はユーロやドルでも持っている。
まぁ海外生活は今の所、考えてないからな。
理由は食事だ、やはり日本食が良い。
住み慣れているし。
まぁ、ヤバくなったら海外移住も考えてないと言えば嘘になるが。
まぁ、あちらでは"異世界産"という事ならば人気は高い。
時々、クラウド家に味見してもらいながら、海外からも仕入れている。
言葉は?
そこは"転移チート"だ、各国語はネイティブまでペラペラだ。
衛生面は浄化魔法と消去魔法で食中毒対策はバッチリだ。
どの国でもかかってこい!状態。
しかし、テイクアウトできないと仕入れは出来ないけどな。
屋台などなら50人前を一気に頼むのではなく、5人前を10回に分けるという仕入れ方法をとった。
すると、行きつけの屋台でも顔見知りができ、おまけしてくれる事も多々あった。
容器じゃなくナイロン袋の場合もある為、使い捨て容器は大量に買っていた。
クラウド家の番がやってきた。
雪夜はバニーガールの格好をしていた。
(アンネ・クラウド:娘)
なっ、なっ、なっ、なっ……
(雪夜)
どうした?
(アンネ・クラウド)
なんちゅう格好してんのよ!
(雪夜)
ん?コスプレ。
スタッフだから、サービス♡サービス♡
(アンネ・クラウド)
しなくていいわ!ついでにその"こすぷれ"ってのもやめなさいよ!
(雪夜)
そうかぁ〜……
(アンネ・クラウド)
アンタ、いつもそんな格好してやってたの?
(雪夜)
いや、アンネだけサービスだ。
(アンネ・クラウド)
そんなサービス要らんわ!
という事で、雪夜渾身のサービスは断られた。
仕方ないのでメイド服に着替える。
(アンネ・クラウド)
それも違うよね!
(雪夜)
えっ?(驚)
(アンネ・クラウド)
なんで驚くのよ!
仕方ないので"巫女メイド"の衣装を取り出す雪夜。
(アンネ・クラウド)
もっと違うよね!
(雪夜)
じゃあ、どうしろと。
(アンネ・クラウド)
なんで分からないのよ!ちょっと待ってなさい!
そう言うと、アンネはどこかに行った。
その間に雪夜はスーツに着替えた。
(アンネ・クラウド)
これ着な……あるんじゃない!
(雪夜)
当たり前だ。
(アンネ・クラウド)
なら最初からそれ着なさいよね!
(雪夜)
そんな事したら……
(アンネ・クラウド)
何よ!
(雪夜)
アンネをおちょくれない!
(アンネ・クラウド)
ムッキいぃぃぃぃぃっ!
とりあえずアンネをおちょくった雪夜は会場の隅に行き、様子を見守る。
今のところ順調だ。
お土産は最終日の夜に渡そうという事になっている。
どうせ皆、残るんだろうって事で。
まぁ、早めに切り上げる方にはその時に渡すが。
その為に玄関にはメイドに待機してもらった。
料理長には事前に味見してもらい、残りはアンネ達にも食べてもらって妥当な金額を出してもらった。
金貨5枚は妥当という事だったので、自信を持って提供した。
まぁ、素朴な?味のは庶民のお菓子で安い。
しかし、高級菓子は砂糖をふんだんに使っている、砂糖が至高品だからだ。
それだけに甘い、凄く甘い。
そこで上質な甘さでコクが深い"異世界産"のお菓子は貴重だそうだ。
甘納豆の時は、こんなに砂糖を使っているのに、豆の風味が損なわれず、複数の種類がある事には驚いていた。
これを金貨5枚と言ったら安いと言われた。
しかし提供できないと意味がないという事で、相談の結果、金貨7枚という事になった。
これを今回はクラウド家に投入した。
これは凄い人気ですぐ無くなった。
少なくなった為、いつも通りメイドが下げようとしても、最後の一粒まで取って行った。
問い合わせがあったので、クラウド家に問い合わせてくださいと伝えておいた。
いつもクラウド家なので何故かとよく聞かれたが、雪夜は偶然ご縁ができたので、クラウド家を窓口にしていると答えていた。
その偶然は何かと聞かれた時は、アンネお嬢様(笑)を偶然助けたのがご縁の始まりと言うと、ウチの娘だったら……とか言っていた。
それもどうかと思うぞ。
(アンネ・クラウド)
どうして"お嬢様(笑)"なのよ!
(雪夜)
いや、それは心当たりがあるだろ?
(アンネ・クラウド)
無いわよ。
(雪夜)
世の中、知らない方が幸せって事があるよ(微笑み)
(アンネ・クラウド)
その微笑み、腹立つわぁ〜!
(雪夜)
まぁ、お淑やかとは無縁でしょ?
(アンネ・クラウド)
なんでよ!
(雪夜)
よく落ちてるし、お菓子やケーキはがっつくし。
(アンネ・クラウド)
誰のせいよ!
ケーキは認めるけど……
(料理長:女)
セツナ様、"甘納豆"の追加は可能でしょうか?
(雪夜)
問題ないよ。
(料理長)
なら、追加をお願いします。
(雪夜)
アンネ、良いか?
(アンネ・クラウド)
良いよ!
(雪夜)
お前、予算の相談しなくて良いのか?(ため息)
(アンネ・クラウド)
あっ……
(雪夜)
まぁ良いわ、サービスしとく。
(アンネ・クラウド)
ありがとう!!(輝く目)
(料理長)
い、良いんですか、こんな高価な物を……
(雪夜)
まぁ、ここで渋って恥かくのもムカつくから、やっちゃえ!
(料理長)
ありがとうございます!
(雪夜)
あの詰め合わせにこの小さめの袋の"甘納豆"も付けちゃえ!
(アンネ・クラウド)
良いの!!
(雪夜)
出し抜きたいんだろ?
これぐらい誤差で払えるだろ。
(アンネ・クラウド)
やったぁ〜!!
アンネは早速ケインに言いに行く。
慌ててケインが走ってくる。
(ケイン・クラウド:父親)
セツナ殿!
(雪夜)
良いですよ、2500枚でやりますから。
ただ、実際の話には上手く誤魔化してくださいね。
(ケイン・クラウド)
娘がすまん……恩に着る(涙目)
スーパーで売っている甘納豆だ、500円もしない。
金貨2500枚、売り上げは15億円だ。
それを出しても仕入れは900万は超えない。
ケチケチしないでバレないならやっちゃえ。
という事で、またクラウド家が注目された。
"あの"甘納豆を出すだけでなく"お土産に配った"と。
金貨7枚の甘納豆を配ったんだ、そりゃ話題になるだろう。
しかし、よく見ると金貨7枚の甘納豆より袋が小さい。
いわゆる通常スーパーで売っている甘納豆だ。
金貨7枚のはお徳用の大袋だったのだ。
バームクーヘンについても質問があった。
作り方を説明すると、そんな手間暇がかかっているのかと感嘆していた。
帰って箱を開けたら驚いたそうだ。
そのバームクーヘンも箱の中に入っている。
バームクーヘンと焼き菓子の詰め合わせだ、しかも名店の。
アンネは鼻高々だったとか。
(雪夜)
アンネ、ふんぞり返ったらもう来ないからな。
(アンネ・クラウド)
そんな事しません!
(雪夜)
で、お茶会の様子は?
(アンネ・クラウド)
お茶の様子?
(雪夜)
情報収集とかすり寄って来たりとか。
(アンネ・クラウド)
心配してくれてるの?
(雪夜)
全然
(アンネ・クラウド)
即答で断言!
(雪夜)
面白いかなと。
(アンネ・クラウド)
なんでよ!
(雪夜)
色々と。
(アンネ・クラウド)
ムッキいぃぃぃぃぃっ!
今日も平常運転の雪夜とアンネだった。
お前ら良いコンビだな。




