天で神でも地の末子
リビングに入ると、人間の子が物凄い勢いで近づいてきおった。
「おはよー!いきなりねちゃうからびっくりしたんだよ…!」
「それは…申し訳なかったのう…」
「あ、そういえばまだちゃんと言ってなかったっけ?ぜぷとだよ!よろしくねー!」
(挨拶が急過ぎるのじゃ…)
「ついでに僕も自己紹介を…久遠永茉と言います。僕の事はお父さんだと思っていいですからね」
(親子揃って可怪しな奴等じゃな…)
「清浄は妹が出来たことをとても喜んでますよ。もちろん、僕も娘が増えて嬉しいですけどね!」
「は?我が此奴の妹じゃと?」
(数千年生きておるのじゃぞ…?)
納得いかず異議を唱えたのじゃが…
「ですが、その外見じゃどう見ても…」
「望んでこうなったのでは無いわ!何故この様な形にしたのじゃ!」
「んー…親父のしゅみ?」
「清浄、それは誤解を招きます」
「ちがくはないとおもうけど?」
これ以上聞いたら不味い気がしてのう、諦めるしか無かったのじゃ。
「そ、それはさておき!貴方に名前をお伝えするのがまだでしたね」
「我の名じゃと?」
(我には元より神名があるのじゃが…)
頻繁に名乗るものでも無い故、知る者は殆ど居らんがのう。
「実はもう決めてるんですよ。千禾予でいかがでしょう?」
(地上で過ごす上では別の名を持っておった方が便利じゃよな)
「良いじゃろう、その名で構わぬ。」
「やったー!ロナちゃんこれからよろしくね!」
ぜぷとは我より喜んでおったのじゃ。
「ぜぷと、人間、これから世話になるのじゃ。」
「僕は人間呼びなんですね…あ、それと清浄の上に2人いるので、後で紹介しますね」
(まだ居るのか…此奴等に馴染める気がせんのう…)
残り2人もこの熱量かと思うと、気が気で無くなってしまったのじゃった。
どうじゃ、我が神じゃと理解出来たかのう?
な、何故分からんのじゃこの愚か者め!!
はあ…良かろう。また今度身の上を話すとしよう。
絶対聞きに来るのじゃぞ!今度こそ分からせてやるのじゃ!