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急いては事を仕損ずるのみ

「ちょっと待ってください!俺はそんな事してません!!」

(ようやく自分の置かれておる状況を理解した様じゃな)

「黙れ。お主がやったと皆が証言しておるじゃろうが」

「一旦落ち着いてください!俺がやったという証拠は何処にも無いでしょう!?」

確かに、我は証拠を何ひとつ持っておらんかった。

じゃが、我はその言葉を言い逃れをしようとしておると受け取ったのじゃ。

「間違いを犯した者は皆そう言うのじゃ。さっさと認めればよかろう」

「そうかもしれませんが…!」

「罪を認めぬというのなら仕方ないのう。お主の力を全て剥奪し、地に堕とすまでじゃ」

「剥奪!?急に罰を重くし過ぎです!!」

(おっと、発破をかけるだけの積もりが、流石に言い過ぎたかのう…)

「仮に俺が犯人だとしても、貴方の独断で裁いたら不味いでしょう!!」

(なかなか頭の切れる奴じゃな…)

「ちゃんとした議論を行うべきです!」

「う、煩いのじゃ!!お主、口が過ぎておるぞ!」

全く思い通りに進まぬ故、我は焦りが強くなってきてしまったのじゃ。

「もう我慢ならん!この場で即刻奪ってやるのじゃ!!」

我が強硬手段に出ようとすると、彼奴は直ぐに逃げる姿勢に入った。

「逃げられると思うたか!?」

じゃが、此処は我の城。退路を塞ぎ身体の自由を奪ってやったわい。

「くっ…強すぎだろ…」

先刻の焦りを相殺する様に、ゆったりと距離を詰める。

「無駄に手間をかけさせてくれたのう…」

我は彼奴の頭から、使いの力を取り上げたのじゃ。

「…さらばじゃ」

その儘、地に堕とそうとしたところで…

「な、何事じゃ!?」

突如轟音が鳴り響いた。

何者かが物凄い速さで入ってきて、押し返されてしもうたのじゃ。

(なっ…出入口は塞いだはずじゃ…?)

見ると、結界が無残に割られておった。

「神さま、聞いてください。さっき、別の子が犯人としてつかまえられました」

怒りに染まった顔をした使いが、我の目の前に居ったのじゃ。

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