バイト
結奈は、怒って帰ってしまった…。
もうさ…こうなったら、そうまの連絡先知らないから、せなにバイトの時に直接聞いてみることにした。
数日後
早速バイトでせなに質問してみた。
「なぁ、せなって今度結奈たちと泊まり会するよね?」
って。
そしたら、せなってば
「ん?結奈?だれ⁇」
ってキョトンとしてるんよ?
え…
オレもキョトンだわ…。
なんで…?知らないってどういうこと⁇
…
…もしかして、知ってるけど知らないフリしてるん?
結奈…ヤバいことに巻き込まれたりしないよね?
そうまって…いったい何者なんよ⁇
「いや、せなの同じ学校の結奈だよ?知ってるでしょ?」
…
せなは、少し考えて
「前もそんなこと言ってたよね?でも、オレあんまり女子と話さないし、名前とかわかんないかも」
ってしらばっくれたんよ…。
知らないって言われたら…どうしようもできん‼︎
なんとか泊まり…阻止できないだろうか?
そもそも泊まりっていつなんよ…
今度って言ってたよね…
バイトが終わったらすぐに結奈に電話してみた。
「泊まりっていつ⁇」
ってさ。
そしたらまさかの…
昨日でした。
「結奈…大丈夫かよ⁉︎大丈夫だったのかよ⁉︎なんかされてない⁉︎」
オレの質問に少し間が空いて結奈は、
「は?意味わかんないから。」
って冷たく言い放ち電話を切った。
…結奈、オレは結奈が心配なだけなのに。
心配は、とまらない…
どうしたら結奈とそうまを引き離せるのか…。
バイト中、上の空だった。
店長…ごめんなさい。
面接から、オレはずっとふわふわしているのかもしれません…。
どうしよう…どうしようがずっとグルグルしていて、特になんのいい案も出てこない。
出てくるのは、ひたすらどうしよう一択。
どうしようだけじゃどうしようもない…。
…
次の日もオレは、バイトでした。
実は、オレのバイト先は…カラフルなわたあめ屋さんだ。
だから、オレの心もカラダもふわふわしてるんかな⁇
…
「いらっしゃいませー」
って気を取り直していうと…
「「あ…」」
オレはとある人と遭遇したのだ。
そうまやん‼︎
そうまは、黒のキャップを深く被っていた。
でも、オレに気づいてそうまのやつ…
「結奈の幼馴染くんじゃん」
って興味もなさげに言ってきた。
そして淡々と注文をはじめた。
そうまって…声、前とかわった?
…
違和感がありつつ、ふわふわしながらふわふわのわたあめをつくった。
「お待たせいたしました」
って、少し乱暴に渡した。
そして、そうまに
「結奈と別れてよ」
って単刀直入に言ってやった。
するとそうまが自分の被っていた帽子をクイッとあげて、
「あんたさ、結奈のこと束縛しすぎじゃん?ヤバいね。色々と」
って意味わからない言葉をいい放ち、去っていった。
な、なんなんだよ⁉︎
「ちょっ…待てよ‼︎」
オレの言葉なんて興味ありませんって感じで振り向きもせず、手だけフリフリして去っていった。
…
なんなんだよ…どいつもこいつもさぁ‼︎
てか、ヤバいのあんただかんな⁉︎
なんでオレがヤバいヤツなんだよ…
そりゃ、大切な幼馴染なんだから心配するだろ…
束縛ってなんだよ⁉︎
そうま…
お前…結奈のことほんとに愛してんのかよ⁉︎
…
やっぱり…結奈が目を覚まさないとどうしようもないよね。
「あのー、注文いいですか?」
お客さんの声で、バイトをしていたんだって我にかえった。
わたあめの甘い匂いにまとわれつつ、オレは甘くもない人生ってやつを鼻で感じた。
オレって…涙も脇からでるし、甘くない人生を鼻で感じたり…
やっぱりヤバいやつなのでは?
…
そうまって…もしかしてオレよりまし…?なわけは、ないよね⁇
それにしても、せながまさか結奈を知らないなんて言うと思わなかったな…。
なんか…オレたちって本当の友達じゃなかったのかな…。
今度また、そうまは…わたあめ買いにくるかな?
そしたら、今度こそ連絡先聞いて話し合いたい…。
結奈は、そうまの連絡先…絶対に教えてくれないだろうな。
学校前で待ち伏せしたら、結奈が怒るよ…ね?
でも、早く結奈をそうまから引き離したい。
…
あ、わかったかも…
オレがそうまより、いい男になればいいんじゃね⁉︎
続く。