泊まるの?
結奈は、高校生になってから心が不安定だ。
シーソーくらい、心のバランス感覚が複雑だ。
言葉を少しでも間違えると、心のバランスがガタンとなり、大変危険な状態に陥ります。
それにしても…結奈は、なんでいきなり髪をショートにしたのでしょう⁇
やっぱり…そうまが絡んでいるような…。
でもさ、めっちゃいい‼︎
似合ってる‼︎
超絶かわいいっすよー‼︎
抱きしめて抱きしめて、かわいいよ。すごくかわいいよっていいてぇー…
でも、その役目は…オレじゃないのは、承知してございます。
…
結奈は、不安定ながらもオレの部屋には定期的にやってくる。
そこは、安定だ。
そして…やたらと、せなについて質問してくるようになった。
結奈…もしかして、そうまから…せなに乗り換えるつもりなんじゃ…?
せなと最近出かけた?とか、せなとどんなこと話すの?とか、服装と髪型どんなだった?ってさ…。
そりゃ、オレからしたらそうまよりは…せなの方が安心かもしれない。
いきなり彼女の部屋に行かなそうだし…お泊まりもしなそうな…。
だからオレは結奈に、せなはとにかくいいやつだと伝えた。
良かれと思っておすすめしたのだが…結奈は、自分から聞いておいて
「へー、あーそう」
と、心無い感じで返してくる。
どうしたんよ⁇
結奈がほんとにわかりません…
心が…まむらさきになりそうです。
そんな、まむらさきになりかけてるオレに結奈は、いきなり
「今度、そうまとせなとお泊まりするんだ」
って言い出しました‼︎
なんなん⁉︎
心が…ヤバい。
だれか心の包帯まいてくんろ…
ワタで包んで温めてください…
優しくそっと両手で包み込んでください…
泣きそうです…
心は土砂降りです。
心臓マッサージお願いします。
…
もうさ、寝ようかな…
結奈いるけど…布団に潜りたい。
結奈…どうしたんよ…
そうまが…そうまってヤツが絶対結奈を崩壊させたに違いない。
「結奈…三人で泊まるの?それって…どこに?」
質問しながら脇汗だくだくです…
なんなら、ぽたって垂れたよ?
脇汗の涙…
結奈が見てるから…目から出せないからって、オレのからだは脇の下から涙を流しております。
涙って…目からだけじゃないんだ…
からだ全身が苦しんでおります…
どうしよう…
結奈が…結奈が…どんどんおかしくなっている…。
それと同時進行でオレのからだも心も崩壊している…。
オレの心のドアに、いきなりだれかがへばりついてきて、ドンドン叩いている…そんな状態です…。
だれ⁇なに⁇コワイ…
恐怖心で溢れかえっております。
恐怖の洪水…
だれか止めてください‼︎
だれかーっ‼︎
…
これをとめられるのって…
もしかしたらオレ…なのかもしれない。
結奈の暴走をとめたら…オレも結奈も平和が訪れる。
そんな気がしてならない。
結奈は、今…そうまという沼に沈みかけているんだ。
それをオレが救ってあげれば…
「結奈…そのお泊まり会…行かせない」
「え?」
結奈は、驚いていた。
「そのお泊まり会って…だれ主催?」
「そうま。よくせなが泊まりにきてるって…それでわたしも誘ってもらったんだよ?なんで?」
…
やっぱりか。
「結奈は、…違うじゃん」
「なに?どういうこと⁇場違いみたいなこと?わたしには、あの二人に追いつかない…って言いたいの⁉︎」
怒る結奈。
「そうだよ!場違いだよ‼︎なんかあったらどうすんだよ‼︎」
「なんかって…なに?和紀もしかして…わたしの知らないところで何か秘密とかあるの?最近わたしの前で、やたらとため息つくし…ゲームするなら無料じゃないみたいなこと前に言ってたし…遠回しに、わたしを煙たがってない?」
…
「それは…そうじゃなくて…」
「わたしは、泊まるよ?和紀が決めることじゃない!」
…
「なら、オレも行く」
…
「え?それは…それこそ場違いじゃ…。和紀って…やっぱり変態なの?ヤバくない?」
「なんでだよ!なんでそうまとせなはよくて、オレはダメなんだよ?」
「それは…ダメに決まってるよ。和紀ってほんとかわったよね‼︎」
「かわったのは、結奈じゃん」
…
結奈は、オレをじっとみた後…
「泊まり来ないでよね‼︎」
と言って帰ってしまった。
なんでだよ…
なんでなんだよ…結奈。
続く。