どうした?
結奈がまさかのお泊まりって…
「泊まりって…うそだよね」
「ううん、泊まるよ?」
…いや、オレの心臓が本当にとまりそう。
バクバクバクバクしすぎて、びっくりしてとまるよ?
「親とか…お許しくれた?」
「うん」
「そうまと行くって言ってない…んだ?」
「言ったよ?あー楽しみだなぁ。ライブよりもわたしは、ホテルメインなんだよねー」
…
結奈…さんや…なにをサラッと言っておるん?
ホテルメインって…
「大丈夫…?」
「ん?何が?あ、それよりそうまと一緒にお風呂入るんだぁ。ワクワクするぅ」
ってはしゃぐ結奈。
オレの心臓もはしゃぐはしゃぐ。
…
そうまや…
優しい顔をしたオオカミやん…。
泊まりって…
そりゃ、付き合ってすぐ女の家に上がり込むんだもんね…
普通じゃないって‼︎
…
心配になってきた…
「あのさ、結奈……そうまってその…今まで付き合った人何人とか…その…聞いたりした?」
「なんで?気になるの?」
「いや…まぁどうなのかな〜って」
「知らない。自分で聞いたら?」
…
結奈が怒った。
明らかに怒ってる。
そうだよね…
オレが介入する事じゃないよね…。
もうその話は…やめることにいたします。
…
ため息が、暴風みたいになります。
心の底からブホォーッっフゥーーッってさ。
結奈の彼氏って…なんか油断ならねーな。
とにかくオレは結奈が変なことに巻き込まれないように、目を光らせるっ‼︎
でも、あんまり干渉しないようにしないとな…。
これからは、絶妙な距離感で…なおかつ慎重にいきたいと思われます。
でも、どうすればいいかわからないので、とにかく心のドアは、オープンウェルカムでやっております。
バイトも順調に覚えつつあります。
そんなバイトでオレは結奈と同じ学校の人とお友達になりました。
その人は、せなくんと言います。
一気に趣味が合い意気投合して今は、くん呼びから呼び捨てで呼び合うくらいの仲です。
結奈にせなのこと知ってる?って聞いたけど、まだクラスの人すら全員覚えていないから、わからないっていうことだった。
せなも結奈を知らないそうだ。
まぁ、知らない方がいい。
ただでさえ、そうまっていう危険な彼氏がいるのに、せなも結奈を狙い出したらライバル多しで、それはそれは大変になるからな…。
オレは結奈がそうまとデートの日は、基本バイトか、せなと遊ぶ。
でも、今日は結奈が自らオレと遊びたいっていうから、部屋で待っていた。
というか…
ベッドでくつろいでいた。
そしたら結奈ってば、いきなり髪をアイロンでめっちゃストレートにしてて、いつもよりもめっちゃおしゃれをしていた。
そんな結奈に見惚れていると結奈は、明るく
「ハロー」
って言いながらオレに近づいてきた。
「ハローって…どうした…?そんなおめかしして…」
「えっ?かわいい?」
「うん…」
「やったね」
嬉しそうな結奈は、オレの隣にストンと座った。
「あの…今日は、これからデート…かな?」
「ん?ある意味そうなるかな」
…
ある意味とは…?
「じゃ和紀、お出かけしよ?」
「…いいの?」
「うん。やだ?」
いいけど…彼氏は、ほんとうのところ…オレたちのことどう思っているんだろうか…?
でもな…結奈に彼氏の話すると不機嫌になるからな…。
困ったな…
「結奈、今日オレたちってどこ行くの?」
「映画とか行かない?」
「映画か。うん、いいよ」
「わたしあれみたいの!幼馴染虹色爺さん」
「あー、オレそれみた…んよ」
「え、だれと?」
「せな」
…
その言葉に固まる結奈。
「え…せなってあのせな?」
「あ、知ってる?結奈と同じ学校の」
「うん…この前和紀が知ってる?って言ってきたからどの人かなって探したらそうまの友達で…てか、映画行くくらい仲良いの⁉︎なんで⁉︎なんでよ⁉︎」
って、少しキレる結奈。
…結奈は、最近よくプチ怒りする。
「なんでって…友達だから」
「ふーん。へー」
「あ、でも面白かったし…もう一回みてもいいよ?」
「ヤダ‼︎行かない‼︎もう和紀なんかと映画絶対行かない」
…
オレと行かなくても、そうまと行けばいいよね…。
そうまもそれ、他の人とみちゃったとか?
それとも…それはみたくないから幼馴染といってこい的な?
聞きたいけど、結奈そうまの話すると不機嫌になるからな…。
てか、情緒不安定系⁇
「あのさ、結奈…なんかあったらオレなんでも聞くから、いつでも相談してな?」
…
少しむくれた結奈は、オレをじっとみた後に
「なんでそんなふうになっちゃった?」
って言ったんです。
…
どんなよ?
「え、なんて?」
「和紀は、高校生になったらへんになったよね?」
って言い出しましたね…。
「オレ…そんなつもりないけどな…」
「無意識とか、ヤバ。ほんと…どうしたのよ?」
…意味がわからん。
「結奈こそ…どうした?」
「どうも?和紀がどうしたんだろうねー?」
…
結奈…彼氏とケンカしたのかな?
オレは恐る恐る聞いてみた。
「あの…そうまとほんとはなんかあった?」
ってさ。
そしたら、
「そうまは、関係ない…くもない…か。あ、わたし…わかったかも」
ってひらめいた感の結奈は、いきなり今日は、遊ぶの無しにしよ!じゃ‼︎
と言い残し帰ってしまった。
それから数日後、結奈は髪をばっさり切っていたのです。
続く。