どうなってるの?
結奈とせなをどうにか会わせたいオレは、結奈にバイトの特別キャンペーンにご招待した。
その日は結奈の大好きな、ねこ型マシュマロが限定販売される。
人気が出れば、マシュマロキャンディも販売していくらしい。
ミニマシュマロに、色とりどりのキャンディがまとっている。
それはそれは可愛くて、結奈は一瞬で食いついた。
…
あ、オレで釣る作戦…今思い出したわ。
よみがえる悪夢…
結奈が誰でも受け入れる説…
…
もうさ、結奈タイプの髪型やめちまおうかな…
…
前髪が正直じゃまなんよね…
前より慣れたけどさ…
そんな前髪に悩んでいる間にも、キャンペーンの日は、あっという間にやってきていたのでした。
で、大事なことを忘れていた。
…せながバイト休みだったら、意味がないってことだ。
しかし‼︎せなは、キャンペーンの日バイトでした。
あーよかったー…
そんなこんなで、プチハプニングも乗り越えて結奈が、いつくるかな?ってドキドキしながらバイトしてたよね。
店長…
…フワフワしているかドキドキしているか…いつも、不真面目なバイトのオレをどうかお許しください。
そしてドキドキなオレは、目を見開いた。
結奈‼︎
結奈がきた‼︎って、飼い主が帰ってきた‼︎くらいテンションが爆上がりなオレ。
心がしっぽふってる!
「結奈、きてくれたんだね」
「うん。」
「おーい、せなー」
せなは、少し離れたところで作業していた。
でも、オレが呼んだから作業をとめて、こちらへ来ようとしたんだけど…
結奈がいきなり、せなの横顔をみたとたんに
「えっ⁉︎は⁈んっ⁉︎」
と、テンパリ
「ごめん‼︎急用‼︎」
と言い残し、慌てて帰ってしまった。
「和紀、呼んだ?何?」
と、せながこちらに来た頃には結奈は、いなかった。
…結奈は、なぜそんなに慌てていたのでしょう?
「あ、せな…ごめん。大丈夫」
と謝りせなは、もとの場所へと戻っていった。
…
オレは、バイトしつつも…結奈がなんであんなに慌てていたのかずっと考えていた。
オレが、きちんとバイトに向き合う日は…くるのだろうか…。
…
あまりに結奈の行動が気になって仕方なかったので、オレは結奈が買いそびれたマシュマロキャンディを持って結奈宅へ向かった。
そして、エプロンとつっかけ姿の結奈の、おかあさんに玄関を開けてもらい、結奈の部屋へとお邪魔した。
「結奈、お土産」
「あ…ありがとう。そうだ、お金いくら?」
バッグをゴソゴソする結奈。
「あー、それ店長がくれたやつだからタダなんだ」
「じゃあ、和紀も今から一緒にたべよ?」
「オレは…いい。それより今日どうした?」
「えっ…あー…別に?」
「せなと、なんかあった?」
「あっ…それは…えっと…あー、それよりこれ、いただきます‼︎うわ、これめっちゃ美味しいよ?」
…
「結奈?ちゃんと教えてよ」
…
「な、なんにもないよ?恐ろしいくらいなんもないから‼︎」
って顔を赤くする結奈。
恐ろしいくらいって…
え…
言い寄ったけど、ダメだったってこと⁇
じゃあ、せなが結奈を知らないって言ったのって…
なんもなかった。
オレにとってあの人は、透明人間です的な⁇
それはそれで…どうなんよ?
透明人間もあんまりだろ…
結奈は、彼氏からほんとうに一番に愛されなくて…いいなって思った人から透明人間扱いされてんのか?
「結奈…結奈は、どうしたい?」
「え?どういう…意味?」
「だから…その……ごめん。」
オレは自分から話をふっておいて、先が見えなかった。
「ごめんって…それは何よ?エスパーなの?そんな先読みして…やっぱり和紀って…きらい」
…
「はは…きらいか、そうだよな。いきなり来てごめんな。じゃ」
オレは一瞬で沼に沈んだ気分だ。
結奈の一言でオレはどこまでもおちる…。
オレも…結奈を傷つけたよな。
なにもしてやれないって、言ったようなもんだからな…。
結奈は…実はそうまよりも、せなを好きになっちゃった?
だから、あんなにせなをみて慌てたのか?
だから、そうまとだれかがイチャイチャしてても応援するとか言った…ん⁇
せなって…その後、バイトの人とどうなったのかな…。
きっと…うまくいってるんだよね?
次のバイトのとき、せなに聞いてみた。
いい感じだったバイト仲間の由梨ちゃんとは、どうなった?って。
そしたら、即答で別れたって言ったよ?
え?別れた⁇
で、いつから付き合ってたん?
先週…いい感じって伺ったばかりですね?
「え?もう別れた…の?」
「うん、ずっといい感じだったんだよ?長いことさ。で、付き合ったとたん、なんか違うってお互いなってさ」
「あー…」
てことは…結奈にチャンス到来か?
脱‼︎透明人間‼︎
続く。