表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/18

 お誕生日会は、終始和やかに行われました。

 

 いや…はじめは、和やかじゃなかったけどな…。

 

 オレのせいで…

 

 そして今も、オレの心はダーク色だ。

 

 絵の具にうっかり黒を投入してしまったような…そんな感じだ。

 

 あー、なんで黒なんて…ってなるくらい落ち込んだ。

 

 黒ってほんと強いんよね…。

 

 少し入れただけでもパレットは、泣き出しそうな空色みたいになるんよ…。

 

 あ、もしかして…

 

 オレの心をダーク色じゃなくて、真っ黒にしてしまえば最強説…。

 

 黒い心…

 

 

 ぐへへへ、オレは心が真っ黒さ!

 なんでもへっちゃら‼︎

 どんなことでも、みんな真っ黒にのみこんでやる‼︎……って…できたらいいんだけど。

 

 いや、いいんかな?それって…

 

 ダメだろぅ…

 

 …

 

 それよりなんか、肌寒い…

 

 寒くなってきたねってことで、黒いパーカーを着た。

 

 結奈には、白いパーカーを渡した。

 

 結奈…

 

 結奈は、ずっと白い心でいて欲しい…って願いを込めてそれをきてもらった。

 

 

 …

 

 結奈には、正直帰って欲しくない。

 

 だって…もし帰ったら、そうまのところに行ってしまいそうだから。

 

 

 もう日も暮れてきたけど…

 

 結奈、そろそろ帰るよね…

 

 

 オレがしょぼくれていると結奈は、

「誕生日プレゼントあるんだった」

 とバッグをゴソゴソしだした。

 

 かと思えば、いきなり手をとめて…

 

「プレゼント…プレゼントなんだけど…今年は特別に、わたしでーすっ‼︎」

 って結奈が両手を広げた。

 

 …

 

 結奈…?

 結奈がプレゼントなん?

 

 …

 

「えっ⁉︎」

 

 オレが驚いていると結奈は、

「う、うそだよ。びっくりした?ほんとはコレだよ」

 って言いながら半袖シャツを広げた。

 

 シャツの真ん中には、過保護ですけど?って書いてあった。

 

 そして過保護の文字の周りに、かわいいゆるキャラみたいな絵が描かれていた。

 

「ありがとう。でも…なんで過保護?」

 意味がよくわからなかったから聞いてみた。

 

 そしたら…まさかの…

 

「そうまが絶対これだよ!」

 っておすすめしてくれたの。

 

 っていうじゃんか…

 

 イヤだ…

 

 好きな人の彼氏が選んだ服なんて…服だけにふくざつやん…。

 

 てか、過保護ってなんなんよ⁉︎

 

 だいたい…そうまが、おかしいんじゃ‼︎

 

 あいつオレは束縛しないタイプって感じだけど、結奈を野放しにしすぎじゃね⁉︎

 

 まさか…だけど…

 

 もしかしてそうまのやつ、自分がいろんな女の子と遊びたいからって、結奈を野放しにして、自分も好き放題させてもらってる?ってこと⁉︎

 

 結奈は、それが当たり前なんだよ?って教わったんじゃないだろうな⁉︎

 

 結奈…どうなんだよ…?

 

 教えてくれよ…

 

 …って聞いたら、結奈怒るよな。

 

 

 …

 

 ところで…

 彼氏と幼馴染の違いは、オレにもわかる。

 

 でも…そもそも、せなってどんなポジションなん?

 

 彼氏の友達…?それとも幼馴染のバイト仲間?

 

 どちらにせよ、せなは結奈に繋がる…のか⁉︎

 

 ここは、思いきって質問してみよう!

 

「結奈は、さ…その…せなとは……」

「ん?せな?」

「あー…ううん。なんでもない」

「…へんなの。じゃあ、わたしそろそろ帰るね」

 

 と、へんなの扱いでお誕生日会はお開きになった。

 

 

 今日は、これからお母さんと餃子をつくるらしい。

 

 

 うんうん、そんな平和なことがオレはめっちゃいいと思うよ。

 

 と、心でほっこりお芋を蒸した気分になったあと、夜…複雑な気分で結奈からのプレゼントのシャツに袖を通した。

 

 

 …

 

 着心地は…いいけど…気心地が悪い…

 

 

 そんな数日後…バイト先で、せなが目をキラキラ輝かせて突然びっくり発言しだした。

 

「和紀ー、オレ彼女できそう‼︎」

 ってさ。

 

 …それは、まさか…結奈じゃないよね⁉︎

 

 そうまから奪うとか?

 

 はじめは、そうまよりもせなの方が安心かとも思ったけどさ…

 

 でも、せなってこの前…結奈のこと知らないとかって言いだしたんだもんな…

 

 もしかして彼女できても、和紀の知らないオレの同じ学校のこだよ?とか言いそう…。

 

 

 なんなら結奈も…オレが、そうまの話すると不機嫌になるし…しかもオレ勝手にそうまに別れてなんて言っちゃったから、結奈がそれを知ったら…オレたち…絶縁だろうな…。

 

 だから、きっと結奈とせなが付き合ったら二人は、オレに言わないんだろうな…。

 

 でも、一応試しにせなに聞いてみた。

 

「ちなみに、彼女候補って…聞いてもいい感じ?」

 と。

 

 すると簡単に、

「ほら、一緒にバイトしてる由梨ちゃんだよ♡」

 ってのろけた顔をオレに向けてきた。

 

 えっ?由梨さん⁉︎

 

 たしかに仲良いなとは思っていたけど…

 

 せなは、結奈とは遊びってこと…なんだ?

 

 結奈もそうなのかな…

 

 …

 

 結奈は、せなとそうまの話をするとピリつく。

 

 でも、結奈がピリつくより結奈が悲しむ方が嫌だな…。

 

 今度、じっくり結奈とそうまのことと、せなのこと聞けたらいいんだけどな。

 

 

 続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ