ワープ成功!? 浅部での新たな冒険
「ワープって、どんな感じなんだろうな…?」
俺は心の中でそうつぶやきながら、ネズミ族のリーダーと共にワープポイントの台座に手をかざしていた。台座が光り始め、俺たちの体が徐々に宙に浮き上がる感覚。初めての体験に緊張しながらも、どこか期待している自分がいる。
「うわっ!体が軽くなってる…!これがワープの力か!?」
ゴキブリ族の戦士が驚いた顔で俺に問いかける。おいおい、そんなにびっくりするなよ。俺だって初めてなんだから、驚くのはお互い様だ。
「まぁ、こんなもんだろ。なんせ古代のワープ装置なんだからな。ちょっとした浮遊感くらいはついてくるもんさ。」
俺は冷静を装って答えたが、内心ではドキドキしていた。宙に浮かんでいるだけでなく、なんか体全体がふわふわした感じで、妙に心地よい気分だ。
「リーダー、これって大丈夫なのか?本当に浅部に行けるのか?」
ネズミ族のリーダーが、少し不安そうに俺に問いかけてくる。そりゃあ、誰だって不安になるさ。だって、ワープ装置なんてまともに使ったことがないんだからな。でも、ここでビビっている場合じゃない。俺たちの未来は、このワープにかかっているんだ。
「安心しろ!俺たちがここまで来たんだ。絶対に成功するさ!さぁ、準備万端だぞ!」
俺は自信たっぷりに言い切り、みんなを勇気づけた。すると、ネズミ族もゴキブリ族も少しだけ表情が明るくなり、覚悟を決めた様子だ。
「ワープ、開始だぁぁぁ!」
俺がそう叫んだ瞬間、光がさらに強くなり、俺たち全員がまるで風に乗ったかのように、スーッと別の空間へ引き込まれていった。
ワープ中の不思議体験
「お、おい、なんか体が変な感じになってきたぞ!」
ゴキブリ族の戦士が焦った声を出す。確かに、俺たちの体がなんとなく霧みたいにぼやけ始めているような気がする。まるで、自分の輪郭が溶け出しているみたいだ。
「なんだこれ、気持ち悪いな…俺、これ終わったら酔い止めが必要かもしれない。」
俺は軽く冗談を言ったが、正直ちょっと怖い。このまま体が消えてしまったらどうしよう…とか、変なことを考えてしまう。
「おい、リーダー!このまま消えちまうんじゃないだろうな!?」
ネズミ族のリーダーも不安そうに叫んでいる。いや、そりゃあ俺だって心配だよ。だけど、消えることはないだろ。多分な…。
「大丈夫だ!俺たちはただ、別の場所に移動してるだけさ。これは…えっと、うん、ワープのプロセスってやつだ。何事もプロセスは大事だからな!」
俺は必死に落ち着いて答えたが、内心では「マジで消えないでくれよ…」と念じていた。だが、次の瞬間、俺たちの体が完全に霧となり、周囲の景色が一瞬で暗闇に包まれた。
「え!?な、なんだこの暗さは…」
俺は目を見開いたが、目の前には何も見えない。ただ真っ暗な空間が広がっているだけだ。何もないってのは、逆に不気味なもんだ。
「おい、これどこに飛ばされたんだよ!?」
ゴキブリ族の戦士がまた不安そうに声を上げた。確かに不安になる。ここは本当に浅部なのか?それとも、どこか別の次元に飛ばされてしまったのか?
「落ち着け!ワープはまだ終わってないんだ。きっとこの暗闇の向こうに浅部が待ってるはずだ!」
俺は無理やり自分を落ち着かせ、周囲を見回す。すると、少しずつ光が戻ってきて、俺たちの体が再びはっきりと見えるようになった。
「おっ!光が戻ってきたぞ!」
ネズミ族のリーダーが嬉しそうに声を上げる。どうやら、ワープが無事に成功したみたいだ。
「よし、これで浅部に到着だな…!」
俺がそう呟いた瞬間、目の前に新たな光景が広がった。そこには、これまで見たことのない景色が広がっていた。
「ここが浅部か…!?」
俺たちはワープによって、どうやら浅部に到着したらしい。周りを見渡すと、広がる大きな空間、天井が高く、地面は比較的平坦だ。だが、何かが違う…そう、周囲には異様な雰囲気が漂っている。
「なんだ…この匂い…?」
ゴキブリ族の戦士が鼻をひくつかせる。俺も同じ匂いを感じた。それは、まるで何かが腐っているような…いや、違う、これは…
「…人間だ。」
俺はつぶやいた。そうだ、この匂いは人間だ。しかも、かなり近くにいるかもしれない。
「おい、マジかよ!人間がいるのか!?浅部って、人間が多いって聞いてたけど、こんなにすぐに出会うとは思わなかったぜ!」
ネズミ族のリーダーが驚きながら、周囲を警戒し始めた。いや、待てよ。まだ人間と出会ったわけじゃない。匂いがするだけで、姿は見えてない。
「落ち着け!まだ人間が見えたわけじゃない。俺たちが匂いを感じてるだけだ。ここで焦って騒いだら、逆に見つかっちまうだろ!」
俺は必死にみんなを落ち着かせようとする。今はまだ見つかっていない。俺たちが静かにしていれば、このまま無事にやり過ごせるかもしれない。
「よし、とりあえずあの壁の裏に隠れるぞ!」
俺は近くにあった古びた壁の陰に身を隠し、みんなにも合図を送った。ゴキブリ族とネズミ族は、すばやくその指示に従い、全員が静かに壁の後ろに身を潜めた。
人間が迫る――緊張の一瞬
「おい、リーダー、これって本当に大丈夫なのか?人間に見つかったら…」
ゴキブリ族の戦士が不安そうに問いかけてくる。いや、俺だって不安だよ。でも、ここでビビっても仕方ない。
「大丈夫さ。人間は目が悪いんだ。特にこんな薄暗い場所じゃ、俺たちを見つけられやしない。静かにしてれば、やり過ごせるはずだ…。」
俺は小声で言い聞かせるように答えた。そう、静かにしていれば大丈夫。人間はここには来ない…そう信じたい。
だが、次の瞬間、聞き慣れた足音が響いた。カツン、カツンと硬い地面を叩く音。明らかに人間の靴だ。
「おいおい、マジかよ…!」
俺たちは一斉に息をひそめた。足音は徐々に近づいてきて、まるで俺たちの隠れ場所に向かって歩いてくるかのようだ。
「リーダー、どうする!?このままじゃ見つかっちまうぞ!」
ネズミ族のリーダーが焦った声で俺にささやく。いや、待てよ…ここで焦って動いたら、逆に音を立てて見つかるかもしれない。
「静かにしろ!何もするな!」
俺は必死に冷静を保ちながら、みんなに指示を出した。息をひそめて、じっと耐える。足音はすぐ近くまで来ていた。
「…なんかいたか?」
突然、聞こえてきたのは人間の声だった。俺たちは一瞬で緊張が走った。
「いや、気のせいだろう。ここには何もいないさ。」
別の人間がそう答える。俺たちは胸をなでおろした。どうやら、完全に見つかったわけではないらしい。
「ふぅ…助かったか?」
ゴキブリ族の戦士がホッとした顔でつぶやいた。俺も同じ気持ちだ。どうやら、この場はうまくやり過ごせそうだ。
「さて、ここで落ち着いてもいいが…問題は人間がうろついてるってことだな。」
俺は冷静に状況を分析し始めた。この場所は浅部で、人間が多いのは事実だが、俺たちがうまく隠れれば、安全な拠点として使える可能性もある。
「でも、人間が多い場所に住むってのもなぁ…。」
ゴキブリ族の戦士が不安そうに言うが、俺は笑って答えた。
「だからこそ、人間が入ってこれないような場所を探すんだよ。狭くて暗くて、人間が嫌がる場所…そんな場所なら、俺たちにぴったりだろ?」
俺は新たな希望を胸に、仲間たちを励ました。
浅部での新たな生活はまだ始まったばかりだが、俺たちならきっと切り開いていけるはずだ。




